2007/06/25(月)20:48
結界師 第26話「良守がいない夜」
結界師の第26話を見ました。
第26話 良守がいない夜
『謎多き、烏森の地。だが土地が持つ強大な力を求めて謎の組織が動き始めた。現れたのは人の皮らしきものを被った妖。警戒を続ける中、遂に組織の名が判明した。今、良守達の想像を超える何かが確実に進行しているのだった』
「率直に言う、時間がない。姫はもう長くない、このままではな。分かってると思うが、姫が持たねばこの城が持たん。この土地の力も大分弱まっていると見ていい、藍緋、新タイプの人皮、開発状況はどうだ?」
「もう少し時間はかかるが、最終の調整段階に入っている」
「何だい?新タイプって。前のヤツじゃ駄目なのかい?」
「改良版だ。我々の兵が長く人の姿でいられる」
「たっるいな。こっちは戦いたくってうずうずしてんだよ。雁首揃えてこんな所で語り合ってるより、総攻撃でも仕掛けりゃ簡単だろうが!!」
「この暢気の単細胞。頭も少しは使え」
「何だと!?」
「角出てる、角出てる」
「力任せじゃそこらの妖と変わらんだろ。制圧ってするにもやり方ってもんがある。夜は占拠できるが、昼はどうする?我々は昼動けんぞ」
「そんなもんは占拠してから考えりゃいいだろう」
「今、烏森を手に入れたとしても、烏森の力を有効に使える手立ても見つかってませんし、まだ烏森は分からないことが多すぎますね」
「つまらん、いつになったら動くんだ」
「まずは人皮だ。藍緋、完成を急いでくれ」
「分かった」
「姫の時間は限られている」
黒芒楼では統括の白を中心に藍緋、紫遠、牙銀、江朱、壁闇という幹部六人が会議を開いていた。
夜の烏森学園では、限と時音ばかりが妖を退治し、良守は斑尾から嫌味を言われる。
プールサイドに大きな妖が出現し、良守は真っ先に妖を見つけて滅するが、その際にプールへ落下してずぶ濡れになる。
翌日、良守は風邪を引いて学校を休むことになるのだった。
黒芒楼の研究室では藍緋が部下の緋水に頼まれ、旧タイプの人皮を被せる。
「おい、いいのか?旧タイプ被せて遊んでる時間はねえはずだろ」
「心配いらん。開発は順調だ」
「退屈なんだよ。新タイプを開発させないと俺ら烏森に行けねえんだってさ。俺は旧タイプで十分なんだがな。妖力が適度に抑えられて丁度いい。だが、こいつは人皮被るタマじゃねえだろ」
「俺だって烏森に…!!」
「ねえな」
「手は出すな、火黒。私の部下だ」
「ハッ、烏森に行きたい?行って何が出来るんだ?お前みたいなクズに。お前からは何も感じられねえんだ。美学も何も」
そこに現れた火黒は緋水をバカにし、緋水は手柄を取って見返すため、勝手に烏森へ向かう。
昼間の烏森学園では、限が姿を見せない良守の様子を窺いに教室へやって来る。
「な、な、な、何でしょうか?」
「アイツは?」
《ア、ア、アイツ!?う~ん…あ、墨村君!?そうだ、墨村君は馬鹿なのに風邪をひいたんだ》
「きょうはおやすみなんです、ごめんなさい」
限は百合奈からそう聞くと立ち去っていくのだった。
百合奈は危険な人物が良守を訪ねてきたと時音に相談。
「あのですね、実はとても危険な人物がいまして…。隣のクラスに転校してきた人なんですけど、髪はグワーッて逆立ってて、鋭い獣のような目をして、近づいてきた奴は叩き斬るって感じで…。目が合えば蛇に睨まれた蛙のようにになっちゃうし、兎に角兎に角かなり絶対ヤバイんです!!」
「もしかして、それ、志々尾限君のことかな?」
「あ、はい。分かってたんですね」
「いや、あのね、限君には仕事を手伝ってもらってるの。だから大丈夫よ」
「何だ…そうなんですか」
「それから私は雪村時音。アイツの姉さんじゃないから」
「え?えぇ!?」
「いや、そんなに驚かなくても…」
「お姉さんじゃなかったら何なんですか?」
「え、何って…えっと…何だろ。そう、仕事仲間…?」
「ねぇ、風邪で休みなのってさ、そこでたまに待ってる男の子のことでしょ?」
「う、うん」
「やっぱりね。あの子、幼馴染?」
《それじゃ、何か足りない気もするのよね…》
「ねぇ、あの子、時音のこと好きなんじゃない?」
「え?」
「だって、時音を見つける時いつも可愛い顔してるよ」
「止めてよ、あんなガキ」
「分かんないよ。あの子だっていつまでもガキじゃないんだから。ウチのお兄ちゃんもすっごくアホだったけど結構変わったよ。でもまだアホだけど」
《考えてもみなかった。アイツはずっとあんな感じだと思ってた。アイツがガキじゃなくなる日なんて来るんだろうか…》
その夜、良守は烏森学園の警護も休む。
代わりに気合が入った繁守が学園に現れ、時音は呆気に取られる。
そこに人皮を被った緋水が姿を現す。
時音は緋水が黒芒楼から来たと察し、人と変わらない姿に驚く。
そして、緋水の被っていた人皮が溶け、本来の凶暴な姿が露になると、繁守は攻撃しようとする。
だが、繁守は頭上で印を結んだ瞬間に腰を痛めてしまい、時音と限だけで戦う事になる。
緋水は口から強酸性の弾を吐いて時音らに攻撃を仕掛ける。
限は背後から飛び掛り、緋水の体をバラバラに切り裂く。
しかし、緋水は破片から元の体に再生するため、限はもう一度、緋水を切り裂くが、また体は再生してしまう。
繁守は斑尾と一緒にその様子を木陰から眺める。
実は繁守は腰を痛めておらず、自分に頼らず、時音達だけの力で烏森を守ってほしいと考え、腰を痛めた芝居を打ったのだ。
続いて、時音が結界で囲もうとすると、緋水は自ら体をバラバラにしてしまう。
そして、緋水は滅せられなかった破片から体を再生する。
「何なの!?コイツ」
「クソッ」
「待って!!攻撃しても破片があれば再生する。キリがないわ」
「じゃあ、全ての破片を消したらどうだ?アイツみたいなでっかい結界で」
《確かに大きな結界ならすべてを滅せるかもしれない。でも、私には…。私は私なりにやるしかない。一瞬で全ての破片を囲む》
今度は、全ての破片を結界で次々と正確に囲んで滅する時音。
だが、見落とした小さな破片から緋水は再生し、背後から時音に迫る。
危険を感じた繁守が時音を助けようとしたその時、心配して駆けつけた良守が緋水を結界で囲んで滅する。
「大丈夫か?ゲフゲフ…時音。ほら」
良守の差し出した手を見て、昔は自分が守っていたと思う時音。
《いつまでもガキじゃないの、かな…》
繁守に鼻水アタックしようとする良守を見て、やっぱりガキだと思う時音だった。
次回、「最高幹部十二人会」
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