薄桜鬼 碧血録の第22話を見ました。




第22話 夢幻の薄桜
――明治二年四月 雪解けを待っていた新政府軍は遂に蝦夷に姿を現した。乙部に上陸した敵を迎え撃つために旧幕府軍は箱館の南西・松前口に陸軍奉行の大鳥さん、北西の二股口に陸軍奉行並の土方さんを司令官として布陣させた
「いいか?ここが正念場だ。銃弾は余るほど用意した、無駄玉になっても構わん。戦闘になったら撃ちまくれ。だが命だけは無駄にするなよ。戦が終わったら鱈腹酒を飲ませてやるからな、そのためにも気張ってくれよ」
新政府軍の総指揮を執るために蝦夷へと向かっていた蝦夷征討軍海陸軍総参謀・黒田了介の元に
千景が現れ、蝦夷まで送ってもらおうとする。
難攻不落だと自信を持って二股口を守る
土方の元に本部から伝令が届く。
「千鶴、撤退準備をしろ」
「…!?撤退準備ですか?」
「あぁ、大鳥さん達の松前口が突破された。ここは無傷だが、退路を断たれちまったら箱館に戻れなくなるからな」
「そうですか、折角皆さん頑張ってらっしゃったのに残念ですね」
突然発作に苦しみ始めた
土方を
千鶴は心配しながら介抱する。
「俺の体もそろそろガタが来てるようだな。せめてもう少し持ち堪えてくれるといいんだが…」
「そんなこと…そんなこと言わないでください、もう少しだなんて…。飲んで下さい、お願いします。私は大丈夫ですから」
「すまねえな…」
千鶴の首筋に刀を当ててうっすらと滲んできた血を飲んで発作が回復した
土方はやむなく二股口を退却し、五稜郭へ帰還する。
――明治二年五月一日、二股口から五稜郭に帰陣した土方さんは弁天台場を訪れ、大鳥さんや島田さん新選組隊士達と再会した。日ごとに緊張が増す中、明治二年五月七日海戦が勃発した。新政府軍の軍艦が箱館湾に突入し、旧幕府軍の軍艦は善戦するものの、劣勢に立たされ、もはや陸軍にかけるしかなかった。三日後の五月十日、旧幕府軍の兵士達は武蔵野楼にて別れの杯を交わした
「仕掛けてくるのは明日だろうな。千鶴、本当にお前…」
「私は土方さんの傍にいます、いさせて下さい」
「女に言わせてばっかじゃ格好つかねえな。俺が誰よりも守りたいのはお前だ。俺、お前に惚れてるんだろう。新選組を率いる勤めさえ終えれば死んでも構わないと思っていたが、生きたいと思う理由ができた」
「良かった、生きたいと思ってくれて…っ…本当に…」
「お前はこれからも俺の傍にいろ、逃げようとしても離さねぇから覚悟しとけ」
土方は
千鶴を抱きしめると口づけを交わすのだった。
――翌五月十一日、まだ夜も明けきらぬ中、箱館の街は新政府軍から総攻撃を受けた。弁天台場に立て篭もった大鳥さんや島田さん、新選組隊士達は背後から攻め込まれ、完全に孤立した
新政府軍の箱館総攻撃が開始され、弁天台場が新政府軍に包囲され孤立したために
土方は
千鶴と共に僅かな兵を率いて出陣するのだが、銃弾に腹部を貫かれて落馬し、
千鶴が急いで駆けつけると、血が大量に流れ出ていた。
敵の気配のない場所で血を飲ませて止血すると、五稜郭へと戻るために移動を始め、大きな桜の木の下へと辿り着く。
すると、そこに決着を着けようと
千景が現れるのだが、怪我をしている
土方を戦わせたくない
千鶴は止めようとする。
「お前は黙って見ていろ。全てを投げ打って挑んでくる奴がいるなら、真の武士としては応えるべきだろう。俺は、俺が信じたもののために戦う。生きるために必ず勝ってみせる…!!」
「生きるためにか…。力を使うほど己の寿命を縮める羅刹など所詮は紛い物だ、純血の鬼とは格が違う。貴様らは散りゆく定めにある。生き急ぐ様はまるで桜のようだ」
「生き急いでるわけじゃねえよ。ただ必要とされるものが多かっただけだ。新選組が理想とする武士の道は険しいんでな」
千景と刀を交える
土方は何度倒されても立ち上がろうとする。
「俺には守らなきゃならねえものがある。だから、たとえ鬼にだろうと負けられねえんだよ!!」
「フン、羅刹という紛い物の名は貴様の生き様には相応しくないようだな。貴様はもはや一人の鬼だ。鬼としての名をくれてやろう、“薄桜鬼”だ」
「鬼として認められるために戦ってきたわけじゃねえんだがな。もう長くは遊べねえが、それでいいだろ?」
そして、
土方は
風間を倒し、桜の花びらが舞う中で
千鶴に看取られる。
――土方さん、見えますか?みんなが掲げる誠の旗が
千鶴の涙を拭ったのは
土方の手だった。
「千鶴…」


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