スクランド日記

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2005年05月27日
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カテゴリ:世界と政治

 しばらくネットを抜けて休んでいる間に、「人権とは何か」という本を見つけた。
 (第三文明社。藤田尚理、塩津徹、中山雅史、岡部史信、共著。1996)
 これと人権ネット21(文中にリンク)を合わせて読むと、人権を取り巻く人権屋の基本的な考えがわかると思う。

 (ちょっと、文を寝かす暇が無くて、たぶん乱文だが)


 簡単に言うと、

 自然に生まれた個人が、集団社会生活を営むために生じたいろいろな不都合があって、それが多数派によって作られる法律では保護されにくいものとしてある。
 しかし、本来自然に持つ権利は保護されるべきであり、いやむしろ発展すべきである。
 それを新しく、人権文化として「創造していく」ことが求められる。

 というわけだ。
 ここで、どういう方向に進みたがっているかというと、‘共同体のうっとうしさ・重苦しさを外れた個人の契約によって成立している社会’となる。
 ここでは国境は大した力をもたず、個人の人権を尊重するということによって平和運動が強力になり、とくにその平和運動についてはマイノリティーでのジェンダー解放が大きな意味を持つ、と。
 さらに、他人への同情が大切であり、本人の自覚の無さを教育する必要もあると。

 つまり、契約社会、非共同体、個人の自然感を大事にして、平和運動、ジェンダーフリーもその延長上に一体としてある。
 これは、日本を欧米の契約社会にして、その欧米の契約社会は、ジェンダーフリーによって多数派民族は人口が減少、平和運動の中で武装解除、・・・中国なんかが喜ぶ図式である。

 彼等は既成の生活としての文化は、嫌いのようだ。既成の考え方の視線そのものが嫌いのようだ。
 人のいいなり・借り物でものを見る視線は僕も嫌いだが、彼等はそれを「古さ」に従うもののように捉えて、既成のもの全体を未開なものと見やすいようだ。




 歴史観

 西洋の神という絶対秩序に対して、人文復興から自然権が唱えられ、これが人権とつながる。
 これは、本来の正しいもの、権‘理’とも訳されるものである。
 人々は社会を作る上で法律と政府を作るが、総てをその法律にゆだねるものではない。
 人々が真に合意するのは、時々の投票によって決まる具体的な法律や政府ではなく、憲法によると考えるべきである。
 人々を人権を集めて成立したものが憲法であり、憲法の実現の為に、法律と政府がある。

 つまり、 人権を求めるのは、法律や政府より上の行為なのである。(だそうだ、本によると。)

 そのために、
 人の尊厳というのは保護されるだけのものではない。
 人の尊厳は時代と共に変り、可能性は開かれ、それは次の可能性を開く。
 『自己の限りない可能性を展開させるために、 今後「あるべきもの」を訴えかけるものでもある。そこに人権の創造という道が開かれている。』
 人権は拡大するもので、社会を変えようとしていくことがまた人権である、となる。
 だから、人権は社会に参加することと同義であり、一生を人権の発展に付き合う――生涯教育は当然のことになる。


 人権フォーラム21から
 (「差別撤廃にむけたこれからの人権教育・啓発に関する施策の基本的方向について」1998年10月23日)

 日本などでは、昔からの古いものが重苦しく個人を制約する。
 明治以来、神道絶対主義があり、現在でも、 『地域、企業、イエなどの伝統的共同体の規制や「横並び」「世間体」などの規制意識が存続しており、個人の自由と自立を妨げる状態が、依然として一掃しきれてはいない。』
 というふうに、日本に以前からあるものは一律によくないものとして否定している。


 文化の消滅と自分捜し。


 そのように、文化をまっさらにしたために、個人は何もない真空状態に向き合わされ、自分捜しに追われる。
 『個人の自由を妨げる古いタイプの共同体規制等と葛藤しつつ、自己責任にもとづく自己決定によって自分の人生を選択する事が避けられない』
 『そして、新たな人と人、人と自然とのつながりという意味での新しい共同体創造をめざすという、歴史的社会的状態に置かれている。』
 で、すべての人が自分捜しの人生に向かうことを良きものとして肯定している。
 『 一人ひとりの生活者・学習者にとってみれば、・・・・「自分さがし」の旅である。』
 
 ここには、既成のものをいったん知ろうとする意識はまったくない。
 アジア的な儒教的な哲学にもいいものはあると認めつつも、それは何の見解にもつながらずに無視されて行く。
 むしろ、契約社会でないのを遅れた社会であるとしている傾向がある。
 人権学習は人生であり、迷うことはロマンであり、それが人生の目的であるようだ。

