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テーマ:本日の1冊(3707)
カテゴリ:中国
![]() 司馬遷の『史記』の中の、それ程ボリュームが有る訳じゃない荊軻による始皇帝暗殺未遂の物語を、筆者(竹川弘太郎)の想像力・創造力を縦横無尽に駆使して小説に仕立て上げた作品。 たぶん、史実に拘泥せず自由奔放に書き上げたモノ。 何度も登場する、田光先生・荊軻・高漸離の歌う詩「柏舟」(はくしゅう)が印象的。 「寄るべない私のように 柏(ひのき)の舟は 今日もまた 星の光を浴びながら さまよい流れているのだろう ああ 痛ましい思いばかりが胸に湧き 私は今夜も 寝つかれぬ 心の愁いを消すために 酒におぼれて眠ろうか」 (『詩経』) 荊軻が、始皇帝を暗殺するために出発する前、易水のほとりで歌った詩 「風蕭々として 易水寒し 壮士一度去って 復た還らず」 は、余りにも有名(?)。 田光先生・荊軻・高漸離の三人が酒席で歌い、 田光先生亡き後荊軻と高漸離の二人が歌う、 田光先生と荊軻亡き後残された高漸離が一人で歌う「柏舟」。 説明不要、何をかいわんやの世界。(?) かく言う私、お酒飲めないし、夜もよく眠れるんですけど! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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