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四十路の旅路

Dec 24, 2005
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恋人と過ごすクリスマス。
そんな事から久しいなあ。
今年も仕事、去年も一昨年も仕事。
その前は違ったけど、ずっと仕事している。
去年はタイ料理屋で、「クリスマスにタイ料理はねえなあ。」って言ってた。
一昨年はは今と変わらず13時間くらい働いてたなあ。
ワインバーで仕込みをして、姉妹店のクリスマスディナーを手伝い、
またワインバーに戻って営業してた。
私がレストランに出向いてサービスしてた時、
ワインバーは料理人不在で、留守を預かったバイトの子が、
お客さんに泣かされてたって事があったっけ。

元々特別な思い入れがないし、
仕事が忙しいから、クリスマスは嫌いだった。
何を浮かれてやがんだ、くらい思ってた。
でも見直すと良いもんだね。
恋人同士に限らず、贈り物をする習慣と言うのは良いものだ。

今、一緒に働いている黒人とのハーフのおっさんが言ってた。
彼はJUNと言う。

「JUNさん、お子さんにプレゼント渡したんですか?」

「お兄ちゃんに妹の分も買うように言っといたよ。
夜中に枕元に置いてやれって。」

「あれ?まだ娘さん、そんなに小さかったですか?」

「いや、小学校3年だけど。」

「まだサンタを?」

「せめて10歳くらいまでは、夢、見させたいだろ。
何でもかんでもリアルに伝えりゃあ良いってもんじゃないよ。」

「そうですね。育めるものは育んだ方がイイ。」

「こっちは苦労してんだぞ。
10歳くらいになると分かっちゃうから。
だから俺、嘘吐いたりすんだよ。」

「どんな?」

「自分にもプレゼント用意すんだよ。
『お父さんももらったよ』って。」

「いいなあ、それ。」

「涙ぐましいだろ?」

「そりゃあもう。素敵です。」


私は、人々の晩餐の景色を駆け回るサービスマンだ。
今日何か不出来で、苦情に継ぐ苦情。
料理がスムーズに提供できず、
指名されたワインはなく、シャンパンもなく、
ガサツなサービスで怒られっぱなし。
年に一度も彩れない情けないサービスマンだ。
これじゃあ愛を囁く方も調子が狂う。
人によっては火がついたように怒り、
意見書を叩き付ける始末。
ああ、なんてこった。これじゃあ景色どころか主役のお株も奪う。

いずれにしても、ズタボロになって何とか凌いだ。
今年のここでの仕事は終わった。
明日から帰る。

焦がれる人には、とうとう直にプレゼントを渡せなかった。
私はアホだから、彼女のシフトを踏まえず、
今日が休みとは知らなんだ。
もう三日も前から鞄に詰めて、今日渡そう、今日渡そうと思いつつ、
家に持ち帰っていた。
まさか休みとは。
相談役の提案により、そのプレゼントをその人のロッカーに届けてもらった。
彼女がそれを紐解く時がいつになるのか、私は知らない。
彼女がそれと見た時、私は郷里に帰っている。
次に会うのはもう来年。
今年のお礼も言えなかった。
何だかなあ。

私は意味不明に心が温まる。
独りには変わらないが、こうして誰かを思う事は良い事なのだろうと思う。
JUNが見えざるサンタを買って出たように、
世界中には今、サンタが溢れ返っている事だろう。
加護を賜る子と、見えざるサンタ達と、
私の家族と友人、そして私を知る人達。
絶えざる習慣は様々な色を滲ませながら、
華やかに暮れの相を輝かせる。
ツリーがそうであるように、この地上も今瞬いているのだろうなあ。
今、初めて思うような気持ちで、
メリークリスマス。

東京で過ごす、今年最後の夜より。






Last updated  Dec 25, 2005 01:35:32 AM
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さとう4632

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