詩集の中の栞のように～裏ブログ～

[教務（社会）] カテゴリの記事

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• 児島惟謙はいないのか？

  １８９１年に、ロシアのニコライ皇太子が来日した。その際、訪問先の大津で警備担当の津田巡査から襲撃され、負傷した。この事件において、日本政府は、ロシアとの関係悪化を恐れ、大審院に対し圧力をかけた。すなわち、皇室に対する罪を適用し、犯人を極刑に処すべきであると。 こうした政府の圧力に対し、当時の大審院院長であった児島は拒否を表明。司法権の独立を守り抜き、「護法の神」と称された。 

  2010/09/24

• 

  明日のプリント作成中

  今年の社会はマイクリアをメイン教材にしているが、毎回穴埋めプリントを作成し、自学させている。社会教材の解説ページは、中学生にとって読むのはしんどい。穴埋めプリントを作成し、そこの重要ポイントや資料をいれることで、少しは勉強しやすくなるので、毎回作成している。ただし、基本的にはプリントよりもメイン教材が大切。メイン教材を何度も反復することが、志望校合格への近道だろう。これから誤字脱字や数値の校正・・・   

  2010/03/17

• 

  社会プリント完成

  来週使用する社会プリントが完成した。 穴埋めだけだとつまらないので、「重要ポイント」と「よく出る問題」なんかも入れてみた。ってゆうか、吐きそう・・・ 気持ち悪いので、もうしばらくしたら帰宅する…

  2010/03/07

• 犬のお巡りさん

  現在、学年末試験の真っ最中。そんな中、試験対策で困ることが多いのは社会。理由はいくつかある。１つめの理由は、教科書を使わない中学が多いということ。多くの学校がプリント。教科書からはあまり出題されない。この現状は、一度文部科学省で調査すべきであろう。必要ないなら、もったいないから配らない。まあ、以前にも何度か書いているが、私は学生時代から文部科学省はいらないのではないかと思ってきたので、おそらく調査しないだろうが。Ｓ村先生あたりが動いてくださるといいのだが。話を戻すと、教科書を使わないために、出題される用語や問題が全くずれる。ワークをやらせても、かぶる部分が少なく、あまり役立たない。 ２つめの理由は、教科書は使わないが、資料集を使って授業をする先生が多いということ。資料集をページ順ではなく、先生が雑談を交えながら、いろいろなページに飛びつつ、解説を加える方式。資料集のどこをやったのかメモを取ってない生徒と、先生の口頭解説をメモしていない生徒は、このケースでは玉砕する。 ３つめの理由は、記述ばかり出す先生がいること。もう穴埋めや基本問題は全く出題されない。全てが記述。うちの近隣中にも２名いる。過去問を見せてもらうと、確かに難しい。山川の日本史研究を見て、やっと解答例が分かるような問題も見受けられる。授業中も、「俺のテストは塾の先生なんかでは予想できない。チャレンジや塾でいくら勉強しても、点数とれないから覚悟しておけ。」と豪語するだけあり、難しい。 こうしたタイプの先生（記述問題中心に出題する先生）は、一定割合でいる。以前、立川で講師をしていた時にも、日野市と昭島市の先生にいた。また、小平市にもいたし、新座にもいた。中野区にもいた。（日野市の先生のテストは難しかった。一橋大の学生と本部教室の社会担当の先生たちが総掛かりで解いていたが、答えの出ない問題があった）私の感覚だと、こうした記述中心に出題する先生は、７，８人に１人くらいいるように感じる。 ４つめの理由。それは、生徒に「授業で何をやってるの？」「どんな感じで授業を進めているの？」「プリントは全部そろってる？」「ノートは？」などと質問しても、きちんとした回答が返ってこないことによる。まさに犬のおまわりさん状態。「やり方聞いてもわからない、ページを聞いても分からない♪」 結局、私と中学教師の間で仲介する生徒自身がはっきりしないので、対策も何も取りようがないということ。 先に挙げた上記３つの理由も、生徒がきちんと教科書で予習し、授業中に大事なところをメモし、集中して聞き、自宅に帰ってその日のうちに復習ｏｒまとめをすれば、大方解決する問題。結局、生徒の姿勢によるところが大きいのかもしれない。 実際、どんなに難しいテストでも、９０点以上取っている子たちはいるのだから、やはりきちんと勉強することが大切。 

  2010/02/24

• 昨日の中３社会

  昨日の中３社会は、拡大再生産や株式の仕組み、そしてバブル崩壊の原理について話した。途中、話は男女雇用機会均等法などにも及び、就職問題や育児の問題にまで言及しておいた。 子どもを生みづらい世の中になっている。また、生んだ後の支援態勢もまだまだ整っていない。母子家庭の問題は議論されることが多いが、父子家庭になるとその実態はあまり知られていないのが現状。とにかく、子供を産みやすい世の中にしなければ、少子化は加速するばかり。日本の問題点は大きく２つ。財政赤字と少子高齢化。 子ども手当もいいのだが、既に生んでいる家庭よりも、これから生む家庭に支援していかないと、少子化は改善されないだろう。

  2009/12/20

• ドント式

  各学校、公民の授業ではドント方式の計算をやっているところが多い。あのベルギーのドントさんが作った比例代表制の計算方法だ。以前は５つの中学があったら、そのうち１つくらいしかやってなかった印象だが、最近はほとんどの学校で扱っている気がする。ただ、１つの学校の先生はわり算の回数を間違えていた。 うちの塾では、私が数年前に作ったオリジナルプリントで、詳しく解説している。これを読めば、計算方法も簡単に理解してくれる。ドント式自体は大して難しい方法ではないのだが、生徒たちに聞くと「微妙」「いまいちよくわかんない」という返事が来ることが多い。そのために、こうした単元では、すぐに分かるプリントを用意しておく必要性がある。（他にも生徒が意外と理解しておらず、質問が多い単元というものがある。理科の人体、今では使わないが１０進法を２進法に直す方法など。これらについても、１枚にまとめたプリントを用意してある。） 一方で、参議院の比例代表で使われる「非拘束名簿式」に関するところまで扱っている中学はさすがにないようだ。こちらはかなり複雑である。実際に、非拘束名簿式比例代表制を扱っている参考書もほとんどない。非拘束名簿式比例代表の詳しい解説が載っている参考書は、いまのところ１冊だけ。うちも生徒から質問が出た場合は、直接解説せずに、この本を読ませるだけにしている。 このように、試験前に質問が多くなりそうなところを予測しておき、そのための補助プリントを用意しておくことは、教室運営をスムーズに行うために「ささやかだけど必要なこと」である。

  2009/11/12

• 公民の質問で四苦八苦

  私は大学受験の時に政治経済を選択していた。当時は政経に関する問題集が少なく、書店にある問題集は全て覚えてしまったので、イミダスを読んで知識を補強していた。偏差値も８０を超えたこともままあった。政治経済には、かなりはまっていた。その後大学に入ってからも、政治学の本を読みあさり、また一時、国家一種を志したこともあり、一応、憲法５段を所持している。これは森田健作知事の剣道と同様、自己申告に限りなく近い。というか私の場合、完全に自己申告だ。 だから、将来都知事選に出馬した暁には、私の経歴に憲法５段と表記するつもりであるが、その１ヶ月後には釈明会見を開いていること必至である。「すいません。自己申告でした。」みたいな。（そもそも憲法って国家資格がな・・・）いのでは・・・ 前置きが長くなったが、テスト前はやはり理科と数学の質問が圧倒的に多い。その次に公民と国語の文法・俳句など。昨日は、うちにいる学年２位の子から、公民に関する鋭い質問がたくさん飛んできた。この子はテストは終了しているのであるが、昨日は自習に来ており、公民のノート整理をしていたのだ。成績下位層のノート整理は、ノート整理ではなく、ノート清書。カラフルにデザインするのが目的。対して、上位層のノート整理は、きちんと理解してから整理するという基本がしっかり身に付いている。 最初の内は、質問を受け、事例を挙げながらどんどん答えていたのだが、途中国会に関する質問で返答にＱした。（キーボードのＱは滅多に使わないので、ここは思い切って使ってみた。）臨時会に関する質問である。高校受験用の参考書、用語集、大学受験用の参考書、駿台の政治経済用語集などを調べたが、意外とどこにも載ってなく、仕方なく憲法条文に当たっていた。その後、百科事典でも調べてみたが、百科事典にやっと答えが記載してあった。 ということで、憲法３段に降格した。やはり疑問に思う心は重要であり、社会をきちんと指導するなら一つひとつの言葉の定義を細部まで理解しておかないといけないことを痛感した瞬間である。「この場合はどうなる？じゃあ、この場合は？」と次から次へ、疑問を持つことが大切なのだろう。表面の知識だけ覚えていれば、確かに大学受験でも得点できるが、それだけで安心していた自分が恥ずかしい。 もう一つ。裁判員制度に関する問題が、定期試験で出題されている。当然参考書にも載っていないわけで、こちらはウィキやその他専門の資料を整理しておく必要性を感じた。この件に関しても準備不足。もちろん、中学の定期試験レベルの問題なので、答えは簡単なものばかりであるが、今後は高度な記述問題を出題してくる学校もあるだろう。今のうち裁判員制度について整理し、プリントを作っておくことにする。

