スクランド日記

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2004年12月27日
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テーマ:教育(97)
カテゴリ:時代
 (追加訂正が、三段であります。) + 1/13以降の追加はコメントで

 学力低下について、 団藤氏の日記12/8~12/16でトラックバック募集をしていたので、すでに遅いが応じてみる。

 ゆとり教育の実態的な手法のなさ、文部省のいいかげんさ、その背景として彼らがイデオロギー的に教育をもてあそんでいるだろうということは、いまさらわかりきったことなのでここでは書かない。
 将来のための勉強の動機付け、という面も省く。
 社会的・知能的背景を考える。

 学力低下の要点は読解力の低下にある、と言われる。
 まともに、意味のつながる日本語ができないということ。
 日本語って、つまり、意味の組みたてのやりとりのこと。


見聞したこと

 相手の意図が読み取れぬままに、浅い表面の単語だけを組み合わせて、記号的にあるいはゲーム的に、解釈を作り上げてしまう、という傾向の人がネットでは見える。
 言葉の意味が、別の言葉の組み合わせでしかないかのようなリアリティ感覚を感じる。

 昔からあったことだけど。数が増えたのか、ネットでは見かけやすいだけなのか。


展開
 小学生が、死んでも生きかえると思ってたり、地動説を知らなかったり、学力としての読解力以前に主観性のせいのような気も。
 夏目漱石も青年になるまで、米が田んぼで取れるものだと知らなかったというし。(たぶん、米と稲とは別物だと思っていたんだろう)
 言葉だけで実体がないものを、あるかのように扱うというのは、いつの時代でも大人がよく間違ったことなのだし。

 経験が練れていない者は、リアリティが頼りなく、他人のヒステリックな言葉を真実だと思い込んだり、実体を考証できなかったりすることはよくある。
 世界はファンタジー化し、それは存在が不安になりやすく、暴力にも通じやすい。( 参照1 )

 世界の意味が安定してあるためには、経験による認識の厚みが必要で、それは大人にも必要だ。問題は大人のリアリティ。( 参照2 )


 だから解法としては、
 「周囲の迷惑にならない正解を憶える+その上の個性」というのでなく、「厚みをもった経験をしないと意味を保てない」というように、子育ての基準を変えなさい、と。
 それが、ニート問題にも、現役就労者の仕事のし方にも共通すると思う。

 言葉が正しいとは、意味の組み立てが正しいということで、それがおかしければものごとに集中しようもなくなる。学力はその結果。


---追加訂正文(1)---


ただし、

 テスト問題はおかしいらしい。
  極東ブログ12/8によると、語るに値しない気分にさせる議論問題に対して、日本人の生徒がかなり白紙だったそうだ。
 (おまけに文体はひどい同時翻訳調)
 
 これはしかし、極東ブログ氏は、こういう吹っかけ議論にも対応しないと、実際的に読解力として認められない、そういう欧米基準についていくことが必要だと言っているのだが。

 しかし、そういう気分にさせられるのは、日本人だけじゃないはずだ。多くの諸国の常識が欧米人によって無視されているだけだろうと思う。
 りくつとしては、たとえ日本だけであっても、それは押し付けられる筋合いがない、と主張しなければいけない。

 日本語が外国の基準で壊されていくのにただ流されて行く、「知ったところでしようがない」という姿勢では、ものを考える力を語る資格はないよ。

 ・・・・・が、まあ、しかし、もう少し出題を分析しよう。
 じつは発表されたのは2000年の出題だそうだ。そのときの成績はさほど悪くはなかったそうだ。
 (今回2003年の文は、この次使うものの参考にするとかで、未発表だそうだ)

 詳しいお勧め資料はこちら。おおた葉一郎のしょーと・しょーと・えっせい
  OECD PISAをながめて(1) テストの紹介    
  OECD PISAをながめて(2) テストの例文と設問 
 
 結果として、言えるのは、この出題の例文はともかく、質問自体はかなりまともである。
 例文は、読み手を引きずろうとしているが、質問は、「文の雰囲気に引きずられずに冷静に見ているか」どうかを問うているのだ。
 つまり、実際のいろんな場で、議論のようなことになった場合に、どこまできちんと自分を保って人の言うことをわかろうと聞いていられるか、である。

 自分の持つ常識感覚を、修羅場でどこまで保っていられるか。いわば、「生きていくのに必要な、あるいは実際の場で考える力を保つための、言語耐久力」。
 それが、義務教育終了時点で検査された、読解力である。

 このテストの趣旨は、いわゆる「学力」とはちがうもののようだ。
 このテストの趣旨は、まともな頭の働きをいろんな場面で維持すること、じゃないかと思える。
 (  文部科学省の抄訳 )



 問題は、未発表の2003の問題だ。
 ここで、生じた読解力の急低下というのは、なにか?

