2017/07/02(日)08:50
君は今のままで中国人と互角に仕事ができるか?: さらに図太く、斬新に働く法
君は今のままで中国人と互角に仕事ができるか?: さらに図太く、斬新に働く法
田原 総一朗、宋 文洲
三笠書房
2014年刊
日本の教育に最も欠けているもの・・
それは、「競争意識」
今後、英語・中国語と同様、
《「競争意識」はこれからの時代を生き抜くうえで不可欠なもの》だ、と宋さん指摘します。
危惧しているのは、
《今の日本の教育で育った子どもたちが、大人になって海外に出たら、
海外の苛烈な競争社会で生きるのは、相当なストレスになるのではないか。
ましてや、海外の競争社会で勝ち抜くことなど、難しいのではないか、》
一方、
《中国の親が子どもに求めているもの、それは「学力」だけでなく、
厳しい世界を生き抜くための「競争力」》である、と。
《中国人に対して「あなたを終身雇用しましょう」などと言ったら、
間違いなく怒ります。
私はあんたの奴隷じゃない。私の将来は私の好きなように決める」といった具合。》
・・一方、10年勤続すると、終身雇用の権利が得られる・・企業側が辞めさせることは
難しくなるため、8~9年目になる社員の扱いは、とても悩ましくなります。
40近くになると、日本と同様、ぶらさがり社員も増えてくるため(-_-;)
《中国では、日本と比較にならないほど転職が一般的。
「転職によってキャリアアップできる」と考えれば、すぐに今の会社を辞める。》
20代から30代前半までの、給与が安く、役職がつくまでが顕著です。
・・最近の日本も同じかも。
《会社への帰属意識が薄いのではなく、そもそも帰属意識という概念がない。》
でも、転職が当たり前の中国のマイナス面としては、
《それは、「優秀な技術者が育たないこと。
中国人は「儲かる業界」「儲かる職種」を目指して安易に転職をするから、
しっかりとした技術を身につける時間がない。
目先の利益を優先しすぎる。
だから、中国製品の品質は、いつまでたっても日本に追いつかない。》
・・「技術力を高めよう」よりも、「もっと儲けたい」の意識が強すぎる気がします。
でも、宋さんから日本人へのアドバイスとしては、
《異なる環境への適合は、生存力の基本。
だから、日本のビジネスマンには「もっと転職を積極的に考えるべきだ」と言いたい。》
<目次>
1章 彼らより「図太く、賢く働く」には何が必要か?
(「いい人」を評価する日本、「強い人」を評価する中国
メンツに縛られる中国人、空気に縛られる日本人)
2章 でも、ここは変だよ!日本人のビジネス
(同じ黄色人種だからこそ、理解できないことがある
日本人の盲点―日本は顔社会。面識がない人と仕事をしない
世界一泥臭い「日本の営業」で、世界一高度な「日本の技術」を売れる?)
3章 中国人と議論しても絶対負けない法
(中国人が信頼する日本人は、ケンカができる日本人
日本人の「礼儀正しさ」に、中国人は「悪だくみ」を感じる
どんな問題にも「正解」はない。だから「発言」する人の時代)
4章 「成功する工夫」より「失敗を活かす工夫」をしよう
(器用貧乏のジェネラリストでは、中国のスペシャリストに喰われるだけ
上から言われたことを、そのままやらないクセをつける
「失敗を恥と思う」克服すべき日本人の弱点)
5章 そして君は今、世界の誰とでも互角に仕事ができる
(企業も個人も成熟なんかしない。成長と衰退の二つしかない
中国人を味方につければ、日本人にとって鬼に金棒
日本人がこれから、さらに図太く、賢く生きる法)