  2009/07/01

• 

  社会記述問題と理科の質問

  日米安保条約が１９６０年に改定された。その際に、全国でデモや反対運動が起こったが、どこに問題があったのか。こんな問題を生徒がやっていた。「どこに問題があったのか」という質問は、おそらく「新安保」のどこに問題があったのかということだろう。生徒がウンウンうなっていて、全く進んでいない。長考に入った。（いったん封じ手にします？）他にも論述が３題。計４題からなるプリント。これは中学生にとっては、なかなか厳しいものがある。３０分近く悩んで、「先生、ヒントをください。」と言ってきた。この子は、基本的にこちらが解説をすることを嫌う。特に数学などは、絶対に自分で解きたいタイプの子。先日のＷもぎでも偏差値７０を超えており、おそらくうちの塾では、断トツで数学が出来る子。以前も書いたが、完全理系の子である。そこで、新安保の条文を見せ、いくつか解説。特に、新安保の３条「自助・相互援助」について詳しく内容を解説した。また、同５条の「共同防衛」についても、条文を見せながら解説を行った。続いて、日本国憲法第９条の「戦力放棄」と「集団的自衛権の行使」を説明し、新安保との比較をさせた。この段階まで来て、頷きながら何やらいろいろと書き出した。実は、この中学校からはもう１人の生徒が来ており、こちらの子は、米軍が日本国内で起こした事件について言及していたが、最初の１行を書いた後、完全にストップしている。そこで、こちらの子には「日米地位協定」について解説。同時に、前回の中間テスト（歴史）で学んだ「領事裁判権（治外法権）」について思い出せた。両者を比較して、何やら文章を書き始めた。 ものを考えるためには、ある程度の知識がないと進まない。それが分かっただけでも良い経験になったのではなかろうか。同時に気を付けるべきことは、今回プリントに書いた意見は、あくまでも１５歳時点の意見であり、これから右寄りに傾くことも左寄りになっていくこともあるということ。１つの意見に固執せず、たくさん勉強し、いろいろな知識および意見に触れ、その中で自分なりの考え方を身につけていくことが重要であると考えている。また、情報は全て正しいものばかりではなく、常に何かしらのフィルターを通してあるということにも注意を払う必要がある。社説１つとっても、朝日には朝日の、読売には読売のスタンスがあり、そのまま鵜呑みにすることなく、多方面から見つめ、分析することも不可欠である。１つ話したことは、温暖化とＣＯ２の関連。地球の気温を決定しているのは、太陽活動であること。温暖化ガスの大部分は水蒸気であること。その上で、二酸化炭素が、どこまで温暖化に影響を与えているのかを考える必要があること。そんな話もした。 ところで私の話。生徒が持ってきた理科の問題に悩み苦労中（笑）。中学生の質問にここまで四苦八苦するのは、数年ぶり。もっともっと勉強をしなければならないと痛感している。一応、塾の売りとして、中学５教科の質問には即答できる先生が揃っている（ってゆうか私だけの塾だが）と、次回あたりのチラシで書こうと思ったのだが、これでは看板に偽りありになってしまうので当分却下（笑）まだまだ先は長い。もっともっと謙虚になり、日々学習を進めていかなければ。 ちなみに理科の参考書を８冊、塾用教材を１０冊以上くまなく調べたが、未だ答えが見つからず（涙）。一度頭を冷やして、考えなおそうと思う。明日までには回答しなければ。

  2009/06/18

• げんなり３

  生徒が来るなり、「先生～、昨日社会のテキストの公民分野を見ながら、ずっと自問自答していた。」 お、この子も基本的人権や世の中について、いろいろ考えるようになったんだな～（しんみり） 赤虎「お～、どんなこと考えてたの？」生徒「結構覚えた！」 ・・・ 話がかみ合わない。 どうやら「一問一答」のことを言っていたらしい。 ちなみに、この子にはもの凄い天然エピソードがあるが、ここには書けない（笑）（学校でもはや伝説になっているエピソードなので）

  2009/05/29

• 予習・・・

  最近、仕事のペースが落ちてきた。これからやっと予習に入ることができる。明日は、今年最後の中３理社の授業。社会は文化史の総まとめである。１２月に入り、政治史、外交史、経済史、社会史、農業・農村史と勉強してきたが、生徒たちはずいぶんと流れが分かってきたようだ。特に政治史と外交史をきちんと「理解」したおかげで、「今までどうやっても覚えられなかった歴史が、すんなり覚えられるようになった気がします。」とは中３女子の談。何だか、塾の誇大広告のようだが、授業をやってよかったと思う。土曜日に講義し、それをもとに日曜日に演習を行ったのだが、来年もこの感じでいこう。 ところで、来年の社会教材が決まらない。困った・・・ まあ、とにかくこれから文化宗教史の予習だ。中学生にとってつまらない単元なので、楽しいエピソードをたくさん用意しておかなければ…

  2008/12/19

• テーマ史、文化史

  歴史は、夏に通史を終え、９月と１０月で、テキスト１冊（講習用の薄目の物）と模試６回分を解き終えた。７月末開校の塾であるが、以前勤めていた塾の３倍速というか、すでに前の塾の１年分くらいの情報量を勉強した。小問１題解くごとに、そのテーマに関する知識をまとめ、情報カードに整理させている。ただ、以前も書いたように定着がなされていない。今後は定着作業が必要なのであるが、ちょうど期末対策になってしまったので、１１月末と１２月上旬を使ってインプット作業に時間を費やすことにする。また、その後の流れは、以前の塾では「都立過去問→入試フォーカス→栄光の予想問題」という流れであったが、そうした問題演習を大量に重ねる方法を採る中で気づいたことは、生徒たちは１つのテーマに絞った問題、いわゆるテーマ史になり、時代が３つ４つとまたがってくると、とたんに問題を解けなくなるという事実である。そこで、今年度は、個人塾であるというフットワークの良さを生かして、１２月～冬期突入前はテーマ史の学習を行おうと思っている。経済史、社会史、農業・農村史、文化史、宗教史、政治史、外交史を順に解説していく。かぶる部分も多く、反復練習にもなる。昨年もトップ校を目指す子の中で、歴史が「死んでる」状態の子がいたが、農業史と政治史をテーマ別に計算用紙にササッとまとめてあげたら、「テーマ別にやって、歴史の流れが分かった！」と、その後歴史学習がはかどったので、今年度は塾全体でやっていこうと思っている。 当初は、黒板１面を使い、文化史などを穴埋め方式で圧縮し、ノート作成をしてもらおうと考えていたが、さすがに予備校ではないし、中学生にこの方法は時間がかかりすぎる。講師側（私）の自己満足の授業で終わるのがオチだし（笑）そこで、各テーマごとにプリントを作成し、それをもとに授業を進めていこうと思う。テーマごとに大雑把に理解した後は、後は問題演習で定着させていくつもりである。昨日、夢の中にジョイマンが出てきたため、目覚めが悪かったです。

  2008/11/09

• 

  あとはテーマ史

  社会の授業では、「問題演習→周辺知識の整理」という流れで進めている。たとえば、選択肢に「東西ドイツ成立」とあれば、ポツダム宣言から冷戦開始、マルタ会談までの流れを圧縮した形の板書で整理。警察予備隊→（保安隊）→自衛隊の流れや１９５１年の重要事項についても入れておく。選択肢に「ＰＫＯ」とあれば、覚えておくべき略語を全て整理。中国についての話であれば、中国の農業や商工業について整理。全６回×１２０分のテスト演習形式の授業で、多くの単元をカバーすることが出来た。補助プリントや板書原稿の作成には時間がかかったが、まだ生徒は覚え切れていない。今後、１１月に定着の時間を取り、最終盤の入試演習へつなげていきたい。  昨日の授業では、日本と世界との「横の歴史」（日本では院政の頃、世界では十字軍の遠征のような類）も整理したし、文化史も前々回に整理した。 歴史で残っているのは、社会・経済史、政治史、外交史などのいわゆるテーマ史の整理。そう、あの大学受験予備校で、講習時に大量に別料金を請求されるもの笑（通常授業時に毎回３０分の雑談をし、講習時にテーマ史を取らせる手法は、お金のない浪人生にはきつかったけど）１１月は、期末テストが終了した後に、１２０分×２回分授業が取れるので、１回を講義タイムとし、２回目で問題演習＋定着の時間としていこうと思う。さて、作りますか・・・

