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窓辺でお茶を

本箱(この世の沙汰はCM次第?の棚)

・CM化するニッポン
・電通の正体
・戦争広告代理店


CM化するニッポン 谷村智康著 WAVE出版


キムタクが主演のドラマ、レーサーなのにレースのシーンが少ないのはなぜか、「魔女の宅急便」が「魔女の宅配便」ではなく、NHKで放映されないのはなぜか、考えたことがありますか?

いまや、ドラマ、アニメ、番組そのものが企業イメージをよくするためのCMだったり、さりげなくCMがはいりこんでいたりするのです。

「CM化するニッポン」(WAVE出版)の著者 谷村智康さんはケーブルテレビ局、大手広告代理店、外資系コンサルティング会社等に勤務の経歴を持ち、現在はマーケティングの指導にあたっているマーケティングのプロです。amazonの書評でも広告業界にいるという読者が全部本当のことだと書いています。

民放のテレビがなぜ面白くなくなったかも解き明かしています。テレビ局は視聴者の満足など考えず、儲けること、CMを届けることしか考えていないということです。(いわれなくとも、なんとなく感じていたことではありますけれど。ディレクターと芸のない芸能人が自分たちだけで楽しんでいる番組なんて見て喜ぶ人はいるのだろうか、と思っていたけれどスポンサーがつくということはいるのでしょうね)

テレビだけでなく、新聞や雑誌も記事かと思って読んでいると隅に小さくPRと書いてあることがあります。それはまあいいとして、コラムとして書いていたり、大量の広告を出すのとひきかえに記事にしてもらったり、記事を差し止めたりすることもあるそうです。

悪名高い記者クラブについても触れています。
記事、写真等セットにして、時にそれらをCD-ROMにして渡す(プレスリリース)、それも締め切り間際にすれば、他社の特ダネにさせまいと、記者たちはじっくり検証する時間がなく記事にする、とか、都合が悪いことはニュース枠の少ない週末に向け、金曜の夜発表するなど。あとは、記者が自分で特ダネを見つけたと思うように仕向けるテクニックがあるそうです。

湾岸戦争のとき、日本はお金だけ出して何もしなかったと批判されたけれど、それはPRがへだだからで、もっとうまくPRすればイラクに自衛隊を派遣する必要もなかったかもしれないということで、おどろくべきPR会社にもふれています。PR会社とは広告代理店ではなく、今回の選挙でようやく知られてきた、選挙から戦争まであらゆることのイメージづくりやキャンペーンをビジネスとする会社です。

この本の最後に著者は書いています。
「あなたはこの本を読んで気がつきました。
これは、世の中を変える第一歩になります。」

皆さんもぜひお読みになって、何が本当かを自分でみてとる参考になさってください。
2011年に地上波テレビはデジタル化され、今のテレビでは見られなくなってしまいます。そうなったら、もうテレビはいらない、という気にさせてくれる?本です。


電通の正体 《週間金曜日別冊ブックレット8》


週間金曜日のホームページから購入できます。
内容をいくつが拾ってみますと 単体では世界最大役1兆4000億円の年間売上高を誇る広告代理店「電通」についてはほとんど報道されません。
広告収入に依存するマスコミにとってはタブーなのです。

広告代理店の中でも最大のシェアを誇る電通は、テレビだけでなく、新聞、雑誌にも大きな影響力を持っています。広告をひきあげを匂わせれば、都合の悪い記事の掲載をやめさせる、そこまでは無理でも記事を小さく目立たなくすることができます。その結果大手顧客のメーカーの事故などは記事にできないそうです。

商品の広告のみならず、企業のイメージ戦略、さらに政治にまで係わっています。
沖縄の稲嶺知事が基地容認の姿勢を崩せないのは、1998年沖縄知事選で振興マネーと電通の力を借りて不利と思われていた選挙に勝ったせいだそうです。掲載主のわからない9.2パーセントと書かれたポスターがいたるところに貼られていたそうですが、9.2パーセントとは沖縄県の失業率であり、全国的に不況であったのに大田知事の失政であるかのようなキャンペーンがはられました。
ちなみに、2004年参議院戦敗北のあと、自民党の「改革検証・推進委員会」(安部晋三委員長)がコンペを主催しましたが、その課題は日本歯科医師会からの献金問題への対応や小泉首相の「人生いろいろ」発言へのコメントだったそうです。ただし、これは電通ではなく、プラップジャパンが契約をとったということです。

