獣神演武の第3話を見ました。
第参幕 操気の契り
「遅ぇよ、お前ら。何、ちんたら歩いてんだよ!!」
「何、怒ってんのよ。岱燈、先は長いんだから、今から飛ばしたらバテるでしょう」
「うるせぇ!!そんな悠長なこと言ってて、もしあの髭野郎が逃げたらどうすんだよ!?」
「落ち着いて下さい、岱燈殿。相手は賢帝国の将軍、一体どこに逃げるというのですか?」
「どこへって…その、俺の知らねえどっかだよ」
「あー、開き直った」
「それが悪いか!!それが悪いか!!」
「二度言わない!!」
「案ぜずとも都に行けば慶狼に会えます。それが星の定めであれば尚のこと。ただ、今の君の力で慶狼に勝てるとは思えません」
「何!?待て!!俺が負けたのは不意を突かれたからだ。まともにやればあんな奴…」
「少し、私の話を聞きませんか?先を急ぐのはそれかあでも遅くありません。ついでに汗を流していきましょう」
川で水浴びをする
岱燈と
劉煌。
「お前の話って何だよ?」
「岱燈殿は大華八法を知っていますか?」
「んなもん、知ってるに決まってるだろ」
「では、その八法を言ってみてください」
「憲法だろ、棍法だろ、縄・弓・槍・刀、それから…」
「あれ?6つしかない」
「そういや、そうだな…、八法のはずなのに」
「知らなくても不思議はありません。残りの2つは操気法と言います」
「操気法…?」
「はい。ま、2種類あるといっても1つは使う者もなく、廃れていますが」
「って俺はお前の物知り講座を聞きてえわけじゃねえんだよ!!それと、俺が髭野郎に勝てないことと何が関係あんだよ!?」
劉煌は布と気だけで、木の枝を折って見せる。
「これが操気法です。最もこれはただの布ですから、この程度のものですが、慶狼は東西一の操気法の使い手という噂。せめて自らの気の流れくらい制御できなければ勝負にはならない。私の言っているのはそういうことです」
岱燈、
劉煌、
頼羅の三人は都への旅の途中に、とある港町に立ち寄った。
港には、
虎楊を頭とする水賊「渦津団」の船「闘牙」が停泊していた。
劉煌が宿を探している間に船の見学に向かう
岱燈と
頼羅だが、船の中を見せてはくれない。
そこで、
頼羅は咳き込む演技をして、死ぬ前に船の中が見たいと言うが、それでも見せてはくれなかった。
翌日、
岱燈らは豪雨により山肌が緩み、町の守り神である巨石「聖熊」が崩れ落ちそうだという知らせを聞く。
「聖熊」が落ちれば、町の壊滅は免れない。
一刻を争う事態に
岱燈らは、渦津団に町の人を船に避難させてくれと頼むのだが、帝国の役人王鉛達を乗せるために余裕はないと断られてしまう。
虎楊はお役人を騙し、宝の掘り出しに向かわせている間に
頼羅に町の人達を逃がすように言います。
岱燈は、「聖熊」の落下を食い止めようと、一人山に向かう。
「冗談じゃねえ。腐った奴だけ生き残って、何の罪もない人達が死ぬなんて冗談じゃねえや!!だから、熊の旦那、あんたも落ちねえでもう暫く耐えてくれ!!」
「岱燈殿、君は頼羅殿の言う通り、底抜けの馬鹿ですね。一人の力でこれを止められると思ったのですか?」
二人で力を合わせて、聖熊の落下を何とか食い止めることに成功するが、地盤が緩かったのか
劉煌が落ちかける。
何とか
岱燈が
劉煌の腕を掴む。
「岱燈殿、その手を離して下さい。私は大丈夫です」
「ダメだ、いくらお前でもこの高さから落ちたら、ただじゃすまねえだろ」
「しかし…このままでは共倒れです。離して下さい、離しなさい!!離せ、岱燈!!」
「そうはいくか!!お目付け役かも知れねえが、お前は俺と一緒に都に行くって言ってくれた。仲間じゃねえか!!それにお前はここまで来て俺を助けてくれた。だからゼッテーお前を見捨てたりしない、ゼッテーだぁぁ!!」
無意識のうちに操気法によって倒れてきた樹を折り、
劉煌を助ける
岱燈。
「礼を言います」
「バ~カ、いいってことよ」
だが、聖熊が落下を始め、お役人達がお宝を放っている所目掛けて滑り落ちていく。
「アハハハハ、ありもしねえお宝とやらでわざわざ潰されに戻るとは欲の皮の突っ張った奴は気の毒だねぇ」
岱燈、
頼羅、
劉煌は港を後にし、都に向けて歩き出すのだった。
次回、「五神闘士」