  2008/10/27

• 昨日の収穫

  昨日は１時～○時（笑）の特別授業。私が時間講師時代のコマ給は、最高時で○千円だったので、昨日だけで○万円分（笑）もちろん無料ですけど。  さて、昨日は天体と地理の特別授業。とりわけ時差問題をやっている最中、２つの科目がリンクした瞬間があったようで、生徒たちは何やら各自必死にメモをしていた。（生温かい目で見つめていた） さて、昨日は時間に余裕があったので、じっくりと天体を進め、バッチリ問題を「解ける」ようにした。女子２人の感想は「先生（←私のこと）や学校の先生が、天体は難しい難しいって言うから、どのくらい難しいのかと思ってたけど、意外と簡単でした。」とのこと。夜まで続いた自習では、実践問題集を３周して帰宅していった。 また、地理に関しては、昨日は時間的な余裕がかなりあったため、グラフ、図表の読み方をじっくり指導した。日本の雨温図、世界の雨温図、工業地帯のグラフの見方、農産物の順位、その他諸々。つねに「なぜこうなるか」ということを歴史的背景と地理的条件をもとに解説。今まで一度も習ったことがなかったようで、男子の１人は「面白い」と言っていた。女子２人も、授業後にグラフの見方を整理。 学校や前の塾では「覚えるしかない」と言われていた地理の統計資料。たしかに、私もそれには賛成で、結局のところ地理のグラフ、表は覚えておいた方が得であるし、問題を解くのも早くなる。しかし、「なぜそのようなグラフになるのか」という理屈を理解した上で覚えれば、その定着度も変わってくるのではないかな～って。 帰り際、生徒のノートを見せてもらうと北陸工業地域のグラフの補助解説部分には、四大公害に関する表が載っており、北九州工業地帯のグラフには、八幡製鉄所、中国との地理的関係、さらにはオーストリアからの石炭輸入やエネルギー転換に関することまで記されており、なかなか良いまとめ方がなされていた。本日は祝日。しかも、明日も学校が休みらしい（土曜日に授業参観があった関係の代休。その程度でいちいち休むなよ）女子生徒は、一気に地理の勉強をすると張り切っていた。（あまりハマりすぎないように。社会にハマリすぎて、他の教科の勉強時間が相対的に減ってくるのはよくあるケースです笑）

  2008/10/13

• 毎年必ず出る質問

  公民分野「衆議院の解散」 この単元は、真面目に勉強し、教科書を何度も読んでいる生徒なら必ず疑問を感じ、質問をしてくる。逆に、ここで質問が来ない場合は、・よほど学校（塾）の授業が分かりやすいか・すでに学校で質問しているか・生徒自身にものすごく理解力があるか・逆に理解力、読解力がなく、疑問点がそこまで及ばないか・あまり考えずに勉強しているか・質問するのがめんどくさいか・理解せずに暗記すれば良いと考えているか・先生と話したくないかのどれかではないだろうか。 幸い、今回は全員が質問に来てくれた。良かった（笑） 「先生、ここがよく分からないのですが、内閣総辞職っていずれにしてもするんですか。」この質問が欲しかったのだ（笑）  ここは、じっくり例を挙げながら説明。と言っても５分程度であるが。モンテスキューの三権分立の軽い説明から入り、アメリカ型大統領制とイギリス型議院内閣制の比較、その後、内閣不信任決議（信任案否決）から衆議院の解散、総選挙、特別国会、７０条の内閣総辞職、６７条の首班指名、６８条の大臣任命（組閣）について説明する。 ただ、今年の中３生は、塾講師人生で最も解説しやすかった。全員、小泉内閣の「郵政解散」という言葉を何となく覚えており、しかも月９で放送されていたキムタク主演の「チェンジ」も見ていたからだ。これは説明する方としても大変助かった。 「キムタクのチェンジは、ここで最終回になったのね。」とか「小泉首相は、この６７条の首班指名で・・・」とか・・・公民はとにかく具体例を挙げて説明すると、生徒たちも目を輝かせる。 今日は解説し終わった後、「キムタクのチェンジの最終回って、そういう意味だったんだ～」と言っていた。いきなりの暗記も良いが、やはり理解した後に暗記をした方が、その定着が全く異なる。 ある生徒からは、さらに「解散から総選挙の間は、政治家はいないのですか」という質問が出てきた。そこで、その子にだけは、５４条と７１条を解説。とにかく、知的好奇心を持って質問することは良いことだと私は思う。 自分で調べれば良いような質問には答えないが、普段「何でも聞いてね」と言っているので、今日のような自習日でも基本的に休憩時間は全くない。でも、こうしたやりとりの中で、生徒たちが「知る喜び」を味わってくれたら良いな、と常々感じている。

  2008/09/28

• 社会の授業スタイル

  昨日は（今日は？）、なんだか忙しかった。開業以来、初めて仕事が終わらなかった。明け方の４時過ぎまで仕事をし、塾を後にした。自転車はきちんとライトを点けて走っていたのだが、交番の前で呼び止められた。数年ぶりに警察に捕まった。警察「はーい。ちょっと待って～」（何でタメ語やねん！）警察「ちょっと防犯登録見せてもらえるぅ？」私「じゃあ、警察手帳見せてもらえる？」（警察手帳規則）結局、派出所の奥から「あ～先生」と知っているお巡りさんが出てきて終了。  本日は、朝から銀行。午後からは、社会の指導について考え中。 社会については、授業をやるより、問題を解いた方が出来るようになるし、実力もつく。もちろん、その前段階として、自学できる教材と勉強法、姿勢などをたたき込まないといけない。しかし、私の塾では中３になってからも生徒が入ってくるし、一応集団塾なので（生徒数はモロ個別だけど）、ある程度クラス全体で授業を行う必要も出てくる。 社会科だけは、完全自学で進めていく道も模索してはいるが、仮に生徒が１０名以上になったときに、果たして１つの教室内でそれが可能なのかどうか考え中。おそらく結論は当分でないだろう。 そこで、当面は集団授業スタイルを採用していく。 ただし、今年行っている授業スタイルは、今年度一杯にしようと思っている。 今年は夏からの開校ということで、８月から受験日（２月）までの半年間で、地理、歴史、公民の全分野を終了させようとした。そのため、予め穴埋め型の授業ノートを「こちらで」作成し、生徒に埋めさせる授業スタイルを採用した。歴史は自学できるモノを作成し、宿題で対応。地理・公民は毎回プリントを配り、講義をしながら穴埋めをしていくスタイルにしたのである。夏期～９月でインプットを行い、１０月からアウトプットに入る予定である。 しかし、このスタイル。やってみると分かるのだが、デメリットも多い。要は「サービスのしすぎ」なのである。生徒の姿勢も受動的になってしまい、社会に興味のない中学生には退屈になりがちである。（公民は楽しいみたいだが） ところで、社会と言えば予備校業界には人気講師、大物講師が大勢いる。今で言えば、代ゼミの日本史Ｔ先生や世界史Ｓ先生など。あるいは河合塾や早稲田予備校で指導しているＩ先生。（○○面ノートで有名）こうした先生方の授業を見せて頂いた機会がある。共通していることは、「サービスのしすぎ」になるかならないかのギリギリラインで抑えている点である。つまり、生徒にある程度作業させる部分を絶妙のラインで残しているのだ。 一方、８０年代に大学受験日本史界に旋風を巻き起こした日本史立体パネルのＫ先生。授業は、代ゼミで連日満席だったそうだ。黒板全体に１つの時代がおさまるように、ぎっしりカラフルな板書をしていく。立体型パネルと名付けられたその芸術的な板書は、その後の予備校界に多大なる影響を与えた。しかし、この先生。ある時期から板書スタイルをやめ、自作テキストの中に板書の内容を予め全て書いておくというスタイルに変更した。このあたりから急激に人気が下がっていったと聞いている。 この話は分かる気がする。授業に出なくても良いかなという気になってしまうのだ。また、授業中も生徒が最大限に集中する必要があるのは、穴埋め部分だけになってしまい、後は講義を「聞いているだけ」の状態になってしまう。（もちろん生徒の主体性の問題もある）生徒からすれば退屈な状態になってしまう。参加型ではなくなるのだ。   今回わたしが行っている授業スタイルも、サービス過多であり、丁寧にやりすぎた感がある。生徒にとって楽すぎるのである。もうちょっと生徒に苦労させる形式に来年度から変更していこうと思う。 今年は仕方ない。なぜなら８月スタートなので、この方法でしか全範囲網羅することができなかったからだ。 しかし、来年からは「板書」をもう少し多めに取り入れる。授業スタイルも変える。もちろん、このやり方だと情報量は下がってしまう。予めプリントやテキストに全て書き込んでおいた方が、情報量は格段に上がる。しかし、その情報量を下げてでも、来年からは授業スタイルを変更しようと思う。 情報量はアウトプット段階で増量できる。インプットの段階では、もう少し生徒に苦労させ、能動的スタイルで授業に臨めるようにしていくつもりだ。そのために、今年使用している教材よりも、もっともっとポイントを絞った「板書ノート」を作成しなければならない。ということで楽しい仕事が１つ増えた気がする。

  2008/08/20

• 素早くガンガンカリキュラムを消化していく

  夏はインプットの期間である。昨日書いた内容とは矛盾するが、社会や英単語・熟語・不規則動詞については、じっくりカリキュラムを消化することはしない。特に社会は、この夏で公民分野まで一気に片づける予定だ。地理は、地球儀と時差、地形図と地図記号、資料問題の解説授業を数回で行った後は、日本と関わりのある途上国、先進国の特徴、日本の各地域の特徴を中心にガンガンインプットを進めていく。歴史は、天皇中心の政治、平安、鎌倉、室町、戦国→江戸成立、三大改革、開国＆文明開化、日清→日露→第一次、満州事変→第二次、戦後→バブル崩壊の重要ポイントと流れを説明した後は、やはり枝葉の部分はガンガンインプットを進めていく。公民は毎回１テーマに絞り、解説授業を行う。  私が、他のブロガー先生や全国の塾の先生と異なるのは、社会については最初から完璧主義を求めないことである。いろいろなブログを拝読していると、最近は満点合格が当たり前になってきている。一方、私は単語テストも社会の用語テストもほとんど満点合格は課さない。おそらく全国の塾の中で、下から数えてすぐの甘甘指導であろう。 １周目から１００％は求めない。１周目は８割の定着を目指す。 ２周目に入る頃には生徒の定着は５割くらいに戻っている。２周目の合格点も８割設定にしておき、再び８割の定着度に回復させる。 その後、入試直前期に向け、徐々に１００％に持っていく。（但し、短期決戦の中間・期末対策は別） １周目はサラッと流し、２周目もサラッと流し、３周目から濃いめにし、４周目にこってり味にしていく。直前期に入試演習を重ねる中で１００％近くに持っていく。この時期になると、生徒に何も言わなくても（まあ、密かにサブリミナル効果のように言っているのだが）、生徒は小テストで勝手に１００点を狙ってくる。 とにかく、この夏で、社会は全分野のインプットを行っていく予定。そして８割程度の定着を目指す。都立入試は２月２３日。ピークはそこに持っていく。