ワンフレーズポリティックスをアドバイスしたのも電通だといわれているそうです。

また、電通や博報堂は消費者団体に潜入して調査することもあるが、原発などは興信所などに依頼した記録が残るのを避けたいからではないかということです。支持政党の動向などを調べるため労働組合を調査することもあるとのこと。

2001年田中長野県知事は小泉内閣のタウンミーティングに対し、300人を切る人々でどうして2千万かかるのかと批判しました。その年電通の随意契約で1897万円かかっていました。翌年一般競争入札にしたところ、762万円になり、2003年には1061万円だったそうです。

オリンピックや愛知万博のことなどもとりあげてあります。

「CM化するニッポン」とあわせて読むと、マスコミのからくりがだいぶ判ってくる気がします。

改憲の世論も広告会社につくらせるのではないかとたしか「小泉純一郎と日本の腐敗政治」に書いてありました。

昔から「新聞に載るところだったけれど止めた」などと聞いたことがあるのですが、どうやって止めたのかまで聞いたことはなかったです。
「人生いろいろ」対策まで広告会社に考えさせたとすると、野党に対する反論や反小泉のブログに時々見られる同じようなパターンの反論のコメントも広告会社がマニュアルをつくったのではないかと勘ぐってしまいます。


戦争広告代理店 ―情報操作とボスニア戦争― 高木誠著 講談社文庫


・短いセンテンスで話すのでニュース用に編集するときの「サウンドバイト」にぴったり。
・女性に人気
・ナルシスト
さて、誰のことでしょう?
気の効いた英語が話せる、語彙が豊富と続きます。もしかして思っていたのと違いました?
ボスニア・ヘルツェゴビナの外相(当時)シライジッチに会って、アメリカの広告会社ルーダー・フィンのジム・ハーフが受けた印象です。
ハーフはシライジッチがスポークスマンにうってつけと考えました。

石油も出ない国のモスレム人たちがアメリカの関心を引くことができ、セルビア人、クロアチア人、モスレム、みな同じようなことをしていたにもかかわらず、<セルビア人=悪>、<モスレム人=迫害される善人>のイメージができあがってしまったのは、ひとえにジム・ハーフの手腕によるものでした。

高木誠氏がディレクターとしてNHKスペシャルで制作した番組の取材をもとに書いた本でふたつの賞に輝きました。

ルーダー・フィン社に依頼する前、シライジッチは単身アメリカに渡ったものの、誰からも相手にされませんでした。モスレム人がセルビア人に虐殺されていると訴えても、アフリカではもっとひどいことが行われており、アメリカに助けを求める国はたくさんあっていちいち取りあっていられないというのです。困ったシライジッチが人権活動家に電話したところ、彼はジム・ハーフを紹介しました。ジム・ハーフにはクロアチアの独立の正当性を宣伝した実績がありました。

ジム・ハーフは「民族浄化」ということばを考え出し、折に触れ、シライジッチに言わせ、政治家宛にこのことばをちりばめた手紙を自ら代筆すらしました。
ユダヤ人であるはハーフは「ホロコースト」という単語は避けました。ユダヤ人がホロコーストはそんな程度ではないと反発すると計算したのですが、正しい判断でした。

アメリカで実業家として成功しているセルビア人、パニッチは自らセルビアの首相になり(特別にアメリカ国籍のまま)巻き返しを図ります。
が、悪役のイメージがすっかりできあがってしまっていたセルビアのための仕事をしようとする広告会社はありませんでした。アメリカで宣伝の重要性を心得ていたパニッチは自分で画策しますが、ミロセビッチ大統領は自国民に対する宣伝には熱心でも外国に宣伝が必要とは理解していませんでした。(どこかの国も同じ?)
セルビアの捕虜収容所が強制収容所化しているというニュースが流れ、金網のところにいるモスレム人の写真が大々的に報道されましたましたが、実はこの金網はたまたまそこにあって写っただけで収容所のものではなかったのだそうです。写真家も情報操作を考えて撮ったわけではなかったのでしょうが。

ジム・ハーフのプロの手腕により、中立的意見を言う人は排除され、最終的にはセルビアは国連から追放され、ミロセビッチは法廷に立たされることになりました。実際に虐殺は行われミロセビッチにも責任があると思われるものの、双方の国が宣伝のために自作自演で国民を犠牲にして同情を買おうとしてやっていたこともあるらしいです。

この本を読むと正義とは何か、報道とは何か、と考えさせられます。
スリルもあって引き込まれて読みました。
ジム・ハーフは独立し、中国からオファーを受けているそうです。どんな内容なのでしょうか。



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