人権擁護法案の組織の条文を拾い読み
これは、初めに書いた文を今の視点(4/2)で訂正したもの。 今の視点を全部書いてはいません。 ---------------- 意見の挿入は緑字第一章 総則 この法律は、・・・実効的な予防並びに人権尊重の理念を普及させ、・・・・啓発に関する措置を講ずることにより、・・・施策を総合的に推進し、・・・社会の実現に寄与することを目的とする 国は、・・・総合的に推進する責務を有する。 現在の社会の建前的な人権が守られていないという意識ではなく、社会の建前としての人権意識をより変化させねばならない、という趣旨。第二章 人権委員会 『人権に関して高い識見を有する者であって、法律又は社会に関する学識経験のあるもののうちから』、 議会と総理が任命する。 委員長・常勤の委員は他の仕事は自由にできない。営利のための仕事はまったくできない。 任期は三年、再任あり。 年寄りが選ばれるかというと、なかなかハードな職になる。 他の仕事はろくにできないので、人権活動に関心の強い人物から選ぶしかないだろう。 人権委員会は、政府から独立して活動する。 委員長一人、常勤一人、非常勤三人。 委員長が代表者、事故があれば、常勤の委員が代表者。 二人以上の出席で、議決できる。 ほとんど、一人二人の独裁が可能。 実際は、人数的に力不足になりやすいので、法務省外局として事務員の力が大きいだろう。 解任は、任命自体が変則だったとか、刑務所に入るか病気になるかしないと、ほぼない。 委員の非行があったと、他の全員で認めない限り罷免にならない。 委員たちは、知った秘密を一生漏らしてはいけない。 一人消極的な人がいればいいので、任期中は全く安泰。 任期後も、手続きなども秘密にされているし、人権に関わることだと言えばほとんどが秘密になる。 活動の報告義務はあるが、プライバシーが関わることでもあり、それがどんな書き方になるかは不明。 委員会は、法律の目的(予防、啓発、推進)達成のための意見を提出することができる。 人権と言う名文のためであり、しかも、推進することが法律になっているのだから、議会が推進しないのは法律違反だと責めることができる。第三章 人権擁護委員 地域社会に人権擁護委員を置く。 候補者は、 人格が高潔で・・人権に関して高い識見を有する者。 または 弁護士会などの人権の擁護を目的・支持する団体の構成員。 その中から、 議会の意見を聞いて、市町村長が推薦し、委員会が拒否せずに承認すれば、 擁護委員となる。 市町村長とあくまで委員会とが合わない場合や、 市町村長の推薦した者に不足がなくても、他にとくに気に入る者があれば、 弁護士会やよその人権擁護委員連合会の意見を聴いて、擁護委員を決定できる。 つまり、弁護士とか、「自称人権活動家」 が中心に選ばれる。 人権についての「高い識見」 という点で、日本嫌いの在日韓国人を地方の管理職に登用しない人は、はねられることが多いだろう。 この人選は基本的に、日本の中で、人権委員会の二人だけで可能である。 人権擁護委員の数は全国で二万人以下。割り振りは、人権委員会が決める。 気に入らない人が委員になっているところには、気に入る人を増やすのも、必要に迫られた上ということになる。 擁護委員は無給だが、活動費用は弁償される。 任期三年、再選あり。 ときには、受持ち区域外でも活動できる。 人権擁護委員の職務は、 一 理念を普及させ、啓発活動を行う。 二 民間での人権擁護運動の推進。 三 人権に関する相談に応ずる。 四 情報を収集し、人権委員会に報告。 五 人権侵害に関する調査、被害の救済、予防を図るための活動。 六 その他 人権の擁護に努めること。 人権擁護委員は、人権委員会の指揮監督を受ける。 (協議会、連合会及び全国連合会) 擁護委員会の上には、協議会、その上には連合会、とつながっていて、 どれも擁護委員会と同様の仕事を負い、研究報告なども行う。 その活動を上の組織に報告しなければいけない。 ピラミッド組織のようにも見えるが、今までは、老人ボランティアの多い民間人の連絡会。 これが、若い公務員となり、常勤の委員の元に、独自の事務所を持って組織的につながっていくとなると、ピラミッド型に見えたりする。 しかし実質、上中下のどこがより強いのかはわからない。第三節 特別救済手続 第一款 通則・・・・ 44条 人権委員会は、自分だけの判断で、 関係者に出頭を求めて質問をし、 関係のある物件を提出させて、手元に留め、(パソコンのハードディスクでも) 関係する場所に疑いだけで立ち入って、物件を検査、質問する、 ということができる。 