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 エデンの南

快適だったホームステイ

1997年11月10日(月)

 ホストファミリーでの生活が始まった。ファミリーに関しては文句のつけようがない。本当にラッキーだった。アウロラさんは、とても親切で、よく気がきく、そしてきれい好きな人である。前日の夜、私の衣類を洗濯してくれたのだが、それをベッドの上に、きちんとアイロンまでかけてたたんで置いてあった。
 学校から帰って、まず驚いたのは、ここを見に来た時に車で連れて来てくれた先生がいた事だ。実はこの先生、アウロラさんの娘だったのである。ここの鍵まで持っていたのでおかしいとは思っていたのだが、そういう訳だったのだ。普通は、ステイ先には、一人で行かされるらしい。
 彼女はアマリアさんといって、マラカ・インスティトゥートの先生をしているのだが、今は妊娠中の為、休んでいる、との事だ。アマリア先生には、先生そっくりのアナという娘がいるので、おなかの赤ちゃんは二人目である。お昼はいつも、ここに来て食べているようだ。
 昼食は、ここではだいたい二時十五分~三十分頃に始まる。他のステイ先では三時というのが多い。日本ではおやつの時間である。
 アウロラさんの料理の腕は一流である。アマリア先生も、
「ママの料理はレストランよりおいしいでしょ?」
と言っていたが、その通りである。
 アウロラさんは、手先が器用で、よく編み物をしていた。生れてくるアマリア先生の子供のセーターや帽子などを編んでいるのである。センスも良く、すっごく可愛かった。
 初めてのホームステイなので少し緊張はするが、先生までいるおかげで、スペイン語の勉強になるし、寮での生活よりずっと良さそうである。

アウロラ宅からの景色

ステイ先からの景色

これがアウロラさん宅から見える景色。毎日この景色を見ながらのお食事でした♪


 この日は二度目のギターレッスン日だった。少し遅れそうだったので、急いで行ったのだが、先生はまだ来ていなかった。私は宿題を持って来ていたので、宿題をやりながら、待つことにした。というのは、この日、八時から、モロッコツアーの説明があるので、開いた時間に宿題をやろうと思い、持って来たのだった。少しすると、事務のレオーニさんが来て、「先生は十分か十五分ぐらい遅れるそうだ。」と言った。私はOKと言い、宿題を続けた。しばらくして、今度はシルビアさんが来た。先生はバイクのトラブルがあったらしく、レッスンの時間を七時か八時にしてほしいと言うのだ。八時からはモロッコツアーの説明があるし、この教室でも八時からはフラメンコレッスンがあるので、七時からでないとムリである。結局この日は七時からのレッスンになった。勘弁してほしい。
 先生が現れたのは、七時を七分ぐらい過ぎてからだった。やはり自分のギターは持って来ていない。八時には、この教室でフラメンコレッスンが始まったので、ギターレッスンを終了しなければならなかった。さんざん待たされたあげく、先生が遅刻してきたせいでレッスン時間も減ってしまったのに、きっちり千五百ペセタとられたので、頭にきた。
 モロッコツアーの説明は、わりと早く終わったので、みちこさんに誘われ、フラメンコレッスンに顔を出した。私の苦手な人達は、すでに自国に帰っていた。新しい人達がたくさん入ったので、前にでたときとはうって変わって大勢の人達がいた。年配の方も多いせいか、けっこういい雰囲気だ。こんな感じなら楽しくできる。
 ステイ先に戻ると、アウロラさんの孫のフェルナンドが遊びに来ていたので、トランプなどをして遊んだ。昔よくやった、日本では『スピード』というやつだ。フェルナンドは負けるとすごくくやしがり、二枚いっぺんに出したり、ずるばかりしている。それがまた可愛い。
 フェルナンドはよく遊びに来た。近くに住んでいるらしく、だいたい十時頃来て、十一時頃には迎えが来て帰る、という感じだった。週末はここに泊まるらしい。


