マイペースマイライフ

今やスパイダーマンはNY市民を守るヒーローとして大人気。
そしてピーター自身も、恋人M.J.ワトソンとの交際も順調で、順風満帆の生活を送っていた。
しかし、父親の敵スパイダーマンの正体を知った親友ハリーがニュー・ゴブリンとなり襲いかかる。
同じ頃、宇宙から飛来した謎の液状生命体と脱獄犯のサンドマンが怪しく動き出す。
前2作とともに大ヒットを記録した「スパイダーマン」シリーズの3作目。

う～ん、あのスパイダーマンでも3作目は難しかったか。
決しておもしろくないわけではない。どちらかというとおもしろかった。
摩天楼を自由自在に飛び回るスパイダーマンは相変わらずかっこいいし、
強敵との戦闘シーンもVFX技術バリバリの映像で、迫力があって盛り上がる。
でも、抜群におもしろかった1作目、2作目と比べると、どうしても見劣りしてしまう。
確かに期待しすぎていた部分はあるが、それを差し引いても本作には難があるように思う。
1、2作目の流れから、ピーターとハリーの関係がどう展開していくのかが今回の最大の関心事。
とても楽しみにしていたのに、この話は驚くほどあっさり決着してしまう。正直がっかりした。
こんなことになってしまった原因は明白だ。それはエピソードの詰め込みすぎ。
親友であり敵でもあるハリーと決着をつける話だけでも十分ボリュームがあるのに、
親代わりの叔父を殺したサンドマンの話と、宇宙から飛来した謎の生命体の話という
これまたボリュームたっぷりのエピソードを入れたもんだから、完全に消化不良を起こしている。
おかげで、どのエピソードも描き方は浅いし、話は分断され、何もかも中途半端になってしまった。
1作目、2作目で描かれた強力な背景があるのだから、
ここはピーターとハリーの話に絞り込んで、もっともっと掘り下げて丁寧に描いて欲しかった。
そして、3部作を通してピーターとハリーの物語としてきれいにまとめて欲しかった。

スパイダーマンはこの3部作で完結と思っていたが、どうやらそうではないらしい。
サム・ライミ監督が離れて、新3部作として続編の製作が予定されているみたいだ。
サム・ライミ監督じゃないスパイダーマン。楽しみでもあり、不安でもある。

■スパイダーマン３


おすすめ度（３点満点）：