アングラーは電気鰻の夢を見るか

リールのドラグ機構の話だが、私はあまり機械的な事はわからんので
経験からの感覚的な事である。

その昔シイラ釣りに燃えていた頃、最初は20lbや16lbラインを使用し
固めの竿とペン550クラスのリールでのパワーファイトを展開していた。

そのうち、慣れてくるとラインを12lbを中心としたリールのドラグを
活かしたファイトをするようになった。
仲間内で12lbでのファイト時間の短縮を競った。

しかし、8lb以下が壁で穫れるのは穫れるのだがやたらと時間がかかる。
ファイト時間が長くなるとなるとリリースが難しく、釣りに行くたびに
1mを超すお土産が多くなり冷蔵庫のキャパを超えてしまう。

私の8lbでのシイラのタックルは、リールが当時の最新鋭のダイワのEX800に
ロッドはウエダのドルフィン・スティック800L。
かなりライトな道具立てでロッドをさらにライトなトラウト用等も試してみた。

というのも私は当時、細いラインには竿の柔らかさが必要と思っていたからだ。

しかし結果は惨敗に近くラインブレイクもしばしば。

そんなある日、三重県で行われたシイラ釣り大会で
かの、村越正規氏（現正海？当時は本名であった）とお話しする機会があり
伺うところ、氏は20lbだろうと12lbだろうと果ては4lbに至るまで、
同じ竿だとおっしゃる。

氏の愛用のダイワのアモルファスウイスカーのロッドは、
私も触った事があったのだが結構固め。

変えるのは、ドラグの設定だけとの事。

ここでやっと私の勘違いが解った。

竿が柔らかいとドラグの滑り出しがかえって悪くなるのだ。

性能のいいドラグでキチンと設定すれば、やや固めの張りのあるロッド
の方が、リールのドラグは働くので細い糸に向いているのだ。

それ以来、私の釣りも変化していく。

私は、シーバスロッドは柔らかめでスローテーパーのロッドが好きである。
当然、固めのファーストアクションのロッドよりリールのドラグは効きにくい。
（一度、お手持ちのタックルをセットしてライン先端をなにかに固定して
ロッドを曲げてリールのドラグの滑り出しを確認してみればわかる。）

しかし、相手がシーバスであれば12lb以上のラインを使用していれば、
通常はそんなにラインブレイクの心配はない。

むしろ気を付けなくてはならないのは、プレッシャーによるジャンプやエラ洗い。
それに、フックが伸びたり口が切れる事。

その為、私はドラグ設定をやや緩いかな？というくらいに設定している。

実際、シーバスがヒットしドラグが滑り出し、魚の走りをセーブしたいときは、
スピニングなら、親指と人差し指中指でベイトリールなら当然親指で調整していく。

その時、竿はラインと必ず45度くらいの角度を保ち弾力を活かす。

でも、バレるときはバレるんだけどね。