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カテゴリ:ドラマ
救命病棟24時の第4シリーズの最終話を見ました。
2ヶ月ほど前に過酷な勤務に抗議して10人の救命医が総辞職した海南医大付属病院の高度救命救急センターは通常の機能を取り戻しつつあると報道され、澤井は患者を救う前に医者を救う事が先決だと話す。 後任の医局長を打診された楓は進藤がやめるという話を聞いて納得できずにいた。 「教えて頂けませんか?何故、進藤先生はこの病院から…」 「進藤先生は優秀すぎます。天才はチームワークと相容れない。むしろ混乱を呼ぶ。普通の医師の限界や痛みを知る者がリーダーには相応しい。だからあなたに医局長をお願いしました」 「その件ですが荷が重すぎます。私では力不足です、澤井先生の期待に添える自信がありません。お断りさせて頂きます」 進藤と楓は非番の日まで出勤している研修医の工藤が睡眠導入剤を使っていることを澤井から聞かされ驚く。 楓は工藤に無理をしないようアドバイスするも工藤は聞き入れない。 建築現場の事故でドクターカーの派遣が要請され、澤井が出動を禁止していたが、進藤が判断して楓と工藤達を現場に向かわせる。 楓は素早く診断して緊急性のない患者を工藤に任せ、重傷の患者と共に救命センターへ戻るのだが、工藤が見ていた患者が急変し、慌てて進藤に電話して指示を仰ぎ、進藤は現場に急行するが急激な出血で既に死亡してしまう。 「医者は神ではない、全ての命を救うことはできない。君はよくやった」 工藤は澤井に励まされるも、患者を死なせてしまった事がかなり心に重くのしかったようで次の日から無断欠勤をしただけでなく、アルコールを飲めないのに泥酔してビル転落して搬送されてきて、澤井自らが執刀医に手を挙げる。 「進藤先生や工藤先生の熱さを見ていると古い友人を思い出すんです。彼はある病院の救命医でした。他の医師が諦めた患者でも最後まで手を尽くした、いつも立ち向かった。呼び戻せた時の喜びは麻薬だったんでしょうね。命を助けるのが生き甲斐だった、休みも取らず働き続けていた。気がついた時、彼は病院の屋上に立ち、フェンスを乗り越えて自殺しようとしていた。…御存じですか?」 「希死念慮…」 「鬱病の症状の1つです。理由もなくただ死にたい、深刻な症状で彼は半年間の入院が必要でした。工藤先生も近い状態だったと思います。事故現場での処置は問題ありませんでした。それなのに過剰に自分を責めたのは眠れずに疲れ果てた精神状態だったからではないでしょうか。工藤先生は此処でフェンスを越えようとした、友人と同じように。今の日本の救命は医療従事者の心と体を蝕む」 「そのお友達って…」 「…明日があります。お先に」 進藤が受け入れた一度も治療費を払わない患者に澤井は強く出る。 「医者はボランティアじゃない、職業です。兎に角悪戯に救命を疲れさせるあなたのような方は2度と受け入れません」 「皆さんにお話があります。救命を崩壊させる原因は3つあります。1つ目はコンビニ医療と軽んじられる救急に来たがらない医者の意識。2つ目は国の舵取りの不味さ、国の医療予算を早急に見直す必要がある。そして3つ目は軽傷なのに救命を便利に使う者、医者の落ち度を見つけて訴訟を起こそうと身構える者、この病院は間もなく通常シフトになる。しかし、根本的な問題は何も解決していない。他の病院はどうです?このままでは究明は滅びます。私は此処を辞めます。救命改革機構の常任理事に就任します。医師と国民を啓蒙し国と戦う、今変えないと手遅れになる。慌ただしくてすみませんが、明日には此処を去ります。次期医局長の件、改めてお願いしたい」 「澤井先生、お断りしたはずです。荷が重すぎます」 「…スタッフの負担を軽くすることの意味を分かっているのは小島先生だけだ。第二の工藤先生を出さないこと、此処にいる医師達を私の古い友人のようにしないこと――全員に余裕が必要です。ギリギリの状態で受けた患者を亡くし、医療裁判の被告にされた経験のある小島先生には分かるはずだ。明日の午後までにご返答を下さい」 「分かりました」 「やはり、受け入れ制限には反対のようですね」 「助けられる命を見捨てるのは犯罪だ」 「犯罪ですか…絶対に諦めない進藤先生の姿勢を尊敬します。しかし、それが植物患者を生み、ご家族を苦しめ、国の医療予算を圧迫する。ある段階で見限って彼らに移植のドナーになってもらうのが合理的です。アメリカのERではそう考える医師がほとんどです」 「違う、此処はアメリカじゃない!!