コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE23STAGE23 せめて哀しみとともに「私、ユーフェミア・リ・ブリタニアの名の下に命じさせて頂きます。日本人を名乗る人々は全て殺して下さい。一人足りとも残してはなりません」 「ユーフェミアは我々を裏切った。全軍、式典会場に突入せよ。ブリタニアを粉砕するんだ!!」 「ユーフェミアめ、騙まし討ちをするなんて!!」 「そうか、やはりそれが本音か」 「どこだ!?ユフィはどこに!?止めろ、今、お前達に構ってる時間はないんだ」 地上から攻撃を受けるランスロット。 「許せない、皆の気持ちを踏みにじって……ユーフェミア!!」 逃げる日本人に攻撃するナイトメアに攻撃する紅蓮弐式。 「止めろ!!」 「日本人ですか?無礼でしょ。私はユーフェミア・リ・ブリタニアですよ?」 「!?…そうか、ここにいたのかお人形の皇女様」 「あら、あなたあの島にいた…」 「あぁ、皆の敵、ここで!!」 「待て、彼女は私が殺る」 「日本人のくせに!!」 『どうしますか、ゼロ。捕虜に?』 「無駄だよ、もう…」 「虐殺です。日本人は全て皆殺しです」 マシンガンを撃ち放つユーフェミアでしたが、弾切れになってしまう。 「どうして?…早く、早く。えーと、確か…!!あら、日本人かと思っちゃった。ねぇ、考えたんだけど、一緒に行政特区日本の宣言を…あれ?日本??」 「あぁ、出来ればそうしたかったよ。君とともに」 「あっ!!…ユフィ」 ユーフェミアを撃つルルーシュ。 「え!?」 《!?…どうして…ルルーシュ》 《さようなら、ユフィ。たぶん…初恋だった》 「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「スザク!?」 「こんな時に!!」 「くっ…波動砲は受け止めきれない」 「ルルーシュを殺させるわけには!!」 「スザク!!」 「邪魔をするなぁぁぁぁ!!」 ランスロットはユーフェミアを片手に乗せたまま、紅蓮弐式に攻撃し、飛び去っていく。 そして、血だらけのユーフェミアを助けて下さいとロイドとセシルに言う。 「ダールトンとはまだ連絡が付かないのか!?」 『はい。負傷されたとの報告ですが、その先は…』 「コーネリア総督、アヴァロンより緊急入電です」 「アヴァロンから!?」 「はい。黒の騎士団によって、富士の行政特区が落とされたと」 「何!?」 「黒の騎士団は迎撃体制を整えています。それと…ユーフェミア様が…」 「何が平等だ!!行政特区だ!!よくも俺達を騙まし討ちにしたな。もう許さねぇ…ぜってぇに許さねぇからな!!」 「良かったじゃない。この式典開場にムービーや機材が残ってて」 「あぁ。編集後ネットに上げて全世界に見せ付けてやる。どちらが正義なのかを解りやすく」 「あんたってさぁ~、本当ブリタニアへの忠誠心がないわね」 「忠誠?」 「うん~」 「ブリタニアは完成した素材だ。そんなモノに尽くして何になる」 「うはは、思ってたより素直な人間ねぇ~」 「君こそこれからどうする?」 「さぁね。データが欲しかっただけなんだけど、あんたら見捨てるのも気持ち悪いし、ゼロは面白い男だしねぇ~」 「やっとお会いできましたね」 《この女は確か、スザクの親戚の…》 神楽耶、桐原などが黒の騎士団に会いに来た。 「ゼロよ、これからわしらの元で…」 「逆だ!!こうなった以上、キョウトの方々は指揮下に入って頂く。反論は許さない。他にお前達が生き残れる道はなくなった!!」 ユーフェミアはコーネリアが政庁に帰り着くまで持ちそうになかった。 「スザク…」 「…ユフィ、教えて欲しい。君はどうしてあんな命令を」 「命令…何のこと?…そんなことより、スザクは日本人でしたよね」 「え、あぁ」 「っ…」 「ユフィ?」 「違う、ダメ…違う、そんなこと考えちゃ、いけない。