システムエンジニアの晴耕雨読

2014/04/20(日)09:36

西森マリー「レッド・ステイツの真実――アメリカの知られざる実像に迫る」

書評・読書メモ(2322)

西森マリー「レッド・ステイツの真実――アメリカの知られざる実像に迫る」 研究社 2011年刊  ブルー・ステイツとレッド・ステイツに分裂するアメリカ。  ブルー・ステイツ・・民主党の強い都会型・工業地帯の州  レッド・ステイツ・・共和党の強い非都会型・農業地帯の州  民主党の支持基盤は、労働組合員とリベラルな思想を持つインテリ層と               黒人の9割、ヒスパニックの大多数  一方、  共和党の支持基盤は、ビジネス優遇の政策のため「金持ちの党」と思われるものの、   ほとんどが中流以下の貧困層。経済的には弱者となるにもかかわらず、   彼らが共和党を支持するのは、彼らが「保守的なキリスト教徒」であるから。    彼らはどんなことを考えているのか? ≪民主党は地道に働いている人々から税金を巻き上げて失業者や貧者に食糧配給券を配る党だが、  共和党は失業者や貧者に職業訓練を施して自立させてくれる党だ≫  また、有名な進化論の否定の裏には、こんな彼らの信念があります。  右派キリスト教徒による、高校の生物学の教科書にある記載。 ・「聖書に記さていることは全て真実であり、人間が言うことは正しいときもあれば   正しくないときもある」というのがクリスチャンが取るべき姿勢である。 ・科学が出した結論が神の言葉と矛盾するときは、  いかに多くの科学的事実に裏付けされようとも、その結論は間違っている。 ・クリスチャンは、聖書と矛盾することは無視しなければならない。  また、環境問題に対しても、環境保護には否定的です。  神は、「地球はあなたがかたのものです。自分のものにしなさい。搾取しなさい。  あなたがたのものですから」と言っている、といいます。  この原文がひどい。  God says, "Earth is yours. Take it. Rape it. It's yours."  もっとも、環境保護の顔であるアル・ゴアが、  環境保護の講演会のために、自家用ジェットで飛び回っており、  「偽善者 hypocrite」と呼ばれていたことは意外でした(>_

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