  2008/07/26

• 夏期教材とカリキュラムがやっと決定

  やっと決まった…。社会は、夏期はインプットの期間と位置づける。お問い合わせ頂いた方にも、はっきりと「２月までのスパンでカリキュラムを組んでいます。夏だけで内容を完結させたいという場合は、他塾に行かれることをおすすめします。」と伝えていく。たとえ生徒数ゼロになっても、そこは正直に伝える。そもそも中１から学校で２年半かけて勉強してきた理社を、夏期講習の数日間だけで終了させることは不可能なのだ。私には。学校なんて、未だに歴史をやっている中学もある。それだけの分量がある科目。  以前の塾では。まず、集団指導部門では、理社の授業は６０分×８回。しかも最終日は総合テストと決まっていたので、授業は６０分が７回しか取れなかった。１クラスの人数は理社は８０名。これはどういうことかと言うと、指示出しや意識を束ねる時間だけで、６０分中５分は取られるということ。さらにプリント配付も含めると、もっと時間をロスする。 次に個別指導部門では、８０分が６回だった。以上これだけ。特に補習もない。補習する先生も足りなく、場所もないからだ。使用するテキストは、理社ともに「夏期必修新演習」。なぜなら、このテキストでないと終わらないからだ。夏期必修新演習の理科は、第１課に光、力、音、電流、電圧など数単元入っている。これを初日の８０分授業で行うことになる。チラシには「夏期で理社の総復習」と書いてあるので、このようなシステムになってしまう。 今年の夏期は、その点自由度が高い。授業時間はたっぷり取ってある。 夏期はインプットの期間。 歴史と公民は、解説も入れるが、基本的には「まとめる」作業が中心になる。地理に関しては、地球儀と時差、地形図、地図記号、資料問題などはきちんと解説するが、夏はそこまで。残りは９月以降になる。社会の授業形態は英数国とは大きく変えようと思っている。そのために必要なツール(歴史プリントなど)を作ってみた。解説→まとめ→インプット→アウトプット→カードまとめ→小テストという基本サイクルに乗っけていくために、教材選択を入念に行い、自作教材の作成も継続していく。

  2008/07/13

• 

  社会独学教材

  都立入試の社会は図表や資料から読み取る問題が増えてきました。当然対策が必要となります。 ここで挙げた教材は、全て塾用教材のため市販されていません。 現中２生で、中３になっても塾に通わず、独学で都立高校を目指す人はまず歴史の未習分野と公民の勉強を、「学校進度を無視して」勉強することが必要だと思います。社会は、学校の進度がどうしても遅れがちになってしまうので、春休みなどを使って計画的に進められるとグ～  題材としは、教科書で良いと思います。大変ですが、２０～３０回程度読みましょう。その後、何か問題集をやると良いのですが、それは学校で配付されたワークで良いと思います。そして、最後に総合問題演習の練習をします。できれば、資料や図表問題がたくさん載っている問題集が良いのですが、僕はコレが良いかな～と思います。 旺文社の出している「中学総合的研究問題集　社会資料読解」です。 ただし、ちょっと難しめです。この問題集に入る前に、必ず教科書で基本事項をインプットし、その後易しい問題集で問題演習をすることをおすすめします。 この問題集は、図表問題中心に扱っていますが、解説が詳しいので独学出来るレベルです。

  2008/02/23

• 都立入試社会

  予想通り、資料や図表の読み取り系の問題が出題された。今後、この傾向はさらに続いていくものと思われる。 都立高校入試の社会においては、１問１答式の知識ばかり勉強していても得点できない。その点、今年の塾生には徹底的に「総合問題系」を解かせまくったので、みんな高得点を連発している。 使った教材は、都立過去問６年分埼玉県立過去問６年分創育の「入試演習問題５回」栄光の「入試対策模擬試験」学書の「入試模擬６回」栄光の「入試直前予想演習シリーズ」東京版５回好学の「入試フォーカス１２回」教育開発の「入試ライン１２回」などなど。（他にもプリントで総合問題を解かせてきた） これらを日曜特訓や土曜授業、さらに正月特訓や年末特訓でバンバン解かせてきた。総合問題慣れした塾生にとって、今回の都立の問題は大歓迎。 うちの塾生くらい社会の問題を解けば、社会は得点源になるだろう。今、集計しているが、社会の平均点はおそらくかなり高いはずだ。  

  2008/02/23

• 現代社会（←科目名）の質問

  高校生が試験前のため、本日も高校生の質問対応に追われていた。まず、現代社会に関しては、中学の公民と異なり、かなり深い部分まで学習する高校が多いようである。したがって、冷戦の終結、マルタ会談、コメコン、トルーマンドクトリンなどの用語解説および背景・繋がりを指導した後は、冷戦終結によって起こった世界の紛争について国ごとに解説。さすが私立上位校になると中身の濃い授業をしている。別の学校は、５５年体制の終焉から地方自治、選挙制度、そして三位一体の改革までがメイン。自民党の派閥党争なども補助プリントで配られており、念のため指導しておいた。さらに中間テストを見ると、大変記述問題が好きな先生のようなので小選挙区と比例代表制の長所と短所、ならびに大選挙区制についての問題点などを整理。とりわけ日本で行われていた大選挙区制（いわゆる中選挙区制）については、どういう意図があるのか分からないが、非常に詳しく学習していたようなので、それについても軽く説明。論述指導までしておいた。また、ドント式の計算方法や拘束名簿式と非拘束名簿式の違いもも間違いなく出題されるだろう。しかし、どうせ中選挙区制を学習するなら、政治腐敗や政治改革と結びつけ、小選挙区制が導入された背景にまで踏み込んで説明すれば良いと思うのだが、少なくとも生徒のノートには何も記述がなかった。連座制、政治資金規正法などの用語も登場せず。 地方自治に関しても機関委任事務の廃止や課題など盛りだくさんの内容で、おそらく今日の様子だと７０点行けば良いところだろう。両方の学校とも一夜漬けでは厳しそうである。最後にお小言を言って終了した。

  2007/12/06

• 経済

  いま補習指導が終了した。結局、需要供給曲線デフレとインフレ株式の仕組み投資・資本の仕組み独占・（複占）・寡占・カルテル・独占禁止法などについて、例を交えながら説明。やはり、公民の説明は面白い。生徒の「へーーーー」「ふーーん」「あーーーん」「ほーーーー」の回数が他の科目以上に多くなる。公民と国語の授業は、たとえ話、例、比喩をいかに数多く入れられるかにかかっていると思う。

  2007/10/21

• こちらはもっと遅い

  金曜は授業がないため、この時間もブログを書けます（笑）masa/k先生のブログで、社会の進度について書いてあります。私も度々、このブログ上で、学校の社会の進度について触れてきました。しかし、今回過去の記録を大幅に塗り替える学校が出てきました。本当に教育委員会に訴えたいくらいです。 驚かないでください。東京都 某市 第○中学校 中３の社会の進度。何と現在１９２９世界大恐慌をやっております。中間テストが来週あるのですが、まだ第２次世界大戦に入っておりません。中３ですよ。中３！ビックリです！！！！塾生は、塾で公民をやっているから大丈夫ですが、一体どうするつもりなのでしょう？ 

  2007/10/05

• 

  転記する力（１）

  本日の午前中は、中３のＡ中、Ｂ中のための特別授業であった。修学旅行に行っていたため、先週の授業に出られなかったからだ。 最近は社会の授業をほとんどしなくなったが、私の社会の授業は、基本的には穴埋め型のレジュメを用意し、それをメインに進めていく。（あまり、学校のプリント学習を批判できないですね笑）重要部分にマーカーをひいたり、そこに知識の付け足しを行ったりする。 ただ、本日はあくまで補講。普段は他の先生が行っている授業なので、レジュメを配ると何だか出しゃばった気もするので、今日は板書をすることにした。 実は、もう１つ目的があった。今日来るＡ中とＢ中は、うちの塾の中では成績が下のクラスの子が多い。板書を写すペース、ノートのバランスの取り方（ノートのどのあたりに書けばいいのか予測する力）、そして何より転記する能力を見てみたかったのだ。 「転記する力」は大変重要な能力。成績を上げるためだけでなく、将来仕事をする上でも非常に重要な要素だ。私の塾で過去に雇ってきた事務スタッフでも、優秀な人材は間違いなく転記する力が強い。（and vice versa ）ミスの多いスタッフは、基本的に転記する力を欠いているケースがほとんどだ。 ところで、転記する力が強いスタッフの履歴書を見ると、共通している項目がある。それは１　「珠算○級」というようにそろばんをやっていたケース２　経営学部や商学部出身で税理士は公認会計士を目指しているケース３　商業高校出身で高校時代に簿記をやっているケースこの３点だ。 そろばんの伝票計算にせよ、簿記にせよ、２つの物の間を目が行ったり来たりする。 おそらく、これにより「正確に転記する力」が鍛えられるのであろう。 思えば、経理の仕事や事務仕事は、ほとんどが２つの物の間を目が行き来する。ミスの多いスタッフは、この目の行き来する間に、数字の書き間違いをすることが多いのだ。

