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カテゴリ:教務(英語)
手元に古い参考書がある。
以前、kamiesu先生のブログで、チラッと名前の出ていた参考書である。 初版が昭和27年1月。 サンフランシスコ平和条約や日米安保が出来てすぐの本だ。
英語の独特の表現として、無生物主語がある。 「無生物主語は副詞的に訳す」と教わった経験は、30代以上の方なら誰しも経験があるだろうが、 最近は、日本語の日常会話の中で、無生物主語に違和感を感じなくなってきた。
「ブログが2人の先生を結びつけた。」
私の言語感覚では、この日本文にあまり違和感を感じない。 もし受験の和訳であれば「ブログによって、2人の先生は・・・」という訳にするのであろうが、 むしろ私は無生物主語の方にドラマを感じてならない。
確かkamiesu先生もおっしゃっていたが、この参考書は資料的価値が高い。 現在の受験に使用するとなると疑問符が付くが、(もっと「現在の」受験に適した参考書があるという意味で) 1つの読み物として見れば、大変興味深い本である。
私は、英語参考書の資料としてより、むしろ日本語の変遷の資料として楽しんで読んでいる。
しかし、昭和27年。 その当時にこうした本を書かれるとは・・・。 驚きである。 今であれば、良い参考書を書こうと思えば、色々と参考に出来るものがある。 参考書を片手に参考書を書けるのである。 伊藤和夫氏の英文解釈教室や山口氏の「英文法実況中継」も、もはや歴史の本。 現代の書店には、大手予備校の先生方が書いた素晴らしい書籍が並ぶ。 こうした素晴らしい書籍の良いとこ取りをして、さらに上を行く参考書を書くことも可能であろう。(私には無理であるが)
しかし、この「和文英訳の修業」が出版されたのは昭和27年。 やはり、すごいとしか言いようがない。
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Last updated
2007/09/19 03:31:29 AM
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