さばーな日々

今日はあいにくの曇天．
お洗濯ものがかわきません．困ったなあ．

と窓辺で溜息をついていましたら，なんだか外が騒がしいのです．
すると．

『○○マンションのみなさん！　おはようございますッ！！！』

いきなり大きな声がしたのです．
驚いてベランダに出てみると，マンションの前の道路に一台の軽トラックが止まっています．
その荷台には，祭り装束に身を固めたアンちゃんが三人，そのうちの一人が拡声器を使って，私達に呼びかけているのです．

『みなさん，今日は八幡宮のおまつりです！　みんなで参加しましょう！』

ああ，なんということでしょう．以前住んでいたお屋敷にも，お祭りはやってきましたが，わざわざ参加を呼びかけられたことなんてありませんでしたのに．
クラクラと目眩を覚えた私は，おもわずご主人さまを呼んでしまいました．

――たいへんです，ご主人様．土地のみなさまがご挨拶に

「あっはっはっは．これは愉快だ」

ご主人様は額に手を当てて，おおらかに笑っておしまいです．

「ほら，向うに子供たちのお囃子が通るよ．きみも見てくるかい？」
――でも……
「じゃあ，セブンさんのお店で，パンを買っておいで」
――あ！　はい，ただいま！！

わたしはお財布をもって走り……，いえ，急いでいきました．
今日のご主人様は，なんだか上機嫌です．