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2007.06.09
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ヘロドトス「歴史」下


ヘロドトス「歴史」下巻・・・テルモピュライ、サラミスそしてプラタイア


訳は、松平千秋。


  
  ヘロドトス「歴史」上巻・・・事実は小説より
  ヘロドトス「歴史」中巻・・・自由の強さ


巻7 ポリュムニアの巻

 マラトンの戦いで、ギリシアに対してペルシア軍が敗れた報を聞いたダレイオス。

 ギリシア進攻を決意します。

 しかし、怒り心頭に発したせいか、ダレイオスは急死します。

 後を継いだのは、クセルクセス。


 このクセルクセス、当初、父王の遺志のギリシア討ちに対して興味がありません。

 しかし、遠征を延ばし延ばしにしていると、毎夜、先祖の霊より「ギリシアを討て」

 との恫喝が続きついに観念して出撃します。

 
 編成された部隊の一つが、「不死部隊(アタナトイ)」。

 ペルシア軍の精鋭一万人によって成り立つ。

 「不死部隊」と呼ばれた理由は、「隊員が死亡とか病気などの止むを得ざる事情で欠ければ、

 代わりの者が選ばれて補充され、隊員の数は決して一万を越えもせず欠けもしなかった

 からである」

 ・・・隊員一人一人が「不死」なわけではありませんでした。


 この後、ペルシア側の陸軍と海軍を指揮した人物の名前が延々と述べられるのですが、

 その中で、出色なのは、「アルテミシア」。ハリカルナッソス出身のただ一人の女性指揮官です。

 「この女性は夫の死後自ら独裁権を握り、すでに青年期に達した息子もあり、

  また万止むを得ぬ事情があったというのでもなかったのに、もって生まれた豪気勇武の気象

  から遠征に加わったのであった。・・・

  全艦隊を通じ、シドンの船についてはアルテミシアの出した船が最も評判が高かったし、

  また同盟諸国の全将領の中で最もすぐれた意見を陳べたのも彼女であった」と

  ヘロドトスもべた褒めです。


 勢揃いしたペルシア軍の陣容に満足したクセスクセスは、

 スパルタからの亡命者であるデマラトスに対し、このペルシア軍を前にしたら

 スパルタを含むギリシア軍は戦う前に降参するのではないか、と問います。

 この時のデラマトスの返答は、「300」の評で紹介したとおりです。

  映画「300(スリー・ハンドレッド)」・・・ギリシア対ペルシア、テルモピュライの戦い

 
 一方、ギリシア側は、アテナイに、テミストクレスが登場したり、

 シュラクサイの僭主ゲロンへ協力を要請するも、

 ゲロンが統帥権を譲れば協力するといったことに対して、

 陸軍はスパルタ、海軍はアテナイ以外に考えられない、として突っぱねたりします。

 
 

 峡谷のテルモピュライに陣取り、ペルシア軍を迎え撃つのは、

 スパルタのレオニダスが跡継ぎのある戦士のみで編成した「三百人隊」を核とする

 ギリシア軍4000人。

 これに対するペルシア軍は、戦闘員だけで、264万1610名。

 他に食糧の調達などを担当する輜重兵などを加えると、倍の528万3220名以上。

 
 戦闘の経過と結果は、映画を見てのお楽しみ?!


 ペルシア軍の大部隊を、3日間も釘づけにした

 レオニダスの「三百人隊」とギリシアは、途中撤退した部隊を除き、全滅。

 一方、ペルシア側も、死者二万人にのぼる。

 
 この地に残る墓碑にはこう刻まれる。

 「旅人よ、スパルタびとに伝えてよ、ここに彼らが

  おきてのままに、果てしわれらの眠りてあると。」
 


巻8 ウラニアの巻

 陸地でのテルモピュライの戦いに続いては、

 海上での「サラミス」の戦いです。

 この戦いの様子は、佐藤哲也「サラミス」で実況中継されています。

 特に、戦闘に先立ってのテミストクレスは、感銘するものであったこと、

 この書には書かれていませんが、ヘロドトスも賞賛しています。

 佐藤哲也「サラミス」・・・そのときに何者であったかが、その後に何者として見られるかを定める



巻9 カリオペの巻 

 サラミスの海戦で敗れたクセルクセスは、

 徹底抗戦を主張するマルドニオスに兵を30万人残し、

 自身は、子供も引き連れて引き上げてしまいます。


 このマルドニオスのペルシア軍とギリシア軍の決戦が、

 「プラタイアの戦い」です。

 ・・映画「300」の最後のシーンでした。

 
 ペルシア軍30万 対 ギリシア軍10万。

 ・・・結果は、ギリシアの圧勝。

 勲一等の手柄を立てたのは、テルモピュライのただ一人の生き残りアリストダモス

 でしたが、死に場所を求めて戦った奴は評価に値しない、

 として恩賞からは外されてしまいました。
 
 
 ひとまずペルシアからの脅威を追い払ったところで物語は終わります。


 ・・この後は、ギリシア内部の内紛ともいうべき

 スパルタ対アテナイのペロポネソス戦争を描いた

 トゥーキュディデース「戦史」になるのでしょうか?!





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最終更新日  2007.06.09 17:10:17
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