カテゴリ:書評・読書メモ
内永ゆか子「日本企業が欲しがる「グローバル人材」の必須スキル」 朝日新聞出版 2011年刊 内永さんの経歴・・日本IBMで36年の経験を経て、ベルリッツのCEO・・グローバル企業の CEOになる。本書、「グローバル人材」に求められるスキルを述べています。 冒頭、もはや「グローバル化なんて関係ない!」と言える人など存在しない、と指摘します。 ≪・・企業の規模にかかわらず、他社が持たない強みを持って世界に打って出れば、 海外の企業と対等に渡り合える。 逆を言えば、今や、どのような企業であっても「日本国内で、日本人のみのチームで 製品やサービスを開発する。販売相手も日本人だけ」という業態では生き残れない。≫ ≪「国内にチャンスがないから、出る」のではなく、 「世界にチャンスがあるから、出る」。 そして、そのチャンスをつかみ取って、自分を輝かせ、ひいては日本全体に活力を 呼び起こす。≫ ≪グローバルな世界では、何よりも「個」が物を言います。 国籍、人種、性別、年齢の別なく、実に多様なバックグラウンドを持ったメンバーが プレーする場ですから、そこではあらゆる差異が取っ払われて、 「能力」と「結果」が唯一の判断基準、評価基準になります。≫ 以前であれば、「若者」や「女性」の発言や影響力は認められませんでしたが、 個人レベルの働きかけでも世界を変えていけるようになった。 ≪その意味で、私たちは今、きわめてフェアでおもしろい時代を生きているといえます。≫ 外国企業のポリシー・・ ≪優秀な人材はグローバルに配置する。その企業の国籍や市場がどこかを問わず、 いい人材を成長市場に送り込む。これが世界のスタンダードです。≫ ≪私は常々、グローバル人材の素養として、現地で生活することで得られるような 「肌感覚」が大事だと考えています。≫ ≪自分と言葉もバックグラウンドも異なる人たちが、何を考え、何を求めているのかを 読み取る能力。それがビジネスの現場で必要とされているわけですが、 日本人のビジネスパーソンには決定的に不足している。≫ グローバル人材になるための6つの条件・・ 1.論理力 「英語」を超える世界最強のツール 「論理的に話す」とは、きわめてシンプルなファクト(事実)ベースのコミュニケーションを意味する。 まず最初に、ゴール設定の根拠を合意する。 次の段階で、ゴールに向けて、「何を」「どのように」進めていくかを話し合う。 さらに、「何をもって成功とし、何をもって失敗とするのか」の評価基準を共有しておくこと。 2.ゼロベース・コミュニケーション 脱・「あうんの呼吸」 ≪ミックスカルチャーが前提であるグローバルな世界でも同様に、 「言わなくてわかる」ベースがない以上、 「言葉ですべて表現する」しかない。これが、基本ルールとなります。≫ 世界のコミュニケーションスタイルには、2つある。 ハイコンテクスト(暗示的) vs ローコンテクスト(明示的) ≪ほぼ単一民族に支えられていた単一文化(モノカルチャー)が成り立っている日本、 そこで行われている日本語のコミュニケーションは、絶対的にハイコンテクストです。≫ でも、 ≪ローコンテクストの文化圏では、相手の考えていることを察したり、 空気を読む気遣いをしたりするよりも、言語によるコミュニケーション能力を 磨くことを最優先に考えるべきです。≫ そこでは、 物事をロジカルに考える思考力、 順序立ててわかりやすく伝える説明力、 腑に落ちるまでトコトン議論するディベート力、 「win-win」の条件を引き出す交渉力など、 言葉に裏付けられたスキルが物を言う。 3.「違い」を理解する力 ≪グローバル社会では、「一人一人違う」のが当たり前。 日本人同士ならば「そうそう」と同調してもらえることが、 「なぜ?」といぶかしげに問われるのは、むしろ日常です。≫ 4.「そこそこ」の英語力 「英語オタク」ではなく、「タフな実践レベル」の英語を使えるようになる。 5.「自分」を語る力 ≪日本と日本人に対して、外国人は並々ならぬ興味を持っていますから、 質問の嵐はまず避けられないでしょう。≫ ここで、「I don't know.(知りません)」「I have no idea.(わかりません)」だと、 相手はがっかりしてしまう。 6.名刺なしで付き合える人脈 「肩書」ではなく、「個」として話す。 <目次> プロローグ 「変わる」ことを恐れているヒマはない! 第1章 民族大移動―「あうんの呼吸」が通用しない! 第2章 内永流・世界と渡り合う人材になるための6つの条件 第3章 どこでも使える人材になるために 第4章 「国際試合」の基本ルールを学ぼう 第5章 これが「使える」英語だ!―内永流・実践テクニック 第6章 ブレない「個」を作る エピローグ 「Execution」あるのみ! 付録 APPENDIX お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.03.07 22:57:32
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