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羊を狙うジャッカルの退治に父親からライフルを渡されたモロッコの遊牧民の兄弟。
ぎくしゃくした関係を修復するために訪れた旅行先のモロッコで銃撃されるアメリカ人夫婦。 アメリカ人夫婦の子供達を預かるベビーシッターで、息子の結婚式を明日に控えたメキシコ人女性。 そして、銃撃に使用されたライフルの元所有者である日本人男性と聾唖の一人娘。 モロッコ、メキシコ、そして東京を舞台に、一発の銃弾から物語が動き出す。 異なる場所で描かれる3つの話がそれぞれ繋がりを持ちながら並行して進む。 当事者達は繋がりを知ることはないが、観客はいわば神の視点から繋がった全体像を見渡せる。 全体を見渡したとき、浮かび上がるのは言葉が伝わらない者を拒絶し、敵対視する人々の姿だ。 タイトルからして、バベルの塔のエピソードを背景にした意図的な構成と演出だろう。 未だに言葉の壁を乗り越えられず、心が通じ合えない人間の醜い部分をあらゆる場面で見せる。 描いているテーマはよく分かるのだが、残念ながらこの作品は心に響いてこなかった。 好みの問題だが、名作「クラッシュ」のように、人々の醜さの中にもやはり希望の光は欲しい。 この作品で最も印象に残るのは、アカデミー助演女優賞にもノミネートされた菊地凛子だ。 体当たりの演技もさることながら、感情をリアルに映し出した表情が素晴らしかった。 ブラット・ピットやケイト・ブランシェットなどの有名俳優たちを完全にくっていた。 バベルの塔の物語は、世界にさまざまな言語が存在する理由を説明している。 人々は天まで届くバベルの塔を建てようとしたが、神はそれを快く思わず、人々に別々の言葉を話させるようにした。その結果、人々は統制がとれずバラバラになり、全世界に散っていったとされる。 ■バベル ![]() おすすめ度(3点満点): ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月04日 00時00分22秒
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