1997年11月11日(火)

 昼食の時に、アマリア先生が、「ギターレッスンはどうか?」と聞いてきた。彼女は「今日の授業はどうだった?」などと、よく質問してくる。私は、
「先生があまり良くないと思う。時間にはすごく遅れて来るし、自分のギターを持ってこないし、セビリヤで、すごいギタリスト達を見て来たので、それにくらべたら、ぜんぜんうまいとも思えない。」
などと言うと、アマリア先生は、
「そんな先生だったら、アディオース! だ。」
と言ったので笑ってしまった。しかし、確かにそれは正解かもしれない。あの先生にこれ以上教わってもたいして利益はないかもしれない。やり方はだいたいわかったのだから、あとは自分で譜面を見ながら練習すればいいわけだ。それに、寮にいる間はまだ良かったが、ここから通うのは面倒である。そんなわけで、ギターレッスンはやめる事にした。
 本当は初めから曲をやるのではなく、リズムなどをきちんと教わりたかった。

 夕方、近所に買い物に出た。エル・パロ地区にはお店がたくさんあり、店員がセントロよりもずっと感じが良い。気に入ったズボンを見つけたので買った。コーデュロイぽい生地で、伸びるようにできているので履いていてラクだ。すそを直してもらうので、木曜日に取りに行く事になった。この店では、おじさんと、若い男の人が店員をやっていたのだが、二人とも、とても感じが良かった。


1997年11月12日(水)

 昼食にパエリアが出た。本当にレストランよりおいしい。味つけがちょうど良い。
 食事のあとは、椅子を片づけて軽く掃除をし、テーブルクロスを換えてその上に鉢を置く、というのが私の役目だ。それが終わると、アウロラさんが写真をたくさん見せてくれた。以前にここにホームステイした人達のものや、フェルナンドとフェルナンドのお父さん (アウロラさんの息子) の旅行の写真などだ。私の前にも日本人がホームステイした事があるらしい。チズコさんという人と、ヒトミさんという人だそうだ。アウロラさんも、フェルナンドも、日本人が好きなようだ。フェルナンドは、日本のアニメ、ドラゴンボールの絵を描いて、「知ってるか?」などと言っていた。空手もやっている。時々、空手着を着たまま遊びに来るのだが、帯の色が赤と緑というのがスペインらしい。

 夕方は海岸を散歩したり、買い物をしたりして過ごした。アウロラさん宅のすぐ近くにスーパーマーケットがあるので便利だ。そこでスペインの有名なシェリー酒、ティオ・ペペを買ってみた。日本で買うとけっこうするらしいが、ここでは確か、七百ペセタぐらいで買えたと思う。帰って飲んでみると、すごくキツかった。なんかウイスキーぽくて、『オヤジの味』という感じがした。


1997年11月13日(木)

 朝、天気が良いので、カメラを持って家を出た。朝日の写真を撮っていると、知らないおじさんが入ってきたのはおもしろかった。
「オレはこの辺に住んでいるから、写真をくれよ。」
と言っていた。

海岸のオッサン



 この日はテストだった。本当は七日の金曜日に授業を終えて、十日の月曜日にテストをやって、新しいレベルになるはずだったのだが、私のクラスは授業が遅れていたので、今日にずれこんだのだった。私が思うに、遅れた原因は、ピエールがしょっ中わけのわからない質問をしたせいだと思う。だが、そのピエールも、金曜を最後に帰ってしまった。
 それにしても、一日中テストだとは思わなかった。筆記試験、聞き取りと、しゃべるテストで一日中かかった。筆記試験はとにかく単語がわからないので、さんざんだった。ところが意外にも、しゃべるテストで褒められた。一つのテーマについて話をし、先生の質問に答える、というものだ。ホームステイをしているおかげで、知らないうちに実力がついているのかもしれない。

 夕方はズボンを取りに行き、また海岸を散歩した。


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