僅かでも助かる可能性があれば全力を尽くす、俺が救命医じゃないのか?」 「そういうお考えだから、この病院を辞めて頂きたい。皆があなたのような技量を持っているわけではない。あなたが先頭を走れば付いていく者は息を切らし、倒れる者も出ます。…進藤先生、辞めて下さい。それを伝えることが私の最後の仕事です。スピードが落ちても誰も転ばず、長く走り続けることが大切です」 2ヶ月間1日も休んでいなかった進藤は1日でいいから心も身体も休めてくれと楓に言われ、亡くなった妻の元へ向かう。 楓は工藤の患者の元へ向かうのだが、息子の健太は医療ミスではないのかと責めてくる。 工藤が研修医だったために疑心暗鬼になっているようで、請求書まで送られてきたことで頭に血が上ってしまっていた。 「お父様の治療に関する資料の全てです。研修医の現場での緊急手術ということで疑心暗鬼になられるお気持ちは分かります。工藤は研修医ですが、最善の処置をしました。これは正当な請求です。訴えて下さい、そうすれば工藤の処置が間違っていなかったことが法廷で証明されます」 健太に亡くなった父の最後の言葉を告げると、楓に工藤に人殺しと言ったことを謝っておいてくれと頼まれるのだった。 そして、楓は患者と向き合える環境を作るため、仲間を救うために医局長になる事を承諾し、澤井が病院を去ってすぐに病院近くの花火工場が爆発したと報道がニュースで流れ、今日は皆帰れない事を察する。 進藤もいない状況だったが、楓は呼び戻すことなく此処にいるスタッフで乗り切ろうとする。 続々と搬送される患者達に限界を迎える中で子どもの受け入れ要請が入り、渋の決断を迫られた楓は受け入れを拒否しようとするも、進藤が戻って来て受け入れることになるのだった。 その頃、澤井は岡部から会議で医療増税の話を出すなと言われ、時期を見て医療費の増税話は進めると告げられる。 「改革が遅れれば、それだけ沢山の患者が犠牲になります」 「多少の犠牲はやむを得ない」 「多少の犠牲――それは何人ですか?何人の患者が命を失えば…」 「澤井先生、政治は駆け引き、バランスなんですよ。ご理解を頂きたい」 だが、澤井は常任理事の着任の挨拶代わりに医療現場の状況を伝え、医療予算を増やして現場の改革を見直してくれと説くのだった。 「今この瞬間も受け入れ拒否に遭い、タラシ回の救急車の中で苦しんでる人がいます。あなたの家族かもしれない、明日のあなたかもしれない。勇気を出して立ち向かいましょう。ある誠実な救命医の言葉で私の提案を終わりたいと思います。助けられる命を見捨てるのは犯罪だ」 だが、工藤の容体が一転した上に、工場爆発で動けない怪我人の為にドクターカーの出動要請が入り、決断を迫られた楓は工藤の開腹手術を引き受け、進藤と山城が現場へ向かうと名乗り出る。 そこへ応援の医師として澤井が姿を現し、患者を救うために進藤と澤井が連携して緊急オペを行うのだった。 「これを最後にしてくれ。今のことは俺達がやる、明日のことはアンタに任せる。俺や小島が倒れる前に変えてくれ」 患者を避難させた後、爆発が起こって澤井が負傷してしまい、破片除去の手術を麻酔なしで澤井が耐え、病院へと搬送されるのだった。 そこへ山城に楓から電話がかかってくる。 「進藤先生、工藤くんの声を聞いて下さい」 心電計の音が携帯を通して進藤は聞かされ、進藤と山城は涙する。 工藤は目を覚まし、澤井mも松葉杖で歩けるように回復していた。 「澤井先生、申し訳ないが俺は此処を辞めるわけにはいかない。俺はアフリカで日本では考えられないような悲惨な光景を見てきた。失われていく命の中で救えたのはほんの僅かだった。虚しさに襲われたこともあったが続けてきた。誰かがやるべきことでそれを俺がやるべきだと思ってる。今は此処が俺の仕事場だ。…約束を忘れないでほしい。俺や小島が倒れる前にこの国の医療を何とかしてくれ」 進藤の言葉に和解の手を差し出した澤井は進藤に約束が果たされてからだと告げられる。 新たに着任した5人の救命医師達が新たに着任したことで海南医大高度救命救急センターは新しい一歩を踏み出し、澤井も医療改革のために現場とは違う戦場へ向かうのだった。 http://blog.livedoor.jp/daisukitv1/archives/51516212.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 24, 2009 05:44:36 AM
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