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テーマ:アニメあれこれ(25351)
カテゴリ:シドニアの騎士
地球へ…の第11話を見ました。
section11 ナスカの子 「ソルジャーブルー、ナスカで素敵な事が始まりますよ。300年以上生きているあなたもきっと初めて出会うこと。見守っていて下さいね」 ジルベスター星系第7惑星・ナスカに降り立ったミュウ達を優しく迎え入れた空はラベンダー色だった。 ミュウ達が真っ赤に実ったトマトを収穫していると、ジョミー達が連絡線に乗ってやって来る。 「いつもながら驚きますね。シールドも張らず希薄な空気で呼吸困難にならないとは」 「ソルジャーだからな。『ソルジャーだから』、我々はこの先どれくらいこの言葉を思念の場に乗せるのだろう。そして、どれほどこの言葉があの小さな肩に圧し掛かるのだろう」 ジョミー達を迎えるハロルド達は綺麗な青色をしたナスカの石を古い工作機械で削って作ったスプーンをプレゼントし、ナスカで初めて収穫されたトマトも差し出す。 「美味しい、太陽の味がする」 それを聞いて喜び拍手するハロルド達。 ゼルは臭いと言ってトマトを投げ捨ててしまう。 それに反発するハロルド達だが、ゼルはお前達の飯事に付き合っていられないとジョミーにすぐに地球へと言う。 「地球が何だって言うんです?地球に行くことがそんなに大事なんですか?僕達はこのナスカに自分達の手で歴史を作りたいんです!!あなたが潰したトマト、これが僕達の新しい歴史なんだ。なぜ人類と戦い続けるんです?ここは辺境の星だ。この星にささやかな家を作ったっていいじゃないですか!?」 「お前達はアルタミラの大虐殺を知らんからそんなことが言えるんじゃ!!」 「二言目にはアルタミラ、アルタミラって…!!」 「止めろ、ハロルド!!君達や僕達にとっては歴史の一ページにしかすぎないが、老子達上の世代にとってはついこないだの現実なんだ」 「あなた方はあの地獄を見ていなから好きなことが言えるの」 「あそこで流されたのはハンスの、弟の血だ。わしはハンスを、仲間を救えなんだ。そして今もこの宇宙の至る所で多くのミュウが殺されておる。ソルジャー、あの惨劇を繰り返してはならん。一刻も早く地球へ向かうべきじゃ!!」 「ソルジャー、折角大地に根をおろした作物を枯らすんですか!?」 両方から責められるジョミーは困ってしまうが、そこにカリナの赤ちゃんが生まれそうだとニナが知らせに来る。 ジョミー達が駆けつけるとユウイが花輪を編んでいた。 「おかしいですよね?男がこんなの編むなんて。でも何かしないと不安で…。この豆はこの星に最初に根付いた植物なんです。とっても強い。その強さをカリナと生まれてくる子どもにプレゼントしたくて」 「そうか、素敵な思いだね。強くて美しい、そんな生き方ができるといい」 カリナは部屋の中にいて、思念シールドで中の様子が分からなくなっていた。 『あなたは英雄だ、カリナ。皆が妊娠や出産を恐れる中で』 『私はただ、あなたの中にあるママというものを実現してみたかっただけです。初めてシャングリラに来た時、あなたはママという言葉で一杯だった。私はそれに憧れたの』 「信じよう、彼女と産まれてくる赤ん坊の力を」 カリナの出産の痛みに苦しむ思念がシールドを破って伝わってくる。 苦しみに耐え、カリナは男の子を出産する。 「赤ちゃん…よく頑張ったね。はじめまして、私がママよ」 ユウイがカリナの元へ駆け寄ります。 「ありがとう、カリナ。君のお陰で親になれた。よく頑張ったね」 ユウイはカリナに花輪をプレゼントする。 古い医学書に目を通していたが、ドクターは思念シールドが弱すぎだったと話します。 「いいよ、生んだ瞬間のあの想いを僕達は共有できたんだ」 「温かい…。これが命の重さなんだね。パパからの最初のプレゼントをしなくちゃね。君の名はトォニィ。僕とカリナ、そしてナスカの子だ」 赤ちゃんを抱いてそう感じるユウイから赤ちゃんを受け取って、おっぱいをあげるカリナ。 《生まれたての無垢な意識ってこんなに純真なんだ》 「ソルジャーの言葉通りだ。自然出産は僕達に新しい喜びを与えてくれた」 カリナに話しかけるナキネズミは赤ちゃん、おめでとうと言います。 ナキネズミに名前がないことにカリナに指摘されて気づいたジョミーが恵の雨という意味のレインと名づけます。 喜ぶ若者達と離れているゼル達。 「ソルジャーがここ降りた時、若い連中が何と言ったか覚えているかね?『お帰りなさい、ソルジャー』と言ったんだよ。『お帰りなさい』だ。彼らにとっては、もはやシャングリラよりナスカの方が家だというわけだ。我々に家があるとしたらそれは地球だというのに」 植物が成長し、花が咲き始める。 「何ということじゃ!?」 