カテゴリ:脳科学
池谷裕二・中村うさぎ「脳はこんなに悩ましい」 新潮社 2012年刊 脳ができたのは、生物にとって、とても最近のことになる。 地球上に生命が誕生して38億年経つが、 生物が脳を獲得したのはわずか5億年であり、 身体はまだうまく脳を活用できていないのかもしれない。 脳は、常に、膨大なエネルギーを作って、 目一杯にフル活動している。 でも、物を認識したり、手を動かすといった感覚や運動に使われているのは、 わずか5%にすぎない。 残りの暗黒エネルギーの意味はわかっていない。 それがわかれば、うつや統合失調症なども解明できるかもしれない。 ところで、 妄想や幻覚を見る統合失調症は、通常十代後半以降に発症するが、 その発病率は、なんと人口の1%・・・べらぼうに高い。 症状は、前頭葉のドーパミンのシステム不全から現われる。 ・・世に、幽霊話が多いのも、さもありなん、と思います。 実は、太平洋戦争の最中には、うつは少なかった。 戦時下の悲惨な状況、どん底にいるときは、うつに罹ってはいられない。 生き延びるのに精いっぱいな時は、うつにならず、 生きることに余裕ができ、将来を憂える時間があると、発生率が高まる。 うつ症状は、薬でなく、軽めのエクササイズ、散歩でも効く。 薬に頼るよりも、歩いた方がいい。 眠ることは、最大のストレス解消である。 睡眠のリセット力は、想像以上にすごい。 <目次> 第1章 ひらめきの男、直感の女 (常にフル活動する脳 美と病のあいだ ほか) 第2章 ダマし合う脳と身体 (アルツハイマー治療薬で医療費が爆発!? 「美しい」には法則がある ほか) 第3章 脳はなぜ生まれたのか (脳とうつ病の関係 驚異の「睡眠リセット力」 ほか) 第4章 脳は遺伝子から自由になれるのか (遺伝子診断をやってみた! ハゲと耳アカは遺伝で決まる ほか) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.08.03 11:49:19
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