 すべての人にそれを求める人権フォーラム21の語る人権教育の目指すものは、共同体的な意識の破壊であり、再生ではない。むしろ不断の流動化だ。


 人権文化の「創造」

 前述のように、彼等は「創造」を目的としている。

 人権フォーラム21では、その補強として、国連の事務総長の言葉から、
 「それぞれの地域の枠を超えた国際的な人権の視点から、新しい文化を創造することが求められている」 と結論するが、
 実際には原文は 創造なんて語っていない。

『人権教育-生涯学習 外務省人権難民課
「人権教育のための国連10年(1995年~2004年)行動計画(仮訳)」
・・・・・・
2. これらの諸規定に従い、また「10年」の目的のために、人権教育とは、知識と技術の伝達及び態度の形成を通じ、人権という普遍的文化を 構築するために行う研修、普及及び広報努力と定義され、以下を目指す。』

 この文では、新しい種類の人権文化の創造でなく、‘もともとどこでも望ましいとされているのに実現していない人権という、普遍的文化を実現する’ことに読めるのだが、それがすり替わっている。


 教育観

 さらには、
 『「人権教育(人権学習)とは、……一人ひとりが、人と人、人と自然との関係を育て、自分を発見し、文化を創造する主体的行為を享受する営みであって、外から結論を強制されるべきものではない」という論旨を読み取ることができる。』
 ・・・・要するに、「どう育とうとも他人のおせっかいである」 ということ。

 また人権教育に絡んで、「学習権」 というのを、 「人権活動に参加すること自体が人権を学習する権利」 であり、「正しい結論を押し付けずに行動させろ」 と言ってるのである。(「参加体験型」)  
 これは、正しいことのわからない者の要求に、根気良く付き合ってやれ、ということにもなる。下手すれば「糾弾」の正当化である。

 生涯学習というが、何を学習するかというと、自分で模索することを学習するのであり、その方法は、社会の既成の生活文化への疑問をまず実行していくことが権利なのだということらしい。理解は後回しのようである。
 僕からすると、「周囲の人間は黙って逃げずに、ちゃんと教えてくれ」 と思うのだが、この連中は 「周囲の人間は黙って逃げて様子を見ていろ」 と言っているかのようだ。
 こういうのは、学ぼうとする・世界を作ろうとする本人にとってまったくありがたくない。

 人権において大事なのは、他人の痛みを感じる心だと言う者は多い。
 だがその心は、真実に向かう動機となるのではなくて、ただの結論の押し付けに向かうとしか見えない。
 「人権とは何か」という本はオウム事件の翌年に出されたが、宗教施設への立ち入りは、団体のもつ人権を侵害するから認められないと書いている。行方不明者と親族の痛みは想像外らしい。


 社会への活動

 すべての教育・分野で人権を教えよ。
 学習スタイルは、現場で、市民を主人公に、結論はあとでとにかくやってみてから人権を考えて行こう。
 教育を法制化して、予算をつける。
 教育センターの新設。
 人材養成、指導者制度の新設。
 市民活動やNPOのための資金の基金。
 アジア人権センターの設立。


 人権の具体的な広がり

 人権フォーラム21の代表者武者小路公秀氏などは、
・ チュチェ思想国際研究所理事をしていて、北朝鮮への批判を人権問題から対抗しようとする活動を提唱したり、
・ 国連大学が何かと慰安婦に関わり、国連関連団体の集会となると、すぐに「慰安婦」が出てくるのには、この人の影響力があるとか、
 反差別国際運動(IMADR) IMADR-JC理事長として、
・ 『「マイノリティ女性が世界を変える」しかし、「マジョリティ男性が世界を変えないようにする」ためのナショナリズムがある。』 
・ 『「反人種主義・差別撤廃世界会議」では、ジェンダーと人種差別の問題をつなげようとしている。』
 とか語ったり、
 なんでもいっしょにしてしまおうということらしい。

 さらには
・ 「広範な国民連合」という団体の代表をしていて、『日米安保条約を清算し』『戦争責任を誠実にはたす。』『日本は米軍基地をなくし、自衛隊を海外に派兵せず、率先して軍備を縮小し、』 という方針を出している。
 まるで、中国・北朝鮮のための活動家と思える。あっちのナショナリズムには何も言わないのではないだろうか。
 
 つまり何でもかんでもいっしょにしてしまおうという連中が、「人権」の周辺にはうよめいているわけだ。

 部落問題を別にしても・・というより、部落解放団体がこういうものへと商売替えをしようとしていることも含めて、だな。



 

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最終更新日  2005年05月27日 23時17分17秒
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