 なにしろ、このテストは、
1 2000と2003の二回しか行われていない。
2 2000と2003の間にもテストの種類が増えたりして、発展途上である。
3 このテストの趣旨は、まともな頭の働きをいろんな場面で維持すること、のようなので、出題の難しさや、文化的な違い、などがあるだろう。
4 日本人がどこまで関わって作ったのかわからないようなテストに、まともな結果が期待できるのか?
5 質問形式などの微妙なミスで、白紙が増えた。
 例えば、2000年の問題で、 質問2の「ソフィアが広告を引き合いに出している理由はなにか?」は、 「~理由は何だと‘考えるか’?」としないと、ソフィアが主張している論理展開に即した表現でないと題意に反するのか、と迷う。)

 良心的につくってあるとは思うのだ。
 さて問題は、3年前に比べて、中学生が急に「人の言うことをわからない子供達になったのか?」である。
 (違うとは言いきれない昨今が問題なのだ)



結論

「 問題は良い。
 しかし、他国と比べた結果とか、成績の変動とか、根拠があてにならない。」

 とはいえ、こういう国際テストに価値があるとは言える。
 なしくずしに欧米の基準で測られるのでなく、日本の方から、「こういう基準であるべきだ」というものを示すべきだ。

 それが、日本という少数民族の主張に過ぎないなどと、遠慮してはいけない。
 主張できる力のある者は主張して、自分の文化を世界に示そうとしなければいけない。それが世界の人の生き方を広げ、衝突を和らげることに通じるからだ。

 それもできない大人たちではどうしようもないがな。

 子供にやらすことばかり考える大人では、子供は他人の議論など馬耳東風とその場しのぎでごまかす者も増えようて。


---追加訂正文(2)---

テスト結果の本当

 昨今の少年問題と長期にわたる学力低下、ゆとり教育の情勢からすると、今度のテスト結果がほんとに正しい可能性もある。

 その理由は、落ち着いて人の言うことを聞いていられないような、ストレス気分が溜まっているのでは。
 詳しくは、上と同じ 参照1
 読解力(おちついて聞こうとする耐久の結果)は、学力低下の結果でなく、授業崩壊の年齢が上昇したのかもしれないし。

 また、人を迷わせるゆとり教育はストレスを増やすかも。
 『勉強している子の方がかえってストレスが少ないという』測定結果が出たことが、何年か前にあったはず。

 文部省の資料の 表8を見ると、欧米系の田舎国の読解力成績が高く、都会国のレベルが日本と同じぐらい、アメリカが日本以下、という点からして、これはディベートではなく、「落ち着いて聞く」姿勢だと思われる。
 韓国・香港が高いのは、アジアの田舎老人との接触が多いこと+競争社会、の相乗効果だろう。

 

---追加訂正文(3)---

学級崩壊世代

子どもと暴力・はじめにhttp://kongoshuppan.co.jp/dm/0626_1.htmlより
『学級崩壊という言葉は1997年の夏頃から登場し,1998年からマスコミで大きく取り上げられるようになった』
 この始まり頃は、小学校の中ほどぐらいだったように思う。2003年頃は中学卒業程度=テスト対象になる。
 この影響が現れたということだろう。

 ただ国際比較としては、欧米先進国と同レベルの「人の話をちょっとがまんして聞きわける力」になる。

 とある大学授業用のHPらしいが、国際教育論 の中の、[PDF] 第1章 日本の教育を相対化する- HTMLバージョンの中の、

 その1-3「欧米人の本心」
 というところで、欧米に比べて、以前の日本の生徒が授業中に整然と聞いている姿を見て感心しているところがある。
 そして、授業崩壊の影響を受けて、現在中学卒業時点で、欧米先進国並に落ちたというわけである。
 
( さらに今回のテストが正しければ、アメリカ社会の常識とは、人の言うことを聞けないやつがよそより多いという前提なのか、よりますます人の言うことを聞かなくなっていってるのか・・・)



---------------------------

 ところで、この楽天では、教育 という投稿テーマが最近あります。
 (ついでに、こんなのもあったけど)




 なお、これに関して以上に紹介したサイトのページに、かかっている他のトラックバックもおもしろい。

 たとえば、deco★decocoolの、
『かつてのエリート教育=仏教教義学にしても(非常に昔の例で申し訳ないけど)、どう見ても「言葉による理解」よりは「空気読め」って論法なんだよね。行間を読めないと、いつまでもその書物を理解したことにならない、というか。』 とか、

 あるいは、池袋の近くで食う寝る遊ぶ(裏) の、
『数学力が足りなくて読解力が低下しているのはマスコミ自身であったようです。
 このテストの全体の平均点と標準偏差から分かるのはどこの国も国内の学力差が大きくて大変なんだなーってことぐらいじゃないでしょうか。それより・・・・
 おいアメリカ、おまえGDP表の中で2位なのに数学の成績悪すぎだぞ!!
 とか
 メキシコ!おまえの数学力の低さはもう経済力のなさだけじゃ説明できないだろ!!!
 とか』 とか、

 全部読めていないので、もっと他にもあるかもしれない。







最終更新日  2005年01月13日 15時23分09秒
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