2008/03/28(金)10:02
CLANNAD 番外編「夏休みの出来事」
CLANNAD -クラナド-の番外編を見ました。
番外編 夏休みの出来事
学園祭も終わり、朋也は高校最後の夏を迎えていた。
「いい天気だな」
「はい」
「補習なんかサボって海にでも行かないか?」
「岡崎さん、毎日そんなこと言ってます」
「だって、俺は進学するつもりはないんだぜ?受験勉強は意味ないだろ」
「それでも決まりはちゃんと守らないとダメです。内申書にだって影響しちゃいます」
夏休みに入ってからも三年生は補習の続く毎日で、朋也は渚の手前サボることもできずにいた。
「随分、心配してくれてるんだな」
「当たり前です。だって、岡崎さんは…あの、私にとって特別な人ですから」
「…!?あ、あのさ」
「ない、何でしょう?」
「手、繋がないか?」
お互いに顔を赤らめながら誰もいないので手を繋ごうとするのだが、バイクで登校してきた杏がやってくる。
「ひょっとしてキスとかするとこだった?」
「んなことしねえよ、馬鹿!!」
「そうです、私達…手を繋ごうと…」
渚が手を繋ごうとしていたと言いそうなので慌てて口を手で塞ぐ朋也。
『学園祭が終わり、試験が済むと夏休みがやって来た。俺は未だに渚の家に居候させてもらっている。夏休みといっても、俺達三年生は連日補習だ。渚の手前、サボるわけにもいかない』
「毎日補習ばっかりで嫌になっちゃうわね。一生に一度しかない高三の夏休みが灰色一色よ」
「私はクラスの皆と勉強する方が楽しいの」
「こうして一緒にお弁当も食べられますしね」
昼休み、渚達は演劇部室に集まって皆でお弁当を食べているのだが、岡崎は春原の所に行っており、代わりに生徒会の仕事で出てきている智代が加わっていた。
「はぁ!?まだ手も繋いでない!?馬鹿じゃないの。今まで何してたわけよ、お前ら」
「五月蝿いな、いざとなったら緊張するもんなんだよ」
「渚ちゃんもこんな根性なしに構ってないで、僕の純情一途な恋心に気づきゃいいのに」
そんな中、春原の妹・芽衣が再び寮へ遊びに来た。
早速、春原、朋也、芽衣の三人で部屋の掃除を始め、掃除が終わると芽衣は朋也と一緒に古河家に向かって挨拶をし、夕食の素麺をご馳走になり、更には泊めてらうことになる。
楽しそうに話している渚と芽衣。
「楽しそうだな、俺も混ぜてもらえねえかな、チキショー」
補習が休みでも古河パンの手伝いをする渚と朋也、芽衣。
「折角のお休みなのに岡崎さんと出かけられないのは残念ですけど」
「ま、俺様のために頑張れや」
「あんたはどうすんだよ?」
「娘が作ってくれた有意義な時間だからな、無論遊ぶぜ!!」
秋生はバットを手に遊びに出かけ、早苗は町内会の集まりに出かけていく。
学生が休みの時期なので、あまり客が来ない古河パン。
パン屋と知らずにやってくる客が多いので、呼び込みに行った芽衣にどんな呼び込みをしたのか尋ねると『可愛い子いますよ』というものだった。
「そんじゃまるで如何わしい店だろ!!」
「面白いように客が来ますわ、イシシシシ」
「岡崎さん、中手伝ってくれますか?」
「分かった!!」
芽衣の呼び込みもあって、開店以来の売り上げを達成するのだった。
「早苗さんのパンも全部売り切れちまったよ」
「それが一番の驚きだ」
「まるで私のパンは売れないのが当たり前みたいな言い方ですね」
「早苗、好きだ」
「ありがとうございます、私も秋生さん大好きです」
「岡崎さんも言ってあげたらどうですか?」
「何を?」
「渚、好きだ」
「な!?」
「え!?」
「そ、そんなこと言えるか、馬鹿」
春原の部屋に遊びに来た朋也に用があった芽衣は春原を追い出してしまう。
恋のキューピッドになろうと思ったらしい芽衣に、春原のことを心配していたのかと思う朋也。
「相手、いないと思うぞ」
「ここにいるでしょ?」
「えぇ!?」
勘違いして春原と芽衣の禁断の兄妹愛を想像する朋也。
「ヤッベー、興奮してきた」
「変な想像しないでくれますか?」
「だって、お前と春原だろ?興奮するって」
「だから、そんな身の毛も弥立つ想像しないで下さい。そもそも、私がキューピッド役だって言ってるのに」
「ちょっと待て、俺のことか?」
春原とのラブシーンを想像する朋也。
「あのな、春原…」
「どうした?岡崎」
「最近、お前のこと沢山考えるようになったんだ。」
「へぇ~、どんなこと?」
「他の奴といる時は考えもしなかったようなことだ」
「少しは誇れる親友になったか?」
「…!?そういうんじゃなくて、お前と…お前とお揃いのパンツで朝の通学路を逆走したいって」
「朋也…」
『ねぇ、こっちだよ。早く捕まえてよ』
『おいおい、焦らすなよ』
夕方の波打ち際をお揃いのハートマークの付いたパンツで走っている朋也と春原の想像に萎える朋也。
芽衣がキューピッド役になろうとしていたのは朋也と渚のことだった。
突然、渚がやってきて散歩に誘われる朋也。
芽衣に何か吹き込まれた様子の渚は家に帰り、お客としてパンを買い、朋也にお金を出してもらう。
「あ、朋也くんに奢らせちゃってます」
「自分で払わせといて何言ってるんだよ」
「でも、朋也くん悪い気はしないはずです」
「どうして?」
「その…私のためだからです」
「はぁ!?あのさ、もう一回言ってくれる?」
「あまり言いたくないです…」
聞こえなかったということでもう一回言う渚は公園のベンチに座って買ってもらったパンを食べる。
「朋也くんも食べたいはずです」
「決め付けられても困るんですが…」
「じゃあ、質問の形にします。朋也くんも食べたいですか?」
「別に」
渚が食べたいと言って欲しそうなので食べたいと言う朋也だが、渚に上げないと言われ、ベンチから落ちる。
別の形でと、朋也に向かって目を閉じる渚は口から息を吐いてシナモンロールの香りを送る。
芽衣の差し金だと気づいた朋也は隠れて見ていた芽衣を追いかけようとする。
渚がおかしな行動をしていたのは不良の朋也は積極的になれないので、年上の渚がリードしないといけないと芽衣に言われたかららしい。
「私、嫌われてしまったでしょうか…?」
「んな事で嫌いになったりするかよ。それに多分、芽衣ちゃんの言ってたことは間違ってないんだ」
渚の手を握った朋也は夕食まで時間があるので散歩するのだった。
CLANNAD DVDvol.8(初回限定版)