-峠2-目が覚めた。 時計を見ると3時20分だった。 こういうときは不思議なもので、目覚ましをセットした時刻よりも 必ず先に目覚めるのである。 (随分と便利な体内時計だな・・) 妙に納得している自分がおかしかった。 妻と子供を起こさないようにそっと戸をあけシャワーを浴びた。 昔から走るときの自分なりの儀式。 そうしてから準備していたウェアを着込む。 久しぶりのバンクセンサー付きパンツを履く。 20代とはいかないが、昔のパンツを履けた自分の体型にそれなりに満足。 ボロボロで沢山の傷がある、体を守ってきた大切なズボン。 ジャケットを着て、ブーツを履く、ヘルメットとグローブを持って車庫にいった 時代は変わって、あの時のVT(MC-08)はもう無いけれど、代わりに今はコイツが相棒 VFR400R(NC-30) 何故だろう。自分はV型が好きなのだ。 少数派だろうが独特なエンジン音と構成が好きなのかもしれない。 知人から譲り受け、3年ちょっと。9千km程走った仲だ。 最近ようやく乗れてきたかな?って思えるようになってきたところだった。 時刻は4時。 コイツのTSRマフラーは結構うるさいので、いつものように道路まで押していく。 ヘルメットを被るとき、東の空が薄っすらと明るくなってきていた。 「さあて、相棒。いきますか?」 近所迷惑かな?なんて思いながらも走り出す。 友達が待っている場所へ。 ジャンル別一覧
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