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2016.06.09
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カテゴリ:脳科学

【楽天ブックスならいつでも送料無料】記憶の森を育てる [ 茂木健一郎 ]
茂木健一郎「記憶の森を育てる 意識と人工知能」

集英社

2015年刊





≪今こそ、論じられるべき問題がある。

 人工知能は、その一つだろう。

 人工知能の「耐えられない狭さ」。

 しかしそれゆえの有能さに、どのように向き合うか。≫




 意識と人工知能との比較をしてみると・・

 意識では、

 データ:ビッグ・データ(物理的オーバーフロー)

 解析 :志向的クオリア(概略認知を含む)と
     感覚的クオリア(現象学的オーバーフロー)

 出力 :意思決定、判断、身体性に基づく運動(言語を含む)


 一方、人工知能では、

 データ:ビッグ・データ

 解析 :統計的解析、評価関数による最適化

 出力 :デジタルデータ(限られた身体性) 



≪この世界におけるどのような「普遍」も、「私」や「あなた」という、

 「N=1」の個別性にこそ宿る。≫

だから、

≪一般に、統計は「意味」には迫れない。

 ところが、統計でも意味は扱えるのだという擬制が行われ、

 現在の人工知能の開発は基本的にその路線から行われている。≫



≪意味の本質を解明しようとする際には、統計的なアプローチはなぜ無力なのか。

 端的に言えば、意識とは、「今、ここ」の、「N=1」の問題だからである。≫


≪私たちの意識内容は、「今、ここ」の脳活動によって生み出されるものであって、

 その背後にあるのは統計的な法則によって説明されるものではない。≫



 人工知能は、狭い。

 しかし、にんげんの精神世界の活動も、同様に狭いのかもしれない。

≪人間は、一つの課題に集中している時、他のすべてを排斥している。

 チェス、将棋、囲碁のチャンピオンが盤面に向かって発揮する集中力は素晴らしい。

 その時、多くのものが除かれている。≫

つまり、

≪人工知能のこのような「狭さ」を通した「卓越性」は、

 人間が本来持っている傾向の「スペクトラム」の中にある。≫

 狭さゆえに、卓越する。・・サヴァン症の能力と同様に。





≪・・現在の人工知能のアプローチでは、意識の謎は解けないし、

 私たちの身体性も担保できない。

 人工知能を支えている「統計的」な手法は、結局、「今、ここ」の

 存在の重みから遠い。≫



<目次>
はじめに

第1章記憶と意識
過去を今につなぐもの
意識の採掘人
意識の進化のオーバーフロー理論
意識と統計的アプローチ
フローと超越的体験

第2章場所と記憶
瓦礫を一つひとつ拾うこと
なぜ、人はそこに行かなければならないのか
中谷宇吉郎と青首
グリーンフラッシュさえ、見たことがあるのかもしれない
ダウン・アンダーの空気
言葉と国家

第3章神と人工知能
重さを感じて生きる
対話と知性
人工知能の散歩

あとがき





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最終更新日  2016.06.09 23:36:41
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