エデンの南

2005/12/28(水)20:51

加賀乙彦『フランドルの冬』その5

読書(955)

『宣告』の感想に書いた事の繰り返しになりますが、加賀乙彦とは、実に希有な作家です。 精神科医であり、死刑囚とも接してきた人が、若い頃からドストエフスキーに傾倒し、こんなにも文章力に恵まれているなんて、本当に貴重な作家だと思います。 そして、加賀氏は、それぞれの側に立っての、それぞれの感情、気持ちを、驚くほど組みとれる能力があるのではないか、と思います。 加賀氏の文章が読める事に、幸運を感じます。 松原新一の「解説」からの引用で、終わります。 人生のあるひとつの断面を描くことによって全体を象徴するというのが、わが国の短編小説における伝統的な骨法にほかならぬが、加賀氏の文学はそういう伝統的なスタイルとは判然と区別される異質の作風をもっている。加賀氏はむしろ、ある特徴的な事件を中心に設定して、その出来事にかかわる複数の人間の多様な群像を描こうとしているのである。ひとつの事件があるとして、それへのかかわりかたは、ひとそれぞれの性格や思想や社会的立場その他さまざまの条件によって決して単一なものではありえず、多様なかかわりかたが生起しているはずである。加賀氏が人間群像を浮彫りにしようとするのも、そこにもとづく必然的な方法であろうし、作品がおのずから長編小説の構造を与えられねばならぬのも、また文学的必然なのだ、というべきであろう。その意味で加賀乙彦氏もまた、「全体」をめざす作家の典型的な一人にほかならない。 今日は仕事納めで、会社で飲んできました。エビスビールです。(私が入った頃は発砲酒で、ケチな会社だのう、と思ってたら…去年から何故かエビスビールになったですよ。) なんか最近フツーに酔うな~な今日この頃。エビスビールごときに、ほんの1時間ちょいぐらいに、少し酔ってる感じだすよ ! 年のせいかなあ。いやだなあ。 ほんの数年前には、私の酔っぱらう姿が見てみたいとゆーてた友達と3人で飲みに行き、全部奢らせて、ビール、ワイン、シェリー酒、ロングアイランドアイスティーとがんがん飲んで全く変らん姿を見てガッカリされたものだったが。 ・・・酔ってると言っても、帰りの電車では読書してた私に愛の1クリックを~~~ ! どうにか無事に年内にサドを読み終えてえがったよ~。いくら私でもサドで年越しって、ちと嫌じゃん。(笑) 来年の読書日記は「愛の話」ではじめますよん♥ それにしてももう年末なんて、はやすぎで嫌だなあ。もうちょっと待ってよ~。今年の仕事終わって、やけに疲れた感じ。今年はいろいろあったし、最後には社内引っ越しもあったもんね。ふう。 宣告(上巻) 宣告(中巻) 宣告(下巻) 死刑囚の記録 加賀乙彦 ドストエフスキイ 今日まで~ さよなら2005年 ぜ~んぶ2005円特集 12/28まで 文庫本一冊でも送料無料です。 楽天ブックスオープン5周年記念 日本全国送料無料キャンペーン ! 2006年1月31日まで ゴダールファン必見 ! ! 期間限定生産の、ゴダールのちょーーお買い得な4枚組DVD-BOXですぜ。   ◇◆人気blogランキングへ◆◇

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