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カテゴリ:イタリアの話
山口さくらシェフがイタリアについて書いたコラムの3回目をご紹介します。
二重じんかく ボンジョルノ! 久しぶりで文字にかかります。(お目) 今年は、エトナ山のふもとにとても可愛いプティホテルがあるとの事。ぜひお正月はそこでのんびりしようと胸ワクワク。 ミラノより最終便でカタニヤに着き、レンタカーの手配をする。東京よりやや寒い。高速に入り教えられた出口で一般道に入る。真っ暗で車もまばらの道をエトナの方へ走る。だんだん道幅も狭くなり、まわりは畑ばかり。野犬が多く、ライトに目が光り不気味だ。やっと小さなあかりが見え、車が止まっていたのでほっと安心。 ここで聞いてみよう。車の窓から男がタバコをふかせてこっちを見ている。相棒の尻をたたき、ホテルを聞きに行かせる。「自分の車についてこい」と言っているよと・・・その男の車の後につづく。まだまだ続く暗い道。エトナ山は暗闇にほんのり見えるが、あたりは畑のみ。 ネエ、もしかしたら身ぐるみはがされるのではと出かかった言葉をのみ込む。車の後について20分。ぼおっと先に家々の灯りが・・・クリスマスツリーの光が目に飛び込んでくる。「ほう」と息が出る。とたんにおとぎ話に出てくる様な館が目の前に現れた。ああ、助かった。 先導してくれた車から16~17歳の少年達が笑顔でおりて来て「ココダヨ」。 さっきまで頭に浮かんできた相手の顔が天使に見えた。「ありがとう」彼らは「良いお正月を」と一言いって去って行った。 一時間ぐらいの間に私の心の中で悪魔と天使を同時に見たような一時だった。 2004年1月 シチリアにて
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最終更新日
2006.04.29 15:51:51
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