「美しい。ナスカの子が生まれると同時にこの花園。ソルジャーの伝説が、また生まれますね」 「わしらは、その伝説に抗う力を持っておらん」 宇宙船に乗っているサムは誰かから指令を受ける。 「はい、分かりました。はい、ご命令のままに」 操られているかのごとく、目が虚ろなサム。 「出航許可が降りたぞ、サム。おい!!」 声をかけられて虚ろな目から元に戻るサム。 ナスカの夕日をジョミーは眺めています。 《夕日が沈む。地球とは違う、赤くて大きい二つの太陽。乾ききった大地、ここはかつて人類が入植し見捨てた星。そこで僕達ミュウは新しい命を、新しい歴史をがむしゃらに作ろうとしている。地球の人も同じ思いを抱き、この地に降り立ったのだろうか?白いプラネット合金の墓碑が一つ、消えかけた文字。『誰が私に言えるだろう。私の命がどこまで届くか』それはまるでブルーの想いのような…。そうさ、ここは地球とは違う。分かっている、分かっているとも。でもソルジャー・ブルー、教えて下さい。僕は間違っていたのでしょうか?このナスカに安住の地を求めたことを」 ジョミーは天体の間にいた。 「フィシス、君も一度ナスカの大地を踏んでみたら?流石は君の選んだ星だ」 「ありがとう、でもソルジャー・ブルーの傍を離れるわけにはまいりません。それにあなたの声は嬉しそうなのに響きには不安があります」 「何でも、分かってしまうんだね」 「でも大丈夫。不安は旅人の糧。何故なら、あなたの前に新たな道があるから」 サム達の船はジルベスター7へ来てしまっていた。 宇宙クジラを見て驚くサム達のコクピットに水が入ってくる。 ミュウによって思念検査をされますが、サムと知って驚くジョミー。 「ソルジャー、お知り合いですか?」 「あぁ、アタラクシアで…」 「例え、あなたのお友達であろうとも、シャングリラがこの星系にいることを人類に知られてはなりません」 「記憶を消さなければならないのか?そんなことできるわけないだろう」 「何故です?人間は既に成人検査で記憶を植えたり消したりしている。今更、我々がそれをしたところでいいも悪いもないだろう」 「友達なんだぞ!!」 ジョミーはサムの所に向かう。 「久しぶりだね、サム。覚えてないか?僕だよ、ジョミー・マーキス・シンだ」 「冗談はやめてくれ。確かに顔はジョミーに似ているけど、年が違いすぎる。あいつは俺と同い歳なんだぜ」 「そうさ、サム。でも僕なんだよ。これ覚えてる?」 ジョミーが見せた物はサムからもらったバースデープレゼントだった。 ジョミーとサムは再会を喜び、抱き合う。 「サム、サム、僕だよ!!アタラクシアで一緒だったジョミー・マーキス・シンだ」 その言葉を聞いてサムは目の輝きを失う。 「大人になってまた会えるといいなって約束したよね」 「あぁ。ジョミー、会いたかったよ」 サムはいきなりナイフでジョミーを刺してしまう。 「ジョミー、どうしたんだ?友達だろ?」 止めようとする仲間を振り払ってジョミーに迫ってくるサム。 「友達だろ?プレゼントを受け取ってくれよ、ジョミー。サム・ヒューストンからの贈り物だよ」 変わってしまったサムの姿にジョミーは目に涙を浮かべる。 「お前はサムなんかじゃなぁぁい!!」 ジョミーの思念派でサムの船は弾き飛ばされてしまう。 ジョミーは宇宙空間を漂っていた。 「サム…っ…」 「精神的ショックが大きいようですが、すぐに回復されるでしょう。ソルジャーですから」 「我々も迂闊でした。ソルジャーのお知り合いがこの星系に現れたというだけで疑って然るべきでした」 「おそらくマザーによる思考プログラムでしょう。何らかのイメージがキーとなって本人の意思に関わらずプログラムされたコードを開始する。あれだけの思考プログラムを普通の脳に組み込めば結果は見えていますな」 「あれが奴らのやり方だ。例え同胞でも道具にする」 「ここの星域にワープアウトしたってことはひょっとしてマザーに…」 「我々の位置が特定されたということのかね!?」 一人にして欲しいというジョミー。 「サム、僕らは友達だとばかり…。あんな…あんな…ごめん…」 キースは上級少佐に着任し、今回の任務はマザー直々の指名で、ジルベスター星域でここ三年ほど多発している事故調査のようで、上層部はミュウの関与を懸念していた。 事故に遭ったパイロットの名簿の中にサムの名前を見つけて驚くキース。 「嫌なら他の者をやるが、ジルベスターにすぐ飛んでとんでくれるかね?」 「イエッサー」 上官の命令に胸に手を当てるキース。 次回、「孤独なるミュウ」 ![]() ![]()
Last updated
June 16, 2007 09:44:09 PM
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