ラブ★コン 第1話ラブ★コン第1話 高1の夏! 絶対カレシ、つくったるわ! 『小さい頃から大きくて朝礼とかで並ぶと一番後ろで、これまた名前が小泉ですいませんね。大泉じゃなくてねってなもんで』 1学期の終業式の朝礼で立ったまま眠っている小泉リサ。 「あかん!!召喚獣も全滅や!!」 朝礼中に大きな寝言を言ったようで、鼻ちょうちんを割って目を覚ましたリサを笑う全校生徒達。 「アホか」 「ゲームで夜更かしか?」 「すんません」 「色気ないな」 「ホホホホホ…」 「よっしゃオモロイから罰として明日からも学校来い」 「嘘!?明日から夏休み…」 「休ません。お前なんか夏期講習強制参加じゃ」 「え~」 「え~あらへん。以上、ほな帰れ」 《背でかくてもええことなんか何もない。何しても目立つし》 さっきから背後で棚の上の荷物を取ろうとしていますが、背が低くて届かない大谷敦士。 「はい、どうぞ」 「嫌味か?」 「うん。バスケ部で頑張ってるんやて?偉いな、小谷君」 「俺は大谷じゃ、ボケ!!どけ、デカ女」 中野先生にその荷物を渡す大谷。 「人に親切にしてもろといて、デカ女って何や!!」 「巨神兵にしたってもええで」 「うっさい、チビッ子」 「何や、やるのか、こら!?」 「おぅ、やったらぁ!!」 「おい、オール阪神巨人」 「「誰がやねん!!その呼び方止めてくれ!!」」 『オール阪神巨人。中野先生に命名されたのは入学当日』 『学級委員は立候補、誰もおらんのか。ほな、そこのオール阪神巨人・大谷と小泉にやってもらおか』 お互いに同じ扉から出ようとして詰る2人。 「何や、俺が出るんや。どけ、デカ女」 「あんたこそ、お退き、ちびっ子」 「はいはい、痴話喧嘩はそこまでや」 「「ちゃいます!!」」 「夏期講習なんてなんてしんど」 「信ちゃんは中間テスト赤点やってんからしゃあないやん」 「てへ。ま、ダーリンがバスケ部の練習で学校来るから丁度ええけど」 「中尾君ね、ご馳走さん。あ~あたしも彼氏おったら、ううん、せめて好きな人おったらやる気出るんやけどな」 「それにしても物好きは千春ちゃんや。自主参加なんか」 「流石学年トップは考えることちゃうわ」 「だって一人だけ仲間はずれ嫌やねんもん」 「嘘嘘、解ってるやん。な、夏期講習って他のクラスも合同やて?男前おるかな?」 「私ゃ、あのチビ大谷に会わんで済むだけで天国や」 「知らん男の子嫌やな」 だが、夏期講習には敦士も来ていた。 「お前、何でおんねん!?」 「私が聞きたいわ。そうか、そりゃおるわ。大谷、頭悪いの忘れとった」 「人のこと言えんのか!?」 「私は鼾かいとったから呼ばれただけや」 「偉そうに言うな」 「赤点取ってへんもん」 「鼾の方が格好悪いわ」 「オール阪神巨人、夏休みも仲良う漫才か?」 リサが信子と席を替わってもらおうとするが、信子は既に中尾とラブラブであった。 千春は男の子の傍は嫌なので席交代してもらえない。 最悪な気分でいるリサであったが、出席とる前にギリギリにやって来た男子生徒の鈴木に一目惚れしてしまう。 「なぁ、君の後ろ座ってもいい?」 「は、はい。是非そうして下さい」 「小泉の後ろなんか座ったら黒板見えへんで」 「五月蝿いねん、大谷。ごめんね、でかくて」 「大丈夫、見えるから」 《好き~。最高の夏休みになるかも~》 そんなリサを見て、悪魔な笑いをしている敦士。 「よぉよぉ、姉ちゃん。ちょっと話しあんねん。帰り面貸せや」 「ちびっ子ギャングか」 「やかましいわ!!」 「何で学校が終わってまであんたとおらなあかんのよ」 「ここではできひん大事~な話」 「きっしょいなぁ。何?」 「お前、鈴木みたいなのが好みか?」 夏期講習の帰りにファーストフード店に寄っている2人。 慌てるリサを見て、解りやすいなと笑う敦士。 「何でバレてんねやろ」 「思いっきり顔に書いてるやんか」 「金でも巻き上げるつもりか?」 「まさか!?僕ちん、超いい子だもの。ちょいと僕が鈴木君に声をかけて、友達になって、仲取り持ってやってもええと思ってますねん」 「え!?マジっすか!?」 「Yes,I do」 「嘘!?」 「ホンマホンマ」 「凄っ、何や、大谷。実はめっさええ奴やったんか!?」 「今頃気づくな、アホ」 「っしゃ姉ちゃん、何でも奢ったる。デカバーガーか?フィッシュサンドか?バリュバリュセットか?」 「バリュバリュセット!!と…」 「と?」 「と、田中さん」 「は?」 「田中千春さん」 「えぇ!?えぇ!?えぇ~!?あんたが千春ちゃんタイプやとは思わんかった」 「アホか、めっちゃ可愛いやん」 「そら女の私から見ても可愛いけど、やっぱ小っちゃいもんは小っちゃいもん同士ってこと?」 「放っとけ」 「実は悲しいお知らせが…千春ちゃん、男嫌いやねん」 「マジで!?」 