-峠1-「久しぶりに明日走ろうか?」何気ない友達の電話が懐かしかった。 何時以来だろう、もう何年も一緒に走っていなかった気がする。 お互い結婚して家庭を持ったからだろう、無理と無茶な行動は すっかり影を潜めてしまったからである。 「じゃあいつもの場所でいつもの時間でいいか?」 「オッケー。」 今まで何度となく一緒に走った場所。待ち合わせ時間も常に同じで いまさら確認する必要も無かった。 明日の天気は予報では晴れ。今日は早めに寝るとするか・・ (まるで運動会前の子供みたいだ・・) ソワソワしている自分がちょっとバカみたいで、でも初めて乗ったVTの 感動が蘇ってくる自分がいて、青春時代に遡っていくのだった。 「バリバリ伝説」そう・・モロに影響を受けた世代なのである。 グンのCB750Fに憧れ、ヒデヨシのカタナに憧れ・・・でも、限定解除は とっても無理で・・みいのVTでもいいかな?なんて感じで手に入れたのだけれども それでもすっかり夢中になっていたあの頃。 (明日はうまく走れるかな・・) そう思っているうちに眠ってしまっていた。 |