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October 13, 2020
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テーマ:読書(8206)
カテゴリ:読書
ナグ・ハマディ文書の次はユダの福音書を読もうと決めていました。
ナグ・ハマディ文書の翻訳本があまりに読みにくかったんで、迷いつつエレーヌ・ペイゲルス&カレン・L・キングのコレを読むことに。

いやもう、驚きの連続でした。
新約聖書では最大の裏切り者で悪人であるユダですが、事実は全く逆です。
12使徒の中で唯一ユダだけがイエスの正体をわかっていて、役割を担ったんです。
「ユダの裏切り」はイエスの計画の実行でした。
12使徒の方が裏切り者でした。
イエスの魂は永遠に生き続ける天上界のアイオーンで、本当の神は混沌の創造主であるヤハウェ(ここではサクラス、他デミーウルゴス、ヤルダバオートが同一です) ではありません。
以下引用です。ちと読みにくいですが😅
強調したい部分を太字にします。

『ユダ福音書』によれば、根本的問題は、「十二人」───ここでは、教会の指導者としての役割を担っている者───は、イエスが何者であるかを知りもしなければ、神が何者であるかさえ理解していないのである。彼らは、神は、もっぱら苦難と犠牲を要求していると思いこんでしまっている。しかし、『ユダの福音書』の著者───および初期の教会内部の者たちもまた───は、次のような問いの前に立っていた。そのような教えについて、神はどう考えるかと。その場合は、神は、山羊や牡牛の喉を切る者なのか、あるいは、最悪の場合───人身供犠───という凄まじい流血なしには、どうしても人間の罪をゆるすことができない存在なのか。ユダヤ教聖典でアブラハムの神が最後に拒んだとされている犠牲───小児犠牲、たとえ自分の息子であっても───を要求するそのような神をキリスト教徒は礼拝しなければならないのか。いかなる神であるゆえに、その信奉者たちを受け入れる前に、神は苦しみもだえながら死んでいくことを人間に要求するのであろうか。───自分自身の息子ならなおさら。
━━━中略━━━
『ユダ福音書』をはじめ新発見の文書が示しているのは、かくも偏狭で、かくも怒り狂う神───残虐でさえある神を礼拝するのは途方もない間違いであると主張するキリスト教徒が一部に存在していたことである。


イエスは、サクラスを崇拝し犠牲を捧げる使徒を嘲笑っていました。
そして、そのような者たちは霊も魂も滅びると。
ナグ・ハマディ文書でも使徒たちの怒りっぽさ嫉妬深さが気になった点があったんです。
マグダラのマリアがそれで悲しんでいる場面もありました。
何故自分たちよりもマリアを愛するのか? と問い詰める弟子たち。
この点を見ても『ユダの福音書』まで読まなければ、わからない部分が多いのだと思いました。

とは言え、そもそもイエスが選んだはずの12使徒のユダ以外が、何故揃って愚かなのか謎だったり、ユダを入れて12人のはずが「12人から離れなさい」ってユダ抜かしたら11人ではないの? と思うんですが、「12」という数字が絶対で、矛盾してても常に「12人」と言わなければならないみたいな感じなんですね。
あまり気にせずに読んだ方が良いのでしょうか。

しかし今までのイエスの印象と違い『ユダ福音書』のイエスは好感が持てたし、生贄の犠牲に関しては正しい事を言っていました。
動物や人間、妻や子供でさえも生贄にする血の儀式を神が好む事には、キリスト教徒だけでなくユダヤ人さえも非難抵抗していた者が少なくなかったと書かれています。
以下引用です。

『ユダ福音書』では、犠牲を要求し、しきりに殉教を勧告しているのはほかならぬ祭司たちであるが、その背景には、最高の政治的権力者がひかえている。そして殉教者の数が多ければ多いほど、教会の名声は高められ、おそらく祭司達の位階は上昇し、権力者の究極の勝利が現実に約束されるものとなる。そして約束するのは神なのである。

なるほど。そういう事なんですね。
殉教や動物・人身供犠に怒り弟子たちを嘲笑うイエス。血みどろの生贄にあふれた神殿の批判。
キリスト教ユダヤ教の信者が皆聖書を読んでいるのか疑問なんですが、この聖書の神がどういう者かを『ユダ福音書』は明確にしています。
この本は広く読まれるべきだと思います。

実際に行われてきた人身供犠の儀式について、以下のサイトに詳しく出ています。
血の中傷
反ユダヤ主義

Twitterでつぶやきながら読んでいたので、さらに詳しくはTwitterのスレッドを是非ご覧くださいませ。

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Last updated  November 6, 2020 02:04:03 PM
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