「筋金入り」 「可愛い~男嫌いが何やねん。そんなん俺が治したる!!よっしゃ、気合入ってきたで!!」 リサは千春を、敦士は鈴木を誘い、信子と中尾と一緒にプールにやって来た。 プールではしゃぐリサと敦士を見て、呆然となっている4人。 プールの嬉しさのあまり目的を失っていたリサは鈴木に話しかける。 だが、無口な鈴木と会話が続かない。 敦士が助け舟を出して、敦士、千春、リサ、鈴木でビーチボールすることにします。 千春から信子と中尾がウォータースライダーをしに行ったことを知り、ウォータースライダーに行こうとお互いに敦士は千春を、リサは鈴木を誘いますが、お互いに恐いのが苦手だからと断られてしまう。 なので、リサと敦士がウォータースライダーに遊びに行く。 2人が帰ってくると、鈴木君がいなくなっていた。 嫌われたのかと思うリサだったが、鈴木はジュースを買いに行っていただけだった。 身体の冷えている千春には温かい飲み物を買ってきた鈴木。 プールの帰り道、千春と鈴木が同じ方角なので一緒に帰ることになる。 嫌な予感がしていたリサ。 翌日 「鈴木君ってええ人やな。昨日も家まで送ってくれてん。男の人って乱暴で恐いイメージあったんやけど、鈴木君優しいし、あんまり恐くないかも」 「でも、千春ちゃん、昨日大谷とええ感じやったやん」 「あ、大谷君?凄い喋りやすいねん。多分小っちゃいから男って感じがせえへんねやわ」 「大谷、撃沈や。こんなん大谷に聞いとったら…ひぃ~!!」 後ろで敦士が聞いており、壊れてしまう。 敦士を追いかけていくリサ。 「大谷…」 「小谷や言うてるやんけ」 「あ、えっと…」 「何なん?慰めてくれんの?」 「何よ、人が心配したってんのに、そのひねくれようは」 「ひねくれもするわ!!」 「小さい言われたくらいで何や、男やろ」 「小さいから男じゃないんですって」 敦士を殴るリサ。 「アホ!!でっかくても小さくてもピーが付いとったら男なんや」 「女の子がそん何言うたらあかん」 「五月蝿い!!あんた、今まで散々小っこい言われてきたやんか。何や、たった1回女に言われたからって情けない。それくらいでいちいち凹むんやったら誰も好きになるな、カス!!」 「ふん、効いたで、お前のアホパンチ」 怒りに震えたまま廊下を歩いているとリサは遅刻してきた鈴木の背中にぶつかってしまう。 「あの…俺って恐いかな?昨日、田中さんが怖がってたみたいやから」 「あの子、男の子が苦手やから鈴木君のせいやないと思う」 「俺も女の子と喋るの苦手やねん。でも、小泉さんは何ていうか話しやすい。多分目線が一緒やから女の子って感じがせえへんのやと思う。そっか、俺、田中さんに特別嫌われてるわけと違うんか」 「えぇ!?もしかして、千春ちゃんのこと好き?」 「ちゃうちゃう、ちゃうよ、何言ってんの」 「だって顔…」 「ちゃう、暑いねん。んじゃ、俺、先行く。ちゃうで」 《あんなん好きやん。好き丸だしやん》 「こら、大泉。人に怒鳴り散らかしといて何凹んどんねん」 「ごめん、さっきのなかったことにして。やっぱし凹むよな。普段気にしてないつもりでも好きな人に突かれたら痛いわ」 「このアホ!!」 敦士がリサを殴った。 「さっきの仕返しじゃ。俺は千春ちゃん、諦めへんぞ。明日からも頑張る。これくらいで凹むんやったら誰も好きになるな。爺ちゃんの遺言や。小泉がいてくれて良かったわ。俺だけやったらあのまま1人でいじけたとこや」 「そやな、あたしも頑張るわ。よっしゃ」 「やるで」 夏祭りにリサは鈴木を、敦士は千春を誘った。 鈴木と千春が遅れて一緒にやってくる。 さり気なく、人込みにぶつからないように位置をかわる鈴木。 その2人がいい雰囲気になっていた。 「付き合いたての初々しいカップルみたいやな」 「ええわ、私もええわ。下りる」 「俺も降りる。漫才は引き際も肝心。このままあいつら2人きりにしたろ」 「大谷…」 金魚すくいなどを敦士と楽しむリサ。 《大谷って小さいのに手はちゃんと男の子やねんな。喧嘩ばっかりしてるけど、あたしら結構似たもの同士かも。身長っていう同じコンプレックスを持った》 「好きです。付き合って下さい」 顔を赤らめて告白する鈴木。 「はい」 『暫くして千春ちゃんと鈴木君はめでたくカップルになった』 「あ~スッキリした」 「そりゃ良かった」 「あんたと千春ちゃん、案外上手くいきそうやったのにな」 「小泉と鈴木君は全然やったけどな。まぁ、ええわ。その気になったら彼女なんてすぐ作れるし」 「ほぉ、そうですか。見てみたいもんやね」 「「勝負しよか」」 どっちが先に彼女(彼氏)できるか勝負することになるのだった。 次回、「元カノと三角関係!?」 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|