これは、犯罪調査とは別の枠として認められる。 犯罪調査じゃないから、かってに立ち入って、あれこれのプライバシーを強制的に聞き出したり、個人情報入りのハードディスクを押収したり、営業妨害が可能である。 ネットなどでは、九州の人間の指摘に、北海道の人間が人権侵害だと騒げば、東京に呼びつけたり、プロバイダーを立ち入り検査したりができることになる。 ただ、項目に具体的な制限がかかってはいるが。 第二款 調停及び仲裁 第一目 通則 (調停及び仲裁) 45条 人権委員会は、委員会が調査したり予防活動をした後、 委員会自らが、調停委員会又は仲裁委員会を設けて、これに調停又は仲裁を行わせるものとする。 独断で調停を始められる。 この調停に参加させるための人員として、人権委員会は、非常勤の人権調整委員を置く。 調停委員会又は仲裁委員会とは、人権委員・人権調整委員から三人で一チーム。一人は弁護士資格を持つこと。 弁護士がいない。告発したものと調停するものとが同じ。 (せめて、加害者側の視点の文書をつくることを、手続き付きで義務付けるべきだろう。)( 調停又は仲裁は申請によってもできるが、職権でできる。 ただし、労働の場での、人種や信条などを理由にしたものは、裁判の場に回される。 裁判の場では、委員会は請求のある訴訟に参加できる。(63条) 当事者が、委員会が訴訟に参加することを拒否しようとするとその分裁判となり、成り行きしだいでは、たぶんそれに関わる費用を負担させられる。 (民法による)) 従わないと裁判である。 しかも、総理と国会に認められた委員会を相手取っての裁判となる。 委員会を排除しようというと、その分の裁判が長引いて、膨大な損失を出す可能性が高い。 調停の手続きは公開しない。 つまり一生守秘義務となる。 調停がだめになると、・・以下に進むらしい。勧告、そして訴訟の援助となる。第三款 勧告及びその公表 (勧告)第四款 訴訟援助 (資料の閲覧及び謄抄本の交付)第五款 差別助長行為等の差止め等 (差別助長行為等の停止の勧告等)64条 人権委員会は、人権侵害が行われたと認めるときは、やめろと勧告することができる。65条 勧告をしたにもかかわらず、従わないときは、訴訟を提起することができる。------------------------------ これ以上は、このページでは分析していなかった。 過去の訂正だけ。 全体にトップダウンの調整役のようだが、 その言外のシステムとして、民間の哲学・思想の「潮流」(パリ原則)で、さらにコントロールしようということが条文外の資料から読める。 その時々の首相としては、 『自分・党の都合のいい人間を選べばいい。人権問題が政治問題に発展するのを、静かに対処して防げる。』 と思っているのだろう。 人権委員会は、ただの調整機関であり、その外側にはいろいろな刑法民法などの法律がある。ただの潤滑油だと。 しかし、全国の大組織をまとめねばならない。 末端の委員の活動は、若い活力として、弁護士会や「自称人権団体」 に依存するようになる。 (それ以外の若い人間は専門レベルの基準からはねられる。) それに対抗して、全国をまとめられるなど、誰がやれる。 まして、人権に自分の人生をある程度かけたような人から選ばれるだろうに。 一例を挙げると、『第六章 補則第八十三条 人権委員会、厚生労働大臣及び国土交通大臣は、この法律の運用に当たっては、関係行政機関及び関係のある公 私の団体と緊密な連携 を図るよう努めなければならない。』 ↓ つまり、私的団体が反対すると何もできない。 ごねる団体が出てきたら、どうしようもなくなるということだ(かつての広島のパターン) 対抗する人がいたとしても、任期切れとともに交替させられる運びとなるだろう。 委員長に長続きするのは、末端の受けのいい人間だけ。 この制度と活動は、人権団体の営業とビジネスモデルの発展に、貢献するだろう。 人権団体は、権威をもって発展するだろう。 そのときの「人権に関して高い識見を有する」 基準は、ますますきつくなる。 という計算で書かれた法案だ。 たぶん、左寄りというよりも、アメリカ流の「アジアは遅れているから改造しなきゃ」 という連中が書いたのでは。 ・・・とか、以前書いたけど、それだけじゃないな。 詳しくは以降。 日記内目次、資料、主要サイトのURL(日記ページ) 日記内目次、資料、主要サイトのURL(フリーページ)