2013/02/23(土)13:52
マーク・ボイル「ぼくはお金を使わずに生きることにした」
マーク・ボイル「ぼくはお金を使わずに生きることにした」
訳 吉田奈緒子
紀伊國屋書店
2011年刊
29歳の1年間、お金を一切使わないと決めて実行した
アイルランドの青年のその生活ぶりを書いたもの。
≪お金はちょっと愛に似ている。
誰もが一生追い求めつづけるわりに、その正体を真に理解する人は少ない。≫
「カネなし」の大原則・・
丸一年、12か月間、金銭の授受をしないこと。
1年間、お金を使わずにすますために行ったのは、
自分がお金を使ったすべてのものをノートに書きだすことだった。
そして、
そのリストが膨大なものになることに驚きます。
リチャード・イースタリン・・
≪人はお金があればあるほど幸せになれると思いこんでいます。
というのも、収入の増加がもたらす影響について考えるとき、
「収入が増えれば増えるほどますますお金が欲しくなる」
という事実を忘れているからです。・・
それなのに、家庭生活や健康を犠牲にしてまでお金をかせごうと
しているのです。≫
<目次>
プロローグ
1. なぜ「カネなし」を選ぶのか
断絶の度合い/負債としてのお金/負債がもたらす競争社会/お金かコミュニティーか――安心感の源/株式会社「地球」/売ることと与えることの差異/カネなしになる方法/「自分が変化になりなさい」
2.カネなし生活のルール
一、「カネなし」の大原則/二、「フツー」の法則/三、ペイ・フォワードの法則/四、尊重の法則/五、「化石燃料不使用」の法則/六、「料金前払いなし」の法則
3.準備を整える
ぼくの消費行動を解剖する/インフラを構築する
◆コラム: タダで物を手に入れる/ロケットストーブの作り方
4.無買日前夜
本番一週間前/無買日前夜、2008年11月28日
◆コラム:カネなしの通信手段
5.いよいよスタート
フリーエコノミー・パーティー
6.カネなしの日常
「貧困」生活第一週/カネなし生活の典型的な一日
◆コラム:洗顔化粧品なしで清潔を保つ
7.無謀な作戦
娯楽/パンクの問題/「スロー」ライフ
◆コラム:本と紙を無料で
8.カネなしのクリスマス
現金を持たないクリスマスとは/おおみそか/冷蔵庫への帰還
◆コラム:ヒッチハイクのコツ/環境への影響が小さい移動手段
9.空腹の季節
エネルギー枯渇の季節
◆コラム:食料の野外採集/キノコで紙とインクを作る
10.春の到来
斧をふるって/恋愛問題/二杯のお茶…/富と健康は比例するのか
◆コラム:セイヨウオオバコの花粉症対策
11.招かれざる客と遠方の同志
招かれざる客/海外にいたカネなしの同志
◆コラム:環境への負荷の小さい住居
12.夏
自転車に乗って/カネなしの夏の食事/タダのランチはない?/フェスティバルの季節/地元フリーエコノミー・コミュニティーの活用
◆コラム:タダ酒! /タダで楽しむ/タダで宿泊する
13.嵐の前の静けさ
野外食料採集の冒険/沈黙の一週間/メディアの嵐 ver.2.0
◆コラム:タダでファッションを
14.一巻の終わり?
フリーエコノミー・フェスティバル2009/続けるべきかやめるべきか(それが問題だ)/決心/フリーエコノミー・コミュニティーの長期的構想/夢と現実のはざまで
◆コラム:おむついらずの子育て/タダで月経に対処する
15.カネなし生活一年の教訓
他人を過小評価しないこと/中間地点としての地域通貨/地域社会の中での自給/将来に不可欠なスキル/与え合いの有機的循環/お金は手段の一つにすぎない/必要は発明の母/物の本当の価値/最後に一言
エピローグ