システムエンジニアの晴耕雨読

2013/07/27(土)09:08

フリッツ・ブッシュ「指揮者のおしえ」

音楽(326)

フリッツ・ブッシュ「指揮者のおしえ」 訳 福田達夫 ≪オーケストラは指揮者の楽器である。  それが奏でる芸術の出来栄えは、この楽器をどう扱うかという  指揮者のやり方ひとつにかかっており、指揮者がまっさきに結果の責任を  問われる。≫ 「指揮者は見たり聴いたりできねばならない。  指揮者は沈着敏速で精力的であるという素質の持主でなければならない」(ベルリオーズ) ≪指揮者たるものは<先取りして>前もって聴いたり感じたりできなければならない、  とまでいいたい。  音楽に関しても突発事故に左右されることが最も多いオペラにおいて特に、  指揮者は数小節を先取りして感じていなければならない。  今、暴風雨(あらし)が来るぞ! - そこで、精神集中を強めて、  船を安全に、岩礁を避けて進ませなければならない。≫ ≪指揮者はどんなにささやかな仕事の際にも決して成り行きまかせにしないように  すべきだ。すこしでも投げやりであると、たちまちそれが共演者(楽員たち)に  うつるからだ。  指揮者は常に、自分が作曲家に対して最大の責任を負っているのだと  意識していなくてはならない。≫ ≪・・私は今日でも、演奏家のなかの「埋もれた天才」というものを信じない。  私が実生活の経験から教えられたのは、結局だれも皆運命により自分に  割り振られた場所を占めるものだということである。≫ 「綿密過ぎるという悪評を恐れず、むしろ<徹底的であること>  が本当に面白いのだと考えたい」(トーマス・マン『魔の山』まえがき) <目次> 序文 職業と、それを天職と覚ること いろいろな基礎とそのための訓練 文献に学ぶ オペラ 歌手 拍指示の技術 オーケストラ リハーサル 合唱指揮者 あとがき  [著者]フリッツ・ブッシュ  [訳]福田達夫

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る