エデンの南

2005/06/05(日)16:03

夢野久作『ドグラ・マグラ』

読書(955)

夏休み読書週間手抜き集!!(笑) 過去に別の所にアップした感想文です。 昔書いたものっつーのは、今読むと結構恥ずかしいもんですね。そう思えるとゆー事は、成長している証拠なのでいい事でもあるのだけど。 読んだばかりの時に書いたものだし、そのまんまアップしますね。↓↓↓ 奇妙キテレツなこの小説、妾はタッタ今読み終えました。と言うのは虚構で、ホントは21日に読み終え、すぐにでも感想を書きたかったんですが、忙しかったんです。 ドグラ・マグラを読んでスッカリ夢野久作に興味を持ってしまった妾は、他の作品も読んでみようか知らん………と思い、今は「少女地獄」を読んでいる所です。 インパクトのある小説の出だしと言えば、カフカの「変身」、カミュの「異邦人」が直に思い浮かぶ妾ですが、「ドグラマグラ」も負けてはいないのではないか知らん。 この出だしから、もうナニヤラ妖しい空間に入り込んでしまうのです。 それに両博士のキャラのおもしろい事と言ったら。 妾は講談社文庫で読んだのですが、中島河太郎の解説によれば、あの乱歩が 「夢野君は人物としても、作品の上でも、--(中略)-- どこか人を小馬鹿にしたような、実力の程の計り知られないような、妙な魅力を持っていた。」 と言っていたそうですが、まさにこの作品はその通り。読者をおちょくっちゃってる訳なんです。そこが妾にとっては心地いいんです。読者にコビ売るような作家はただの商売人で芸術家には絶対属さないし、妾はそういうの嫌いです。 若林博士の丁寧すぎる応対やそのセリフから爆笑できますし、正木博士の人のおちょくり方と言ッタラもう凄すぎます。 中巻はおバカな妾にはトテモすらすらと読める代物ではなかったんですが、漢文みたいな古文みたいなトテモトテモ読み易いとは言えない物が長々と出てくる事も、まさにフザケテいるのではないか知らん……… 中島河太郎は「探偵小説と言うよりも思想小説」と形容していたこの小説、思想小説と言ってしまうのも誤解があるのではないだろうかと妾などは思うのです。 ソンナ1つのジャンルにはおさまりきらない、いろんな要素が含まれているのです。 思想はその中のタッタ1つの要素として入っていると思います。 怪奇小説にも当てはまるとも思いますが、妖怪やら怪物みたようなのが出てくる訳ではありません。いちばんコワイのはやはりニンゲン………… 大昔の祖先の話が現代に繋がっている所などは、ロマンティシズム的要素もあると言えるかも知れません。時間の巡りと言うか、トテモ、ステキに不思議な次元を超えた、みたような要素もあると妾は思います。 それに大変化学的でもあるんです。 養老孟司の「唯脳論」は、ドグラ・マグラに出てくる「脳髄論」が基礎になっているのではないかしらん………と妾は読んでて思いました。養老さんもドグラ・マグラの事をチラッと言及していた記憶があります。 ………と日本の作家には疎い妾ですが、コンナにスゴイ作家がいたのを気付かされました。何故モット早く読まなかったのかしらん。とてもマネの出来る代物ではないものの、スッカリ、コンナ風に影響されてしまいました。 去年はセリーヌ作品との衝撃的な出会いがあった妾ですが、今年の一番は夢野久作かも知れません。 アアーア、もーう、とにかくビックリシマシタヨオオォォォォ。スカラカチャカポコチャカポコチャカポコ。 (おそまつでした)   さあ、あなたも上の2冊を早速購入し、脳髄ドグラ・マグラ化しませんか? このうだるような暑さでどろどろの脳髄にはピッタシ! 間違いないっ! こちらは映像です。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る