  2007/09/17

• やっぱり地図は地図帳

  昨日、中学受験生４人の補習を見ていた。科目は社会である。彼らは、今週移動教室があったため、理科と社会の授業に出られなかった。そこで、昨日の夕方、欠席した分を補講していたのである。さて、中学受験のカリキュラムは大きく３つある（首都圏）。四谷大塚、サピックス、日能研の３つだ。このうち、サピックスと日能研のカリキュラムは、その塾に通わなければ受けることができない。個別指導塾では、日能研やサピックスのフォローをしている塾もあるが、それはあくまでフォロー。日能研やサピのカリキュラムに沿って、授業を進めているわけではない。一方、四谷大塚は８０年代から多くの「準拠塾」というものを作り、（現在は新たに準拠塾を作っていない）当塾もその傘下に入っている。四谷大塚の準拠塾は、四谷大塚が作成した「予習シリーズ」というテキストを使用し、毎週決められたカリキュラムで進めていく。 私の塾も四谷大塚の準拠塾であるが、最近は理社に関しては予習シリーズを使用していない。現在、理社は教育開発社の「新小学問題集」を使用している。昨日は、その「新小問」の社会を使っての補講授業。生徒たちは解答や解説ページを見ながら一生懸命答えを埋めようとしている。そして、丸つけをして終わりにしようとしている。これでは、あまりに味気ないし、定着しない。以前にも書いたが、地理で分からない問題が出てきたら、地図帳で調べながら進める方が断然良い。確かに最初時間はかかるが、後々の伸びと定着を考えたら、地理は絶対に地図帳を使うべきだ。急がば回れとは、まさにこのこと。 たとえば、「日向灘に面した気温が温暖な地域にあり、野菜の促成栽培が行われている平野は？」「岩木川流域にあり、南部ではりんごの栽培がさかんな平野は？」これらを宮崎平野、津軽平野と上から順に暗記して何になるだろうか。あまりにも味気ないし、地理嫌いを作ってしまうのではないだろうか。何より頭に残らないと思う。そこで、本日は地図帳を４冊持ってきて、生徒たちに調べさせた。まず、索引から岩木川を探させる。そのページを開くと、「岩木川は東北地方なのか！」と新たな知識を蓄えることができる。そして、地図帳を見ると、でっかく「津軽平野」と書いてある。しかも、その南に目を移すと、りんごの絵がたくさん書いてあるではないか。こうした作業をやってもらい、最後にお約束のテスト（笑）すると、勉強時間（暗記時間）は与えなかったにもかかわらず、みんなしっかり暗記している。やはり、地理は地図帳が基本である。 ※なお、この記事に出てくる「新小問」　大変優れた教材で、細かい知識も載っており、全体的にポイントがよく整理されている。　  ただし、上位校・難関校を受験するには、新小問だけでは足りない、と考えている。　これは、この数年、予習シリーズを離れ、新小問をやってきてみての私の感想。　中堅校には十分すぎる量であるが、難関校にはやはり予習シリーズの方が良い。　特に理科は、新小問だけでは知識量が不足するので、入試問題をやる中で補うなどのフォローが必要である。

  2007/09/16

• 中３社会の進度

  今、今後の社会のカリキュラムについて話し合っていたが、中３生の社会の進度がまずい。公民に入っている学校が少なすぎる。ほとんどの学校がまだ歴史をやっている。２学期中間と期末は大変重要なのだが、塾では全く違う勉強をすることになる。生徒の負担も大きい。 文科省、あるいは教育委員会の方で指導してほしい。

  2007/09/12

• 社会の資料

  生徒たちが税や人権に関する作文を書く際、最も参考にされていた本がこれです。分かりやすいと評判でした。もう１つ。日本国勢図絵のジュニア版もおすすめです。

  2007/09/02

• 厚生大臣・厚生労働大臣と内閣支持率

  ふと、思った。内閣支持率と厚生労働大臣の人気との間に、何か関係はあるだろうか。 菅直人氏、小泉氏あたりがやっている頃から気にはなっていた。最近では柳沢氏、桝添氏を見ていて何となく気になる。 厚生労働大臣（古くは厚生大臣）と内閣支持率の相関関係について、どこかにデータがないだろうか。なければ自分で調べるしかないが・・・内閣支持率は変動が激しいので、調べるのが大変そうだ・・・しかも、どの新聞社の支持率を参考にするかも問題であるし・・・ 内閣支持率は、国際情勢含め、様々な要因が重なって出てくる数値。おそらく、厚生労働大臣の人気とは直接的な関係は少ないのであろうが。ただ、何となく気になった。 

  2007/09/02

• 地図帳を使う

  本日は自習日。中３生を中心に多くの生徒がやって来た。普段は自習室のみ開放しているのだが、今日はあまりに多くの生徒が来たので全ての教室を開放した。某○中の生徒４人は、社会の問題集を持ち込んでいた。学校の宿題である。範囲は地理分野。ページ数は４０ページ近くもある。みんな全く手を付けていない。しかも、例のごとく「地理、まったくわかんなーーーーーい」と来たもんだ。 そこで、「地理は地図帳が全て」であることを教え、最初の１ページを使って、具体的に勉強のやり方をを実演してみた。実は私も地理は大嫌いで、中学と高校時代は全く勉強してこなかった。→ここから恥ずかしい話スタート→恥ずかしい話であるが、４７都道府県の場所さえ知らない。恥を承知でもっと話せば、県庁所在地なんて全く知らず、アフリカとは「国」だと思っていた。アメリカの都市名と州の区別もつかなければ、時差計算の仕方も知らない。塾講師をしているのに恥ずかしいのであるが、ヨーロッパの国なんて４つか５つしか知らなかった。スペインとメキシコは南米かと思っていたし、チリの特徴のある形もしらなかった。（ここまで恥をかいたので、これ以上は許してください。）いわゆる「バカ大学生」であった。地理の勉強を始めたのは、塾講師になってからである。ただ、始めて見たのは良いものの、勉強しても頭に入らない。問題集を自分で買ってきて、演習→丸つけを繰り返しているのであるが、どうやっても定着しない。そこで、大学生である私が取った勉強法は、地図を徹底的に活用することである。英語は辞書を片手に勉強するのが良いのと同様、地理は地図で学習するのが一番良いと思ったからだ。まず私は、吉祥寺の紀伊國屋書店に行って、地図帳を買ってきた。次に当時バイトをしていた塾の室長さんに頼んで、塾用問題集を１冊いただいた。そして、それから毎晩本格的に地理の勉強を始めたのである。テキストを開く。解説ページは読んでもつまらないので、いきなり問題を解き始める。しかし、当然１つも分からない。そこで購入してきた新品の地図帳の登場である。地図帳には、地理のほぼ「全て」が載っているのだ。驚いた。感動した。分からない問題があって、地図を開くと、川の名前も盆地も山脈も国も全て載っていることを初めて知ったのだ。（恥ずかしい話ですが。）それだけではなく、記号で産物なども書いてある。飛行機マークも書いてあって、「あ～ここに空港があるんだ～」などと感動したものだ。とにかく、全て載っている。アメリカの問題を解いているときは、アメリカのページを開きながら解いていく。すると、設問になっている部分の解答が全て載っている。「ここは、エリー湖って言うんだ～」「ミシガン湖の下にあるのは、シカゴなんだ～」「シカゴは食品と機械が盛んなのか～」「自由の女神は世界文化遺産なんだ～」こんなことを思いながら問題集を解いていた。さらに地図以外のページの資料は、世界の主な産物や都道府県別のデータなどが載っており、資料問題は全て解けてしまう。本当に感動した。（恥ずかしい大学生の話）そして、一度チェックしたところは、鉛筆で線を引いていった。いつの間にか地図帳はボロボロになっていった。 それ以来、地理の勉強は楽しいものなのだと生徒に自信をもって勧めることができるようになった。 今日は、○中の４人に、私流の地理勉強法を指導した。１ページ目を利用して、地図帳を使った勉強法を実演してみた。すると、生徒たちも楽しさに気づいたようで一生懸命地理の問題集に取り組みだした。１時過ぎに始め、９：００前まで熱中していた。もちろん、こうした作業の後は「暗記作業」が必要なのであるが、解答集を丸暗記するよりも、一度自分で調べた結果を暗記するのは楽なはず。しかも、「地理大嫌い」と言っていた子たちが、帰り際に「地理楽しい」「もっと問題解きたい」と言い出してきたのだから、今日はそれなりに成果はあったのだと思う。 宿題に関しては、２人が終了、あと２人も、残すところ僅かである。 最後に、地図帳を読んでも難しいと思われる時差計算については、私の独自？の方法「さいとーさん、おはよ～」を指導しておいたので、もう完璧。後は、この学校の宿題を「定着」させるのみ。そうすれば都立の地理は、まあ満点近くとれるであろう。