…スザク」 「何だい?」 「式典は…日本はどうなったかしら?」 「ユフィ、覚えていないのか?」 「日本人よ!!ブリタニアに虐げられた全ての民よ!!私は待っていた、ブリタニアの規制を影から正しつつ、彼らを自らを省みる時が来るのを。しかし、私達の期待は裏切られた。虐殺という万方で!!」 「日本人の皆さんは…喜んでくれた?」 「ユーフェミアを許すな!!」 「卑怯者が!!」 「そう。ユーフェミアこそブリタニアの偽善の象徴。国家という体裁を取り繕った人殺しだ!!」 「私は…上手く、できた?」 「もう騙されるか!!」 「ブリタニアに死を!!」 「ユフィ、行政特区は…大成功だ。皆、とても喜んでいたよ、日本に」 「良かった」 「私は今ここにブリタニアからの独立を宣言する。だが、それは、かつての日本の復活を意味しない。歴史の針を戻す愚を私は犯さない。我らがこれからつくる新しい日本はあらゆる人種、歴史、主義を受け入れる広さと強者が弱者を虐げない享受を持つ国家だ。その名は合衆国日本!!」 「そうです、今が建国の時」 「おかしいな…あなたの顔、見えない」 「!!」 ユーフェミアの手を握るスザク。 「学校、行ってね。私は…途中で、やめ、ちゃったから…」 「ユフィ。今からでも行けるよ、一緒にアッシュフォード学園に行こう。楽しい生徒会があるんだ。君と…」 「私の…分まで、ね」 「ダメだ!!ユフィ、ダメだ!!」 「スザク…あなたに、会え…――」 ゼロの名前を呼び続ける日本人。 「そんな…!?」 ユーフェミアの死を知らされたコーネリア。 「トウキョウ租界に攻め込むつもりか?」 「あぁ。今が最大のチャンス」 「大丈夫だ、私にギアスは効かない。知っているだろう?」 「そうだったな。ギアスの制御が出来ない以上、皆とはもうお別れか」 『お兄様』 「ナナリー」 『お兄様、あの…ユフィ姉様とお話ししたくって』 「!!」 『私とお兄様と3人で学園祭を…ほら、ミレイさんが中断した学園祭もう一度やるんだって言ってましたよね。だから、その時は一緒にどうかな~って。あの、ごめんなさい。もう会わないって言ったのに…。でも、どんな形でもいいから、もう一度だけ直接会えると』 「ナナリー、聞いてないのかニュース」 『ラジオは途中で放送が終わってしまって…何かあったんですか?』 「いや、だったらいいんだ。ごめん、明日には帰るから、それから相談しよう」 「ギアスの切り替えが出来なくなった他に変化はないか?」 「別に…。ただ、ユフィは俺のギアスに、命令に逆らおうとした。能力が落ちたのかとも思ったが、それはたぶん…彼女にとってとても許せないことで…とても当たり前のことで」 「…それで?」 「それだけだ…ひょっとした」 ルルーシュを抱きしめるC.C.。 「契約したろ、お前の傍にいると。私だけは…」 「後手に回りました」 「ネット情報はカットしたものの、僅か数時間の内に各地で暴動が発生しています」 「最大の武装勢力・黒の騎士団は一般民衆を吸収しつつ、このトウキョウ租界を目指して進軍中!!」 「援軍は望めません」 「敵の勢力は寝返った名誉ブリタニア人も加え、その数は数万を越えます」 「ギルフォード卿!!」 「駄目だ。殿下の命令なしに動くことはできぬ」 「しかし、総督は攻撃中止命令を出された後、ユーフェミア様の居室にお篭りに…」 「ダールトン将軍も行方不明というこの状況では」 「そんなことはない。喜んでいるさ、私は。…あぁ、優しさなんか忘れてしまったんだよ、マリアンヌ」 「要さんの方こそ大丈夫?確か静岡で仕事だって」 『あぁ、こっちは何とか。なぁ、千草。帰ったら大事な話があるんだが』 「っ!!」 『ん、どうした?』 「初めてその名前で呼んでくれましたね」 『あぁ、すまない。変だったかな?』 「いいえ。それじゃあ待ってます」 扉を破ってヴィレッタの元にスパイだろ!?