本の足跡

2011/04/17(日)08:57

群ようこ 『へその緒スープ』

ま行 女性(12)

【中古本】 へその緒スープ 評価:★★☆☆☆ 短編集。全十話。--- 梗概 -------------転がり込んできた姑の強烈な嫁いびり。助け船も出さない亭主に、ついにキレた妻は...。ハンサムで母親にもやさしい息子が選んだ、とんでもないガールフレンド。合同披露宴まで挙げた、親友同士の元OLの恐るべき本性。もしも、あなたの人生に、こんなキョーフがいきなり飛び込んできたら...。なにげない日常に潜む「毒」を見事に切り取った、サイコーに身につまされる短編集。 (「BOOK」データベースより)-----------------------早朝や夜中に電話かけてくる人の神経が信じられない。急用かと思えば、内容は愛だ恋だと愚にもつかぬこと。愛情の押し売りほどうっとうしいものはありませんね。自己満足の愛情の押し売りは、相手に響くどころか、神経を逆なですることになぜ気がつかないなんでしょうか。  どれもブラックな内容です(笑)ブラック・ユーモア好きの私は、この本を知り即買いました。ただ、内容が・・・とことんブラックになりきってない気がして・・・。そこが群さんのいいところではあると思います。つまり、ブラックなんだけど、暗鬱としていない。カラリとしている。本当は毒々しい出来事のはずなんだけど、妙にすがすがしい読後感。ブラックな事実をさわやかに描く筆力はさすがは群ようこさん!!と思います。ただ、ただ!!私がブラック小説に求めるのは、とことんの黒!!(笑)さわやかさや甘さやあったかさを徹底的に排除し、人間の黒い部分を、漆黒で描いたものが好きなんです!!阿刀田高さんみたいなやつがもろ好み!!ってなわけで、評価は少し辛口に。でも、ブラック・ユーモアの中に明朗さを求める方にはおすすめの一冊。=== 61冊目 読了 ===

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る