  2007/08/25

• 社会

  歴史は、過去から現在を「タテ」の線で結び、地理は、国と国を「ヨコ」の線で結んでいる。そして、公民は、その「タテ」の線と「ヨコ」の線が交差する点、「現在の日本」を学習している。 そして、歴史における「タテ」の線も、地理における「ヨコ」の線も、公民における「交差点」も、すべて未来へと繋がっているはずである。 もし、時間が無限にあるのなら、このような視点から歴史、地理、公民の各種知識を混ぜ合わせながら指導をしたい。  しかし、時間には制約がある。今日の授業時間、受験までの残された時間。こうした限られた時間の中で、「受験に必要な知識」を的確に網羅するためには、ある程度、要点を絞った解説をしなければならない。 この限られた時間の中で、できるだけ楽しく、知的好奇心を刺激し、そして将来の財産になるような授業をしていきたいと思う。ふと、そんなことを考えてみた。

  2007/08/22

• 学校の社会の進度が遅い

  本日は授業がない。朝から自習室のみ開放している。大変だったのは、午後１時から３時にかけて最大で１５名になった時だけで、あとは平穏な１日。こういう自習の日は、生徒たちからいろいろな情報が入ってくる。学校の話、友人関係の話、地域の話、時に他塾情報なども入ってくる。そんな中、今日気になった話題は、中３社会の進度がどの学校も遅いということ。Ａ中のＯくん「ガンディのところをやってる。もう社会は塾に任せます。」（任せとけ～！）Ｂ中のＳくん「まだ太平洋戦争に入ったばかりです。やばいです。」Ｃ中のＩさん「まだ第１次世界大戦のところをやってる。あの先生きもい。」（最後の一言余計）Ｄ中のＯさん「いま第２次世界大戦真っ最中です。」（「いや、今２００７年だよ」と、一応ツッコミ...）遅い。遅すぎる。そのペースで公民分野は終わるのだろうか。ここでも書いたが、この４つの学校に共通しているのは１　先生の専門が歴史２　教科書を使わず、自作のプリント学習をしているの２点だ。私は、以前から「文部科学省はなくても良いのではないか」と思っている。結局、授業は学校の先生が勝手気ままにしているわけだし、履修不足問題なども、文科省が各高校を全く管理できていなかった証だ。文部科学省の作った指導要領と文科省の検定した教科書に沿って勉強していくと、年々子どもたちの学力が下がっていくのも問題である。とにかく、この社会の進度については、文科省の方で何か対策を講じてほしい。毎年、全国の中学校で起こっている問題だ。カリキュラムに無理があるのか、教職員の稼働計画に問題があるのか・・・いずれにせよ、被害者は生徒たちだ。頼みます、文科省。 

  2007/08/04

• 社会

  学校の社会の進度は、今や中３の１学期で歴史を終了するのがスタンダードになったように思える。多くの学校で、公民に入るのは７月からだ。中には９月から公民分野に入る学校もある。 たしかに中学３年間で学ぶ社会の学習量は多い。しかしそれでも、もう少しやりようというものがあるのではないかと思う。あまりに進度が遅すぎる。  進度の遅い先生の共通点は、１歴史が専門と思われること２プリント学習をしていること以上の２点だ。３番目に稼働計画の甘さもあるが、それはここでは置いておく。  まず、１について。中学校の社会科の先生は、地理はあっさり風味、歴史はこってり濃厚に授業を行う方が多い。自分の専門分野であるから、知っていることを全部教えたくなるのは分からなくもない。しかし、「中距離核ミサイルの射程距離は○○キロ・・・」と、各種兵器の性能・射程距離までプリントで暗記させるのは細かすぎると思うのだが、どうなのだろう。その先生の中１の授業では、「壱与」や「応神天皇」が登場してくる。歴史の流れを説明するのは大変面白いが、しかしそれによって全くカリキュラムが進んでいないのが残念である。 ２について進度が進まない先生の多くは、プリント学習をしている。自作プリントを使用し、授業を展開しているのだ。プリントは大変よく研究されており、熱意も十分に伝わってくる。しかし、少々詰め込みすぎの感もある。  知識があると、人に教えたくなる。しかし、時に「禁欲する」という姿勢も大切。私自身も気をつけようと思う。 

  2007/07/12

• 社会が大の苦手な子

  中学生用の塾用教材には良い物が多い。市販の参考書は、大学受験生向けの物には素晴らしい物が揃っているが、高校受験向け参考書には今イチ良い物が少ない。そのためだろうか、うちの塾の保護者からも「教材を売って欲しい」という要望が入ることがある。うちの塾では教材販売はしていないため、こうした要望が入った場合、今までは無料で渡すことが多かった。ちょうど去年の今くらいの時期、中２（現中３）のＡ子のお母さんから「歴史が大の苦手なので、何か歴史のテキストを売って欲しい」との要望が入った。とりあえずＡ子の歴史の知識を調べてみると、見事なまでに全くのゼロ。「歴史で知っているのは『織田家康』くらい」と本気で（？）で言ってたほどだ。（ちなみに、中３の１学期期末試験で、「天皇の国事行為を１つ挙げなさい」という問題が出て、Ａ子は「手を振る」と答えた。）そこで、彼女のために何か良い自習用テキストがないか、塾の本棚を眺めていた。シリウス、ｉワーク、新中問、マイクリア、ＫＥＹワーク、ウィイニング、中学新ワーク、徹底演習テキスト、オールマイティ、ベーシック、必修テキスト、栄光ワーク、新演習、トライアンフ、ＷＩＮＰＡＳＳ、オリジナルテキスト、みるみるわかる社会・・・何か良いのはないかな・・・１つ１つ調べてみた。解説は詳しい方が良いが、量が多すぎると途中で嫌になってしまうだろう。そこで仕方なく「みるみるわかる」を候補から外す。問題量が多すぎても最後までやりきれないであろう。そこで「オリジナルテキスト」も候補から外す。（※注　両方とも良いテキストです。あくまでもＡ子にとって難しすぎるということです）残りのテキストも順番に見ていく。しかし、どれも解説が箇条書きで、ただ用語が並んであるだけだ。もちろん、これらのワークは、教科書を読み、歴史の流れを確かめてから解くことが前提となっているため、解説は最低限に絞ってある。ただし、やるのはＡ子である。教科書は学校のロッカーにしまってあるに違いない。 さてさて、困った。どうしよう。何か良いテキストはないか・・・！ちょっと小学生用の本棚に走る。もしかして、小学生用のテキストなら出来るかもしれない。そこで僕が手にしたのは小６用の『コア』というテキストだ。これだ！このテキストならＡ子にも出来るであろう。このテキストは、小学生用なので、解説が易しい言葉で書かれている。しかも、解説ページは箇条書きではなく、わかりやすいストーリー仕立てになっている。さらに良い所は、Ａ子にも分かるように、あ！失礼！小学生にも分かるように、全ての用語に「ふりがな」がふってある。もちろん小学生用なので、知識面では足りない部分もあるが、歴史が苦手な子の導入としては十分な内容だ。問題量も、多すぎず少なすぎずちょうど良い。しかも「楽しい」！よし、これにしよう！効果はあった。このテキストを３月の終わり頃に渡したのであるが、何と５月のＧＷ明けまでに全て終わらせてきたのだ。その後、さらに２回繰り返し（合計３回）、ある程度の基本を固めることが出来た。夏からは、「中３用の夏期テキスト」と「一問一答」で知識の補充を行い、２学期以降は都立の過去問と模試の過去問でアウトプットしていった。そのＡ子が、今日の帰り際「歴史は大丈夫なんだけど、地理がやばい」と言っていた。後半は聞かないでください。大事なのは前半です（笑）１年前「織田家康」と言っていたＡ子の口から「歴史は大丈夫」という言葉が飛び出した。まあ、僕から見ればまだまだ歴史も怪しいのであるが、本人の中では一番の得点源になっている。来年度も、歴史が大の苦手という子には小６用の『コア』を渡してみるか。もっと研究が必要だが、結構効果はあるように思う。 