と男達がやって来る。 「ここも戦場になるのでしょうか…」 「っまさか、コーネリア総督の正規軍がいるんだぜ。ないない」 「そうかなぁ~」 「んなこと言うなよ、怖いだろ!!…ナナリー、まだ帰って来てないの、ルルーシュは」 「ル、ルルーシュ!?」 「どうかしました?」 「あっ、別に」 「なぁいい加減ルルって呼べよ、仲直りしてさ」 「ルル?…私、そう呼んでたの?」 「またそんなこと言って…」 「…ルル」 「ニーナ、校舎フロアに戻って!!反乱軍がトウキョウに迫ってるのよ」 「知ってる。ゼロが来るんだよね」 「……」 《待っていて下さい、ユーフェミア様。私が必ず仇を討ちますから》 《ユフィ、僕には解らないよ。どうして君があんなことを…》 「教えてあげようか?」 「!!…へ!?子供!?…どうしてアバロンに…」 「始めまして、枢木スザク。僕の名前はV.V.」 「…V.V.」 「コーネリアさえ倒せば、我々の勝ちだ。全軍、作戦配置図に従い、待機せよ!!ディートハルト、前線は藤堂に。ここはお前に任せる」 「解りました」 「良かった、間に合いました。酷いなぁ、私をおいてさっさと出陣しちゃうなんて。私ずっとファンだったんですよ、あなたのデビューから。ようやくちゃんとお話できると思ったのにー。背、以外と高いんですね。でも大丈夫。すぐに追いつきますから」 「か、神楽耶様。6家の方々は富士に残られたはずでは?」 「追いかけて来たの、夫の戦いぶりを見るためにね」 「え!?」 「お戯れを」 「この戦いに勝利したら、いずれ妻が必要になりましょう?あなたが素顔を見せられない身の上なら、それを補う者がいると思いますが?」 「勝てると思うのですか、この戦い」 「えぇ、私は勝利の女神ですから」 「それは頼もしい。しかし、残念ながら私は既に悪魔と契約してしまった」 「え?」 「今更、神とは仲良くできませんよ」 「早くしろ!!本国に実験適合生態を」 「圧力が、内圧が上昇中…」 カプセルが破裂する。 「…おはようございました」 『聞くがよい、ブリタニアよ。我が名はゼロ。力ある者に対する反逆者である。零時まで待とう。これは最終通告だ。零時まで待つ。我が軍に下れ』 「今ならまだ戻れるぞ。このままではエリア11だけでは済まない。この世界全体がお前の命の戦いに染まる」 「解っている。だが、俺は…」 《!?ユフィ?…バカな…あいつの番号だと?…いや、語っているヤツがいる》 「……」 『…ルルーシュ、僕だよ』 「スザクか。どうした、こんな時に」 『ルルーシュ…今、学校?』 「いや。でも、もうすぐ帰るよ」 『…そう。電話をしたのは皆に伝えて欲しいことがあって』 「何だい、こんな時に」 『空を…空を見ないで欲しい』 「え?」 『ルルーシュ…君は殺したいと思うほど相手を憎んだ人がいるかい?』 「…あぁ、いる」 『そんな風に考えてはいけないと思っていた。ルールに従って戦わなければそれはただの人殺しだって。…でも、今僕は憎しみに支配されている。人を殺すために戦おうとしている。皆がいるトウキョウの空の上で、人殺しを…。だから』 「憎めばいい」 『!!』 「ユフィのためだろ?それに俺はもうとっくに決めたよ。引き返すつもりはない」 『…ナナリーのため?』 「あぁ。…切るぞ、そろそろ」 『ありがとう、ルルーシュ』 「気にするな。俺達友達だろ?」 『7年前からずっと』 「あぁ。じゃあな」 『それじゃあ、後で』 「スザク、俺の手はとっくに汚れてるんだよ。それでも向かって来るなら構わない。歓迎してやるさ。俺達は友達だからな。ふふふふっハハハハハハハハっ!!」 《あの日から俺はずっと望んでいたのかもしれない、あらゆる破壊と喪失に。そう、創造の前には破壊が必要だ。そのために心が邪魔になるのなら、消し去ってしまえばいい。そうだ、俺はもう進むしかない》 「だから…」 STAGE23完 |