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2010.06.28
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カテゴリ:モータースポーツ
 バレンシアは市街地コースなので、追い越しがしにくい。予選の順位の通りの行列レースになりやすい。その退屈さを破ったのは、またしてもレッドブルだったことに驚かされる。レッドブルが独走できないのは宿命かもしれない。
 予選2位のウェバーはスタートに失敗して、渋滞の中に囲まれてしまった。この囲みを解くには、知恵を絞らねばならない。そこで、早めのタイヤ交換を行って、渋滞から抜け出る作戦をとる。この作戦をとったのは、摩耗の速いソフトタイヤとなかなか摩耗しないハードタイヤの極端な組み合わせが根底にある。タイヤ交換すると一気に順位が下がり、新参グループに出会うことになる。同一周回で青旗は出ないから、実力で追い越さねばならない。
 二つ目の深刻な問題が露呈された。レッドブルとロータスでは、あまりに空力性能が違う。高速でコースを抜けられるレッドブルと違い、ロータスはブレーキを使って速度を落とす必要がある。コバライネンに接近したウェバーは、ロータスの早めのブレーキポイントを予測できなかった。ロータスの急激な減速に対応できずに接触してしまう。大きな速度差のレーシングマシンが接触すると、莫大なエネルギーが発生する。ウェバーは弾き飛ばされてクラッシュした。
 この事故により、セイフティカーが出動した。2位のハミルトンは前を塞がれてベッテルに逃げられることを恐れた。セイフティーカ―を追い越しすることはご法度なのだが、追撃だけを考えていたハミルトンは、ペナルティ覚悟の追い越しを断行する。これに驚いたのが、フェラーリの常識人アロンソだった。アロンソの選択肢は二つあった。ハミルトンのようにルールを破ってベッテルを追撃する方法と、順法精神を優先してセイフティカーに従う方法だった。優等生のアロンソはじっとこらえてルールに従った。
 多くのチームはスタート時にソフトタイヤを選択していた。ピットインしてタイヤ交換を行う機会が与えられる。ところが、ザウバーの小林だけはハードタイヤを装着していたから、交換する必要がなかった。その作戦のおかげで、予選18位から3位への急上昇が可能になった。ザウバーのマシンがトップグループで走るのは珍しい光景だろう。すぐにバトンに追い越されると思っていたのに、なかなか抜かせない。なんと53周までタイヤ交換を引っ張って、9位で復帰することになる。10周しか持たないソフトタイヤと50周も走れてしまうハードタイヤの組み合わせが、予想外の結果を生み出した。
 ベッテルの速さは別次元だった。トップを快走する時のベッテルと止めることができるのは、降雨とマシン・トラブルしかない。ハミルトンはペナルティを科せられたが、うまくすり抜けて2位にもぐりこんだ。闘争心を抑えて走ったバトンが3位を獲得する。レース最後の見せ場は、小林のファイトだった。フェラーリとトロ・ロッソをごぼう抜きして、数少ないチャンスをものにした。こういう場面に得意技を発揮しておかないと。この厳しい世界では生き残れない。落ち目だったザウバーを引き立たせただけでも、効果は大きい。小林はF1世界で生き残れるかもしれない。





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Last updated  2010.06.28 09:33:26
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