今年の南部杯でクィーンロマンスに騎乗する笠松競馬の佐藤友則です。クィーンロマンスは母の母が桜花賞馬のオグリローマンで、ホワイトナルビーの血を受け継ぐ一族です。テンのスピードが自慢の馬ですが、８月に川崎競馬場で行われたスパーキングサマーカップで久しぶりに騎乗した時に、控える競馬を試みてそれなりに対応してくれました。前走、園田競馬場で行われた姫山菊花賞は距離が長くて最下位に敗退してしまい、南部杯を回避する話も出たのですが、地元重賞のスプリントに選ばれなかったので結局予定通り南部杯に出走することになりました。
　実は、クィーンロマンスが南部杯に出走しても、騎乗するかどうかはずっと決めかねていました。ＧＩに騎乗することはとても名誉なことですが、現実問題、騎乗手当から今回は自腹の交通費を除くと、ほとんど手元には残らないのです。５着以内に入れば賞金がありますが、その可能性を考たり地元の笠松開催とも重なりますし、毎日朝の調教があってその合間に行くわけですから疲れも溜まり、どうしても盛岡への遠征は躊躇してしまうんです。このような場合はいつも亮（高松亮騎手）に騎乗を頼んでいるのですが、今回は騎乗馬があるというので、みなまゆ（皆川真由美騎手）に乗る？って聞いたほどでした。
　しかし、遠征を決意する決定的な連絡を受けました。南部杯当日にシャーガーカップのような騎手対抗戦を企画しているというのです。僕は、こういうお祭り事は大好きなんですよ。これは行くしかないと即決しました。どんどん、こういう面白い企画はやるべきなんです。佐藤友則は盛り上げることは大の得意ですがら、ぜひ盛岡競馬場で笠松の佐藤友則にご注目下さい。

　盛岡競馬場で初めて騎乗したのはダービーグランプリで、ハクリュウアラシという馬で挑みました。ユートピアが勝った時ですから、もう５年も前のことです。この時は上位争いをするつもりで色気を持って騎乗しました。ところが、結果は大きく離された最下位。これがＧＩなんだと思い知らされました。同じレースで好走したミツアキタービンが、その後に活躍したのも納得ですね。初めて乗った盛岡競馬場は、乗りなれていない左回りの気持ち悪さと、地方競馬には珍しい直線の坂が印象として残りました。

　南部杯には一昨年にオグリスキーで参戦しました。このときも最下位でしたが、ＧＩでは荷が重い馬だったので仕方ないです。でも、たとえこういう馬でもグレードレースに挑戦し続けることによって、いつか実を結べばいいなと思っています。これまで、ハクリュウアラシと同じくらいグレードで期待したのが、昨年の兵庫ジュニアグランプリに出走したチェイリュイでした。結果は４着でしたが、ハクリュウアラシやオグリスキーの経験があったからこそ、グレードのレベルを知ることができ、現実味のある期待感が持てるようになったのです。それから、一昨年の南部杯にはとても良い思い出があります。それは、当日、競馬場でキリンビールのキャンペーンをやっていて、綺麗なモデルのお姉さんがたくさんいたことです。やっぱり、綺麗なキャンギャルの前ならば、僕もモチベーションが高まるし、お客さんも嬉しいでしょう。今年も密かに期待しているので、ぜひ綺麗な子を揃えてくださいね！

　昨年もオグリスキーは南部杯に出走したのですが、亮に騎乗を頼みました。亮とは、同じ騎手サイトをやっていて親しくなったのですが、岩手のレースを見ていても若手では抜けて上手いと思います。頼みやすいこともあって、機会があれば亮に騎乗してもらっています。亮も短期で笠松に乗りに来たので、今ではとても仲良くて、騎乗のアドバイスもしているんです。この前の青藍賞で亮の初重賞勝ちが見られるかと思いましたが、２着でしたね。亮もレース後、そうとう悔しがっていましたが、あれは気持ちの問題ですね。道中は目立ったミスもなくうまく乗れていました。しかし、重賞を勝ちたいという強い気持ちが焦りとなって、結果的に負けていると思います。平場でどんなに上手く乗ることができても、大きいレースで会心の騎乗ができなければ意味ないんです。ソーユアフロストのレースを見ていて、テンには掛かりそうな感じで終いは伸びるけど、図太そうなのが伝わってきました。でも、騎手としてこういう馬で会心の騎乗をして勝てたときは最高に嬉しいものです。亮がソーユアフロストでそんな騎乗をして勝った時には最高のガッツポーズを見せてくれることでしょう。
それから亮には、馬のリズムを大事にして乗れといつも言っています。地方競馬は力ずくで追いまくるイメージがありますが、一番大事なのはリズムなんです。仕掛けどころで加速するときには、一気に全開にせず、車でいうロー、セカンドと加速していくイメージで乗ることが大切です。

　ところが、先日のＯＲＯカップにオグリオトメで参戦した時のことですが、ボスアミーゴの動きに焦ってしまい、僕が一気に追い出す乗り方をしてしまいました。そのため、馬に余計な負担をかけ、結局４着に敗退しました。亮にいつも言ってることを自分ができなかったのがとても悔しくて、馬に申し訳ない気持ちです。オグリオトメはこの後名古屋で一回使って、その結果次第で地元の岐阜金賞か盛岡のきんもくせい賞に出走となりそうです。もし、きんもくせい賞に出走することになったら、ＯＲＯカップの借りを返して優勝したいです。みなさん、そのときは笠松の馬ですがぜひ応援してくださいね。
　今年の南部杯は、僕の力で何としても盛り上げたいと思っています。だから、他のみんなも、もっと元気を出して競馬を思う存分楽しみましょう。岩手競馬にも元気キャラのみなまゆがいますから、みんなもみなまゆを見習って、もっと弾けてほしいです！！　それでは、13日に盛岡競馬場で会いましょう！


　本人撮影南部杯ムービー
　　　１、筒井騎手
　　　２、島崎騎手
　　　３、調教中
　　　４、地元で
　　　５、地元で