  2007/02/21

• バブル景気とは何だったのか８

  ２００７年になった。「バブルの崩壊」による平成不況は終わりを告げたと言われている。しかし、民間レベルでの好況感はと言えば、今のところ実感はない。ただ、現在日本が抱えている最大の問題点が、「平成不況」から「財政赤字と少子高齢化」へシフトしたことは確かであろう。日本の苦悩はまだまだ続きそうである。ところで「バブル」とは何だったのか。国の経済レベルだけにあてはまる話なのだろうか。いや、国を作っているのは個人である。私個人レベルでも似たような経験がある。１０年ほど前、ＮＩＫＥが出しているスニーカー「エアマックス」が大ブームとなった。私自身、そのスニーカーをまだ人気の出ていない頃に偶然買ったのであるが、その後彗星のごとく現れたアイドル「広末涼子」がエアマックスを履いていたことから、エアマックスは異常ブームになる。「エアマックス狩り」という犯罪も社会現象になった。当時、私の履いていたエアマックスは中古で１５万円近くの値が付いており、確か１５０００円程度で購入した「エアマックス」や「エアジョーダン・シリーズ」が中古店に持っていけば１０万円近くで売れたような記憶がある。友人にも「５万円で譲って」と頼まれもした。ジーンズも同様で「リーバイスのＸＸ」というジーンズが復刻版も含め大ブームになった。渋谷や原宿の古着店ではかなりの高値で取り引きされていた。ちなみに火付け役はキムタクである。キムタクが「レッドウィング社」のブーツを履けば、レッドウィングのブーツの価格が高騰。全く入手困難な状態になる。同じく、キムタクがロレックスのエクスプローラをドラマで着用すれば、日本中でエクスプローラがの人気が沸騰し、世界のロレックス市場に影響を与える始末。子供たちの中でも、遊戯王カードが流行れば、もともと数百円程度のカードが、たちまち１０００円程度に値上がりする。そして、１０００円程度で購入した人は、今度は別の人に２０００円で売る。そのまた次の人は３０００円で購入。まさにバブル期の「土地転がし」と同じ原理である。２００２年日韓ワールドカップサッカーのチケット争奪戦もまた然り。基本的に我々日本人の中には、周りに流され、「その物が持っている本来の価値」を見失ってしまう人が多いようである。「ヤフオク」の大繁盛を見れば、そのことは一目瞭然であろう。 バブルとはすなわち「泡」である。しかし、その本質は「はじける」ということではない。「泡」の本質は「中身が空っぽ」ということである。外観は美しく、大きい。空に向かって上昇している。しかし、その中身は空っぽだ。バブル期の日本。そこに「中身」はあったのだろうか。今振り返ってみると、そのような疑問も浮かんでくる。バブル景気とは、利益や物を追求するあまり、肝心な心を忘れてしまった日本人を象徴しているのではないか。日本国中を巻き込んで展開される狂想曲は、今後も起こる可能性は十分にある。明日新たなブームが起こっても何ら不思議ではない。しかし、「流行」や「ブーム」の負の側面は、その時代の真っ只中に生きている時はなかなか気づきにくい。「バブル景気」にしても、後から振り返ってみて初めて「これはバブル景気であった」「この期間からこの期間がバブル期だった」「この時期がバブル絶頂だった」と分かるものだ。これは経済だけでなく、我々の人生にも言えることであろう。今現在調子よく走っていても、それを後から振り返ってみたら「バブルであった」という可能性だってゼロではない。自分ではきちんと行動しているつもりでも、後から振り返ったら、実は「中身がなかった」ということもあるかもしれない。ホリエモンや村上ファンドに欠けていたのは「心」であると言ってしまっては言い過ぎであろうか。生きているこの瞬間には、見えにくいことも多い。だからこそ人生は楽しいという考え方もあるだろう。確かに未来を怖がっていたら何も出来ないし、今はとにかく走り続けるしかないという面もある。しかし、一方で今現在の自分を冷静に見つめ直す視点も必要なのではないか。身の丈に合ったことをしているか。背伸びしすぎてはいないだろうか。中身は詰まっているだろうか。多忙を極めると、なかなかそこまで考える余裕は出てこないが、ふと立ち止まって自分自身を見つめる時間を作っていくことも大切だと感じている。「バブル景気とは何だったのか」　終わり 

  2007/02/19

• バブル景気とは何だったのか７　～バブルの崩壊～

  バブル景気によって、土地や株などの資産価格は大幅に上昇し、キャピタルゲインをもたらしたが、その恩恵を授かったのは一部投資家や資産家だけであった。東京の商業地の地価は１９８３年と１とすると、１９９１年にはその３．４倍にまで膨れあがり、一般人にとってマイホームを建てることは夢物語となっていた。１９９２年には、宮沢内閣が「生活大国５カ年計画」の中に「５年分の年収でマイホームを建てられること」を目標として盛り込むなど、バブル景気によって高騰した地価は、日本の大部分を占める「持たざる人」にとって、到底受け入れられるものではなかった。政府と同じ考えを持つ者がいた。１９８９年１２月に日銀総裁に就任した三重野康氏である。三重野氏は、副総裁時から、地価と株価の高騰に歯止めをかけたがっていた人物である。地価の高騰を止めるためには、いわゆる「土地転がし」によるマネーゲームをできなくする必要がある。そこで日銀は、１９８９年に３回、１９９０年に２回、計５回にわたって公定歩合を大幅に引き上げる金融政策を採った。このうち後半の３回が、三重野総裁によって行われた金融政策である。日銀の金融政策によって、公定歩合は短期間に「２．５％」から「６％」にまで引き上げられた。結果論であるが、これが最大のミスであった。公定歩合が「過度に」引き上げられたため、市中銀行の金利も上昇。そのため銀行からお金を借りて行われていた土地に対する「投機的需要」が一気に減少してしまったのだ。同時に、低金利政策は株価上昇も支えていたため、公定歩合の引き上げは「株価」にも影響を与える最悪の事態を招いてしまった。これで全てが終わった。資産価格は、土地・株価ともに下落した。地価はゆるやかに、そして株は一気に暴落した。これが「バブルの崩壊」である。一度資産価格が下落すると、人々の行動の根本は「不安」に支配される。日本経済は、「下がりそうだから売る、売るからまた下がる」という悪循環に陥ってしまったのだ。さらに不運は続く。１９９０年８月イラクがクウェートに侵攻し「湾岸戦争」が勃発した。これにより原油価格が急騰。株価上昇のトリプルメリットと言われた「円高・低金利・原油安」のうち、「低金利」と「原油安」の２つが消滅してしまうこととなる。さらにその後、為替レートも１ドル１６０円台の「円安」に突入し、日本経済を支えていた３つの要素「円高・低金利・原油安」は全て消えてしまうことになる。政府も１９９２年２月、バブル経済が終焉したことを公式に認めた。その後、２００３年４月に株価が戦後最安値を記録するまで、１０年以上にわたって日本は冬の時代を迎えることとなる。「失われた９０年代」の始まりである。 次回「バブル景気とは何だったのか」最終回 

  2007/02/18

• バブル景気とは何だったのか６

  バブル絶頂期、日本の資産価格は日々上昇していき、大幅な「キャピタルゲイン」が発生した。それに伴い「民間所得」も上昇し、さらに「民間所得」の上昇は「民間消費」の上昇をもたらした。一方、企業も積極的な「設備投資」を行った。中には、たった１年で１０年分に匹敵する設備投資を行う企業も出てきた。（※設備投資は景気をリードする主役である。この時期に過度な設備投資を行ってきた日本企業は、９０年代後半以降、設備投資が不要となってしまう。村山内閣時に経済企画庁長官を務めた宮崎勇氏は、バブル期に設備投資をし過ぎたために起こった「ストック調整の崩れ」が「複合不況（平成不況をこう表現した）」の一要因であると分析している）このように、民間レベルでの「個人消費の増大」と、企業レベルでの「設備投資の増大」が、日本の内需を大幅に拡大させた。また、この頃「輸入」も増加していたが、円高のために輸入価格は安定しており、好況にも関わらずインフレーションは起こらずに済んだ。こうして、内需主導型の平成景気が訪れる。日経平均株価は１９８９年末に戦後最高値である３万８９１５円８７銭を記録する。しかし、この８９年末をピークに日経平均は下がり続け、２００３年４月２８日には、戦後最安値である７６０７円にまで落ち込むことになる。この１９８９年と２００３年の間にあったもの。それが「バブルの崩壊」である。

  2007/02/18

• バブル景気とは何だったのか５

  このように、１９８６年末頃から、土地や株価は、「実体的需要に基づいた資産本来が持っている価値（ファンダメンタルズ）」を大きく上回る価格で売買されることとなった。日本の土地や株は、「上がるから買う、買うから上がる」という魔の循環に入り込んでしまったのだ。この「投機が投機を呼ぶ」メカニズムにより、日本の貨幣経済は日々膨張していくこととなる。こうして、戦後焼け野原からスタートした日本は、経済面では僅か４０年で「世界の頂点」にまで登りつめた。当時、東欧諸国は社会主義体制の崩壊直前にあり、中国でも１９８９年に天安門事件が発生。アメリカはレーガノミクスの失敗（レーガン政権は効果を主張している）から大量の失業者と財政赤字を抱えていた。そうした中、政治的にも経済的にも最も安定している国として、日本は世界の中で認知され始めた。１９８７年のＧ７ルーブル合意によっても、日本の過度な円高をくい止めることはできず、「ＪＡＰＡＮ　ＡＳ　ＮＯ．１」の形容の通り世界一の経済大国となった日本は、高度経済成長に次ぐ空前の大好況を迎えることとなる。「バブル景気」の到来である。 ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!!! （ここからジュリアナ東京のＢＧＭ）新卒大学生の就職は引く手あまた。「金の卵」と言われた大学生は、いくつもの内定を抱え、「内定をもらうこと」よりも「頂いた内定を断ること」に頭を悩ませることになる。ロレックスやルイヴィトンなどの高級品は売れに売れ、高級ホテル、高級レストランは常に満員。街は高級ブランドに身をまとった人々で溢れかえっていた。日本企業による欧米企業の買収も頻繁に行われ、ゴッホなどの高級絵画も日本人により買い漁られた。道路はベンツをはじめとする高級車で溢れ、タクシーに乗るにも全くタクシーを拾えない状態。客がタクシーを選ぶのではなく、タクシーが客を選ぶような時代であった。予備校産業や塾産業も同様で、現在の大手学習塾の多くは、この時期に急速な教室展開を行った塾がほとんどである。予備校は、代々木ゼミナールを筆頭に、三大予備校や中堅予備校が、多くの看板講師・有名講師を抱えしのぎを削り合った。まさに日本は「天国」であった。（ＢＧＭ終了）しかし、あくまでも「バブル」である。既に一部学者の中には、地価や株価はファンダメンタルズを大きく超えており、日本経済は「バブルの状態」だと指摘する者もいたが、結局多数派の意見に押し潰されてしまった。バブルとはすなわち「泡」である。土地や株に対する投機的需要も、泡と同様、永遠に続くわけではない。日本のバブルは、いよいよはじけるのを待つだけの状態となった。

