2005/08/07(日)21:44
北海道食い倒れの旅 ~ 美瑛の牧草ロール
昔、北海道の風景の壁紙を探している時に、バームロールの用に巻かれた茶色のものが、畑にたくさん転がっているのを見ました。
その他に、畑に茶色の固まりが、青いビニールシートを頭に載せられているものも見ました。
これは一体何だろう?と思っていたのですが、美瑛でそれを見ることができました。
畑に茶色の固まりが転がっていますね。
これは「ロールベール」と言う物だそうで、一般的には「牧草ロール」と呼ばれています。
牧草ロールは、イネ科、マメ科の牧草を刈って乾燥させたものを、専用の機械を用いて圧延して巻いたもので、直径1.5m、重さ350kgとかなり大型です。
牧草ロールに黒、白、青、ストライプ模様のビニールを巻いたものがあり、これは「ロールベールサイレージ」と言います。
牧草をビニールの中で嫌気発酵させることにより、おいしい牛の飼料にします。
牧場の側に背の高い建物があることがありますが、サイロと呼ばれる建物で、この中に大量の牧草を入れて、嫌気発酵させます。ロールベールサイレージは「ラップサイロ」、いわばミニサイロでもあります。
サイロは建設費が高く、発酵中に酸素が消費されるため、中に入ると酸素不足で危険なことがあるそうです。ラップサイロは安くて安全なので、サイロの代わりに普及したのだとか。
なので、ビニールで巻いてある牧草ロールには、絶対に触ってはいけません。
牧草ロールは年に2回作るそうです。
1回目が6月下旬~7月上旬、その2ヶ月後に2回目を作ります。
牧草ロールが出来上がると、酪農家が買い取って行きます。
牧草ロールの他に、麦わらで作る「麦旱(ばっかん)ロール」というものがあります。
これは食用ではなく、牛の寝床に使う敷きわらになります。
7月下旬~8月下旬に作られます。
牧草ロールの作り方は、全て機械化されていて、あっという間に出来上がるのだそうです。
・牧草をディスクモア付きトラクターで刈り取り、時々かき混ぜて乾燥させます。
・乾燥後(刈り取り後1~2日後)に、レーキ付きトラクターで牧草を細い畝状に並べます。
・ロールベーラー付きトラクターで牧草の上を走ると、草を集めてロール状にして、形になったところで車が止まり、牧草ロールをごろんと生み出す(^^)
黒いビニールで巻かれているものは発酵温度を上げるため、白いビニールで巻かれたものは発酵温度を下げるためなのだそうです。
緑色は景観に合わせるため、ストライプはラップを何回巻いたかを確認するためだとか。
茶色の固まりの上に、青いビニールシートをかぶせているものは、「ニオ」と呼ばれます。
収穫前の大豆を積み上げて乾燥させているもので、10月中旬~下旬に刈り取られます。
これも一度見てみたいなぁ。