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LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 リンダ・グラットン&アンドリュー・スコット 訳 池村 千秋 東洋経済新報社 2016年刊 LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 仕事の未来・・LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 第4章 見えない「資産」――お金に換算できないもの 「お金」は大切だが、多くの人にとって、「お金」そのものが目的ではない。 「お金」を使って、手に入れられるものを求めている。 ≪・・やさしい家族、素晴らしい友人、高度なスキルと知識、 肉体的・精神的な健康に恵まれた人生を『よい人生』と考える。≫ これら無形の資産は、有形の金銭的資産と同じか、それ以上に大切である。 ≪よい人生を生きたければ、有形と無形の両方の資産を充実させ、 両者のバランスを取り、相乗効果を生み出す必要がある。≫ 無形資産は、大きく3つに分けられる。 ・・3つ目の資産は、予想外で驚きです(*_*; 1.生産性資産 人が仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素のこと。 スキルと知識など。 2.活力資産 肉体的・精神的な健康と幸福のこと。 健康、友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係など。 3.変身資産 100年ライフを生きる過程で、大きな変化を経験し、多くの変身を遂げることになる。 そのために必要な資産を指す。 自分についてよく知っていること、多様性に富んだ人的ネットワークをもっていること、 新しい経験に対して開かれた姿勢をもっていることなど。 1.生産性資産 ≪長く生産的な人生を送るためには、スキルと知識に投資することが不可欠だ。 学習と教育は大きな金銭的恩恵をもたらす。≫ ≪人生を100年とすれば、私たちは一生の間に87万3000時間をもっていることになる。 なんらかの専門技能を習得するには1万時間が必要だとよく言われるが、 これだけ多くの時間をもっていれば、生涯に複数の専門技能を学ぶことは不可能ではない・・≫ 今後、テクノロジーはどんどん進展する。 機械学習と人工知能が大きく進歩しても価値を失わないスキルや知識とは何だろうか? 一般論としては、テクノロジーがさらに進歩した時代に、 教育と学習と研修がキャリアを後押しする方法は3つある。 1つ目は、新しいアイデアと創造性をはぐくむのを助けること。 アイデア、イノベーション、創造性、起業家精神が重視される。 2つ目は、人間ならではのスキルと共感能力を発揮できるようにすること。 情報を取り出すスキルではなく、 高度な直観的判断、対人関係、チームのモチベーションの向上、意思決定スキル 3つ目は、思考の柔軟性と敏捷性など、あらゆる分野で通用する重要な汎用スキルをはぐくむことだ。 求められるのは、問題解決能力であるが、 そのためには、マニュアル化できない暗黙知がさらに重要になる。 ≪暗黙知は、身につけるのは簡単ではないが、きわめて大きな経済的価値をもつ。 それは知恵と洞察の直感の土台であり、実践と繰り返しと観察を通じてはじめて獲得できるものだからだ。≫ 2.活力資産 ≪幸福な人生に関しておそらく最も重要な科学的発見は、 明晰で健康な脳を保つ必要があるという点だろう。≫ 加齢により脳の機能が低下するペースは、3分の1は遺伝であるが、 残りは、各自の行動と習慣による。 ≪具体的には、日々の行動、コミュニティとの関わり方、人間関係の強さ、肉体的健康、 食事などが関係してくる。≫ 筋肉を鍛えるように、脳を繰り返し使用して訓練を積むことで、 機能を高めたり、ダメージからの回復を後押しすることができる。 3.変身資産 「移行」に成功するための条件は、3つある。 1つ目は、自分についてある程度理解していることが不可欠になる。 いまの自分を知り、将来の自分の可能性を知らなくてはならない。 自分の過去、現在、未来について、ほぼ絶え間なく自問し続けることである。 この過程で、自分についての知識が要求される。 2つ目は、変身を遂げるとき、人は新しい人的ネットワークに加わる。 活力と多様性に富むネットワークをすでに築いている人ほど、円滑な移行を遂げやすい。 自分がどのように変身できるかについて、多様なロールモデルやイメージやシンボルが 得られるからだ。 3つ目は、変身のプロセスが、「受け身」の経験ではないこと。 考えることではなく、行動することで変化に到達する。 そうした新しい経験に対して開かれた姿勢こそ、変身資産に活力をもたらす。 <目次> 日本語版への序文 序 章 100年ライフ 第1章 長い生涯――長寿という贈り物 第2章 過去の資金計画――教育・仕事・引退モデルの崩壊 第3章 雇用の未来――機械化・AI後の働き方 第4章 見えない「資産」――お金に換算できないもの 第5章 新しいシナリオ――可能性を広げる 第6章 新しいステージ――選択肢の多様化 第7章 新しいお金の考え方――必要な資金をどう得るか 第8章 新しい時間の使い方――自分のリ・クリエーションへ 第9章 未来の人間関係――私生活はこう変わる 終 章 変革への課題 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.01.02 09:11:47
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