エデンの南

2006/08/16(水)23:20

『阿部定伝説』その3

読書(955)

随分間があいてしまったので、とりあえずとっととコレをUPしときます~ 阿部定はもうええわいって方、コレと日活ロマンポルノの映画ネタUPしたら終わりですので。(^^;) コレとコレのつづきです~ 「編者あとがき」で、前回書いた『阿部定手記』について、こう書かれています。  一九四八年の『阿部定手記』は、架空のインタビューをでっちあげた『お定色ざんげ』のウソを正す形で定本人が書き下ろしたものだが、これもまた一篇の創作と化している。吉蔵との精神的な愛を強調しようとして、かつて調書で述べた事実をも一部ねじまげて「美しすぎる」虚構のいかがわしさに落ち込んでしまっている。 「何と云う二人にとつて呪われた日でございましたでしよう……この日あの人の家にいかなかつたならば、あゝあの日さえ此世になかつたならば……」といった詠嘆調や、 「夜の星空を見上げて居る私の心は、まるでお月様のような心の晴々しさで御座いました」などのメルヘン趣味にぬりたくられ、読むほうが気恥ずかしくなってくるものだった。 なかなか手厳しいですが、そんな感じでした。(^^;) 阿部定ブームというのは、10数年おきに訪れているようです。 阿部定は、私の今のブームでありますが、そうすると、あと数年ぐらいに、どわっとブームが来るのでしょうか。 この本の「編者あとがき」の所に、発表年順に阿部定モノの創作が並べてあり、これは貴重だと思って、頑張って入力しました。        '46 織田作之助「世相」→八雲書店『世相』 ('46年刊) 所収→以後、多数の作品集に収録  '47 織田作之助「妖婦」→風雲社『妖婦』('47年刊) 所収     木村一郎『昭和好色一代女 お定色ざんげ』石神書店刊     冬木健『愛慾に泣きぬれる女--あべさだの辿った半生--』国際書房刊     鱒橋正一『阿部定行状記』紅書房刊     長田幹彦『戯曲 阿部お定』      '48 阿部定『阿部定手記--愛の半生--』新橋書房刊  '50 村松梢風『娼婦昇天--阿部お定の一生--』比良書房刊        '65 藤本義一「肉の砂漠」→昭文社出版部『老掏摸・平平平平 (ひらだいらへっぺい)』('72年刊)  '67 宇能鴻一郎「聖淫婦」→講談社『逸楽』('68年刊) 所収  '69 石井輝男「映画 猟奇女犯罪史」(阿部定本人もゲスト出演)  '70 宇能鴻一郎「わが初恋の阿部お定」→徳間書店『切腹願望』('70年刊) 所収  '71 戸川昌子「淫女の真実」→講談社『冷えた炎の如く』('71年刊) 所収     関根弘『詩集 阿部定』土曜美術社刊  '73 宇能鴻一郎「ことの前」→青樹社『合宿同棲』('73年刊) 所収  '75 田中登「映画 実録阿部定」  '76 大島渚「映画 愛のコリーダ」     佐藤信『戯曲 阿部定の犬--喜劇昭和の世界1--』晶文社刊        '92 森真佐子「鬼灯」→実業之日本社『妖恋花--幻想押花帖--』('94年刊) 所収  '95 大下英治「阿部定」→徳間文庫『悪女伝』('97年刊) 所収  '96 失楽園(上)渡辺淳一「失楽園~冬滝の章」→

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