ヒロイック・エイジ 第4話ヒロイック・エイジ第4話 惑星ティターロス 遠い、遠い、時の彼方。 宇宙には黄金の種族がいた。 星々を作り、未来を知る力を持つ彼らはまだ未熟な他の種族達へ呼びかけた。 それに応えた者達はそれぞれ銀の種族、青銅の種族、英雄の種族、そして鉄の種族と名づけられた。 やがて、英雄の種族はこの宇宙から別の宇宙へと旅立っていった。 彼らが去った後、銀の種族は自らをその後継者と名乗り、他の種族を支配した。 そして、最後のノドスを宿す鉄の種族、即ち人類を敵と見なし、滅ぼすことを決めた。 「ふ~ん、どれがいいかな?」 「元気が出そうなの。かなり凹んでるからね」 テイルとメイルはディアネイラの立体映像を見ていた。 「ディアネイラ!!」 「何よ、エイジ」 「びっくりするじゃないの」 「それは何?」 メイルがデジカメ(?)でエイジを撮ると、エイジが映し出される。 「あぁ!?エイジ」 「あぁ、また言った」 「子どもみた~い」 「ボク」 自分を指差すエイジ。 「そうそう」 「もう16なんだから自分のこと名前で言うのおかしいよ」 「ボク…」 イオラオスはディアネイラが自分からエイジに触れていたことを思い出していた。 「私も猿に生まれたかった…」 「気を落とさないで」 「これで元気出して兄様」 「振込みはいつもの額で」 「月末にまとめてな」 「うわぁ、いっぱいいる」 ディアネイラの立体映像がいっぱいあります。 「イオラオス、1、2、3、4人」 「4まで数えられるようになったのよ」 「進歩したでしょ?私達が教えたの」 「何故連れてきた?」 「だって…止めらんないもん」 「あたし達の力、効かないから」 「たまたま英雄の種族を宿したというだけで…。ここで見たことは忘れるんだ、いいな?」 「イオラオスはディアネイラがすきなんだ」 「忘れろって言ったろ」 「うん」 温室の野菜を見ているエイジは野菜を指でつついていた。 「食べちゃ駄目だからね」 「うん、皆の大事な物」 「そうよ、皆で食べるの」 「アルゴノートは皆、いていいね」 「そっか、エイジは一人っ子だもんね」 そこに呼び出しがかかってくる。 「ディアネイラ、アネーシャ」 「お連れしました」 「いつも一緒のようですね」 「おかしなことを教えていないか心配です」 「エイジ、お話があります。この船は間もなくティターロスという惑星に到着いたします」 「ディアネイラの星?」 「いいえ、アルトリア星系はまだまだ先です。ティターロスには補給の為に立ち寄ります。それに際して1つお願いがあるのです。ティターロスにいる間、船の中で大人しくして頂けますか?ティターロスについてもし船の外に出たくなっても我慢して欲しいのです」 「何で?」 「それは…」 「悪戯に住民を警戒させたくないの。エイジの中にはベルクロスがいるでしょ?私達は何度も助けてもらったから平気だけど、何も知らない人は驚くわ。だから、エイジのことは秘密にしてこの船にいないことにするのが1番いい方法なの」 物資補給などのため、数多のスターウェーが集中する「中立なるターミナル・プラネット」惑星ティターロスに入港するアルゴノート。 ティターロスによる査察が入ることになったので、エイジをティターロスに待避させるため、イオラオスが世話係に任命される。 スーツを着たらティターロスに連れて行ってもらえると聞いたエイジは早速、スーツを着用する。 「ごわごわしていて気持ち悪い…」 「よく似合っていますよ、エイジ」 「ありがとう」 「何のことだ?」 「連れて行ってくれる」 「礼ならば、姫様に言え」 「イオラオスの指示に従って下さいね」 「うん」 「では最初の指示だ。極めて遺憾だが、お前の同意を得られなければお前を連れてテレポートできない。私が飛ぶと言ったら黙って言う通りにしろ。いいな?」 「うん」 「掴まれ」 イオラオスの手を掴むエイジ。 「…っ…スーツだ」 「戦闘より大変そうね」 「では姫様」 「お願いします」 テレポートして消えたイオラオスとエイジ。 「ティターロスに入った」 「居場所が分かった、ユティ・ラー」 「5人目を試す」 「優しい人ならいいな…」 「黄金の種族の予言によれば5人目のノドスは鉄の種族が支配し、4人のノドスと敵対する」 「何が言いたい?」 「もし味方にならなかったら?」 「殺せ」 「いや、まずは話し合うべきだ。それから屈服させればいい」 「銀の種族に従わない者は生かしておく必要はない。メヒタカが行け」 「戦うのは嫌だな…」 「俺が行く。5人目と会ってみたい」 「いいだろう、カルキノス。ただし、容赦するな」 「命令か?ユティ。レクティ、頼む」 カルキノスはレクティのテレポートでティターロスに向かう。 ティータロスをイオラオスを引っ張って観光するエイジ。 「真面目に戦闘の方が楽かもしれん…」 食べ物屋を見つけると、口の中に入っていてもイオラオスにねだるエイジ。 「お前の頭は食べることだけか」 「うん」 「気をつけて」 「仲間に会う、それだけのことだ」 ディアネイラはエイジを強大な何者かが探していることを感じ、アルゴノートは銀の種族の手が回ったティターロスがに接収すると言われていた。 ディアネイラは彼らも追い詰められているようなので交渉するようにモビードに言うのだった。 イオラオスとエイジはモノレールに乗り、エイジは外の景色を見ていた。 「イオラオスはエイジが恐い?」 「くだらん。私には恐れるものなど何もない」 その答えに嬉しそうなエイジ。 「何故そんなことを聞く?」 「エイジはアルゴノートにいない方がいいって言ってた。エイジはイオラオスが好きだよ。アルゴノートが好き。声がいっぱいあって楽しい。ディアネイラの声は温かい光、アネーシャは朝の空気、テイルとメイルは流れる雲」 「なら兄である私はさしずめ、どんよりたちこめた雨雲か」 「イオラオスはね…」 その時、非常呼び出しがかかるが、ノドスの一人であるカルキノスがティターロスに到着したのを感じたエイジはモノレールの窓ガラスを割って、飛び降りる。 ダイタロス人は好戦的な種族ではないので出港を黙認してくれるかもしれないが、ティターロスへの侵犯と汚名を被ってしまったディアネイラ。 「5人目を迎えに来た。俺はカルキノス」 「エイジ」 「一緒に来い、エイジ」 カルキノスは「ともに戦うべき仲間」としてエイジを誘うが、エイジはそれを拒絶する。 銀の種族はティターロスまで破壊する気で青銅の種族のアリ塚をワープさせてきた。 次回、「ノドス」 |