2020/05/18(月)20:00
感覚…【水中写真】
京丹後で海中洞窟の調査をしたことがあった。
前人未踏の地への冒険である。
もちろん水中撮影に入るのも初めてだった。
どのくらいの大きさなのか、どのくらいの距離なのか。
通り抜けできるらしいという話は聞いていた。
真っ暗な中、所々狭い通路もあった。
人一人がやっと通り抜けできるような狭い岩間である。
いつになったら出口の光が見えるのか。
本当に通り抜けられるのか。
洞窟は一本なのか。
穴が何本かあって迷ってしまわないのか。
光の無い暗闇の中での時間はとてつもなく長く長く感じた。
終わりの見えない時間…。
入口から出口までとてもとても長く感じた。
結果、距離は約200mの洞窟だと言うことがわかった。
浜近くの浅い崖下に通り抜けられることがわかった。
そして、帰りの道のりはとても早く短く感じた。
何度か行き来する内に、時間も距離も短く感じるようになった。
出口がわかっているだけで、こんなにも感じ方が違うのか。
人間の感覚と言うのはおもしろい。
コロナで緊急事態宣言が出て、
外出自粛になってから過ごしている時間の感覚がおかしい。
あの時、洞窟を探検した時の感覚に似ている。
後でふりかえった時に、今この時の感覚をどう感じるのだろうか。