  2007/02/17

• バブル景気とは何だったのか４

  「円高不況」を終焉させるため、政府は戦後最低となる「２．５％」にまで公定歩合を引き下げる「超低金利政策」を実施した。ただ、これは一気に引き下げた訳ではなく、１９８６年から８７年にかけて、段階的に５回に分けて引き下げを行った結果である。 １９８０年代、既に国際舞台において「アジア経済の中心」としての地位を築き上げていた日本は、その地位をより確固たるものにすべく、アジア各国の銀行が一極に集中する「東京市場」の成立に向けて、水面下での動きを早めていた。ただし、問題は「場所」である。各国の支店銀行が東京に集中するには、東京という都に残された土地は余りにも少なすぎた。そこで起きたのが「地上げ」である。１９８０年代の都内各地では「地上げ」の被害が頻繁に聞かれるようになった。「市場原理」はもちろん土地にも反映される。都内各地で行われた「地上げ」は、当時の東京都の地価を大きく跳ね上がらせたことは言うまでもないだろう。「東京の地価」は日々値上がりを続けていくこととなる。さて、ここで先ほどの「２．５％」という数字である。円高不況対策として大幅に引き下げられた公定歩合は、当然市中銀行の金利にも影響を与えた。２．５％という公定歩合が引き起こした低金利は、人々の気持ちを銀行預金から遠ざけるのに、そう多くの時間を必要としなかった。「低金利の銀行よりも、日々値上がりを続ける土地や株に投資する方が効率が良い。」日本人の思考がそのように変換されていくのは、既に政府が「円高不況対策」に乗り出した時からの必然だったのかもしれない。人々は、銀行からお金を借り、土地や株式への投資を始めた。銀行の金利を当てにするより、土地の値上がりを当てにした方が、錬金術としては確実かつ手っ取り早い戦略だったからである。そして、この「投機的需要」に参加することが許されたのは、大企業や一部資産家だけであった。多くの資産家や大企業が土地や株に投資した結果、地価と株価は短期間に高騰した。「上がるから買うし、買うからまた上がる。」まさにこの世はゲームであった。結果的に、資産本来の持っている価値を大きく上回る額で土地は取引され始めた。まるで夢でも見ているかのような地価高騰であった。この本来の資産価値から大きく乖離した「急激な資産価格の上昇」こそが、「バブル（泡）」の正体である。ここに「バブル経済」が誕生した。そして、ここで忘れてはいけないのは、その資金の供給源になっていたのは「銀行」という事実である。しかし、所詮「泡」である。いつかははじける運命にある。ただ、一度欲に目が眩んだ人間にとって、泡は美しい宝石でしかない。それが破裂するなどと言う思想は、当時のブルジョア階級にとっては想像だにできないことであった。 

  2007/02/15

• バブル景気とは何だったのか３

  「円高不況」に見舞われた８０年代の日本。この不況に対処するため、１９８６年から本格的な不況対策が講じられた。不況対策と言えば、当時の主流は「減税」や「公共投資の創出」などをはじめとする「財政政策」であった。簡単に言えば、民間所得を増やすことにより有効需要を創出させようとする試みである。しかし、当時の「円高不況」に対して、政府は「財政政策」を採るという選択肢を選ばなかった。というより、選べなかったのである。１９７５年頃から本格化した特例国債のために、日本の財政は硬直化していたからだ。その結果、「財政再建」がキーワードになっていた当時の政府においては、「財政政策（赤字財政）」というカードが切られることはありえないことだった。そこで、「円高不況」に対する策として当時の政府が採用したのは、財政政策ではなく、「金融政策（金融緩和政策）」であった。１９８６年から翌８７年にかけて、政府は「公定歩合を段階的に引き下げる」という金融緩和政策に踏み出した。公定歩合を「戦後最低の２．５％」にまで引き下げたのである。これが、いわゆる「超低金利政策」である。さて、問題なのは、この「２．５」という当時としては大変低い数字である。これが、後にバブルの発生を引き起こし、そして崩壊へと導く序章になっていくとは、当時少なくとも自民党の中には予想できていた者はいなかったはずである。 

  2007/02/14

• バブル景気とは何だったのか２

  １９７９年、第２次オイルショックを契機として、世界の為替市場では「円売りドル買い」の傾向が強くなり、１９８０年代前半の日本は「円高時代」を迎えることになる。この円高を１つの要因として、日本の貿易黒字は拡大し、日米貿易不均衡は大きく拡大していった。１９８５年、アメリカの巨額に膨らんだ貿易赤字の削減を目的として、ニューヨークのＧ５（先進５カ国蔵相・中央銀行総裁会議）において「ドル安協調介入」が行われた。通称「プラザ合意」である。このプラザ合意の後、為替市場では急速な円高が進行していく。１ドル２４０円程度であった為替レートが、１ドル１２０円台へ突入したのだ。２倍の円高である。円高により約２倍に高騰した日本からの輸出価格は、日本商品の売れ行きに大きな影響を及ぼした。外国で日本商品の売れ行きが伸び悩み、国際競争力は大きく低下していった。日本国内では「減量経営」により、立て直しとコスト削減の励んだが、効果は薄く、１９８５年末頃から、日本は「円高不況」に突入する。

  2007/02/14

• バブル景気とは何だったのか１

  僕は新聞の番組欄は最後に見る。それも１日の最後に見る。つまり、見る意味が全くない…。今日も先程帰宅してから番組欄を見た。今日は「クイズ年の差なんてＳＰ」がやっていたんですね。懐かしいな～。見ればよかった。ところで、その番組の紹介欄に「バブル」という言葉があった。最近は青田典子がバブル青田(でしたっけ？）という名前で小復活を遂げた。先日の笑っていいともでも、タモリがバブルについて言及してた。偶然、うちの塾の高校生にも「バブルって何ですか。」と先日質問を受けた。さて、バブル景気とは何だったのだろうか。なぜバブルは崩壊(弾けた）したのだろうか。話は第２次石油危機(１９７９）やプラザ合意(１９８５）にまで遡る…。

  2007/02/13

• 都立入試　～社会～

  都立の社会は、国語と並んで、よく「簡単！」と言われる。先生方と会話していても「都立の社会は易しいから出来て当たり前」と軽く済ませる先生が多い。（そりゃ、先生だしね・・・）そして、都立問題じゃ勉強にならないからと、都立入試問題集をあまり扱わず、別のテキストや都道府県を中心に演習する先生が多い。たしかに、都立高校の社会は、４７都道府県の中でも最も易しい部類に入るであろう。 しかし、生徒はともかく、先生方には気づいて欲しいのだが、都立の社会は良問だ。なかなか洗練された問題だと個人的には思っている。単に年号や知識事項を試すというより、論理的に考えて行けばきちんと解答の出る問題が多い。むろん、一問一答を隅から隅まで暗記していれば、ほとんどの問題が即答できてしまうのであるが、授業では、生徒の論理的、国語的な頭を使わせて、じっくり解いて欲しい問題だ。 ただ、社会科の先生方はササッと答え合わせして終わりにしてしまっている方が多いようで残念である。素材は良いので、上手に活かせば、もっと生徒の力を付けさせることが可能だと思うのだが・・・どうなんだろう？

  2007/02/04

• 原因と結果の混同！？～参勤交代～

  ある学校の社会科で渡されたプリントを読み、気になったことがある。そのプリントには、参勤交代の目的は「大名にお金を使わせること」と書いてある。これって、目的と結果の混同のような気がするのだが。それとも僕が習ってきた知識が間違っているのかな。僕は中学時代に参勤交代の目的は幕府が大名に忠誠を誓わせるために行ったと習った。また、大名を江戸に滞在させることにより、幕府の力を大名に示すことも目的としていた、と習った。そして、その結果としてたまたま「大名にお金を使わせることになった」と解釈していた。つまり、「大名にお金を使わせること」が「目的」なのではなく、大名の財力が弱まったのは、当初幕府が意図していなかった偶然の結果である。そう理解していた。 試しに、塾にある教科書や参考書をいろいろ確認してみた。ちょっとボカして書いてあるものや、そのあたりには一切触れていないものもある。ちょっと勉強不足を露呈してしまった。図書館でいくつか文献を調べてみようと思う。

  2007/01/30

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