海への誘い(うみへのいざない)

2019/09/05(木)21:25

そして…【写真】

心(52)

偶然出会った天狗さん達に鬼を追い出してもらった。 『滝行』 滝行は物凄い体験だった。 夏なのに凍てつくような水流である。 すぐに頭も体も全身が痺れた。 体の芯を叩かれているような物凄い水圧である。 立っているのもやっとである。 そのフラつきは体の問題なのか心の問題なのか。 天狗さんの一言一言が身に沁みた。 「感謝の心がない人」 日頃から感謝はしているつもりだが心から感謝しているだろうか。 感謝の気持ちをしっかり伝えられているだろうか。 改めて考えると形だけの感謝かも知れない。 反省…。 「悪口ばかり言っている人」 人前ではあまり言わない方だが自分で飲み込んでいるなぁ。 あるのはある。 反省…。 「物事を恨んでばかりいる人」 何かあった時に周りのせいにしてしまうことが多い。 反省…。 「怒ってばかりいる人」 顔に出てしまうなぁ。 反省…。 「嘘をつく人」 嗚呼、小さな嘘から大きな嘘まで…。 多かれ少なかれ嘘はついてしまう。 良かれと思ってつく嘘も必然的な嘘もあるけれど。 それも言い訳か。 反省…。 そして、極めつけは、 「最悪なのはその反省がないこと」 反省しているつもりでも行動に変化がない。 即ち心から反省していないのではないか。 自分では反省しているつもりなのだが…。 思いは逡巡するが、あまりの水圧と水温と水流で、 頭も体も痺れ、その内に思考することさえできなくなった。 やがて「無」になった。 一筋の光が射したかと思ったら突然の雨である。 そして、何事も無かったような青空が広がった。 鬼は追い出せたのだろうか。

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