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国際経済

2010.07.16
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カテゴリ:国際経済
 小泉改革の一環として、金融の自由化が断行され、数多くの新銀行が設立されてきた。ネット銀行のような手軽なものから、為替取引や投資に重きを置く金融機関が生まれている。いずれもが小規模であり、本格的な金融機関業務を行うというよりも、自由化の旗に踊らされて設立されたというのが実態だろう。これだけ金融機関が存在する中で、独自性を打ち出すのは容易ではない。
 企業に資金を貸し出して、利子を儲けるという過去の銀行の姿が絶対視されなくなった。莫大な資金を集めて安定した方法で資金を運用するというよりも、投資業務などで収益を上げるという欧米の手法に習うようになった。どこに投資するかは、銀行家の腕次第と見られていたが、自由化の旗だけでは収益を上げられない厳しい競争に直面している。
 日本の場合、信用を第一にする金融機関でなければ存続できない。世界規模のメガバンクが多数あり、それらと互角に戦わねばならない。金融の美味しい部分は、とっくに分割されて、手の届かないところに祭り上げられてしまった。設立された新銀行が利益を上げていくかは難しい。中小企業は資金難に直面しているから、高利貸路線でも通用するという論理は甘かった。
 設立されたばかりの日本振興銀行には、そもそも顧客がいない。にもかかわらず、赤字運営を認めないというのが金融庁の方針なので、あらゆる手段を練って黒字化を達成する必要があった。そこで、融資先を探す代わりに、債権を買い取りすることが始まった。自分たちで融資先を探すのではなく、商工ローンなどの債権を安く買い取って、そこから利益を生み出すという手法になる。
ところが、買い取った債権の中に危ない債権が多数混ざっていた。1000億円もの資金で買収したのに火傷するしかない。この事態が公開されると、多額の損失が生まれ、銀行経営が挫折する。そこで、徹底した隠ぺい工作が行われるようになったらしい。木村ワンマン体制だったことも、銀行内の批判の声を打ち消してきた。
 金融機関が金を貸して利子を取り、営業を成立させるには信用が必要になる。信頼関係を築くには、長い期間が必要になる。高利貸しのような戦略で突き進んでも、世の中には受け入れられない。何のために閉ざされていた門を開き、特定の人物たちに利権を与えたかが追求されるだろう。今回の事件は政府の金融方針を複雑に絡み合っている。どうして木村グループに銀行免許が与えられたかが解明のカギになる。






Last updated  2010.07.19 16:12:03
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2010.06.26
カテゴリ:国際経済
 メキシコ湾の海底油田事故は、太平洋を隔てた日本人に無縁と思われてきたのに、三井石油開発が採掘事業に深くかかわっていることが明らかになり、損害を賠償せざるを得ない立場に立たされている。米国社会では、原油流出事故を起こしたBPの責任が徹底的に追及され、環境汚染や漁業などの損害を全額賠償することになっている。被害総額は1兆円とも、2兆円ともいわれて、はっきりしない。原油の流出が続いている現状からみると、損害額は増加するばかりである。
 三井石油開発がメキシコ湾海底油田にかかわることになったのは、資源獲得競争の激化だろう。石油が産出できる地域は限られていて、すでに利権も確立している。日本人が後から出かけて行っても、新たな石油地帯を発見することは難しい。そこで、BPとの共同開発に喜んで乗ったのだが、メキシコ湾の事故ですべては失われてしまった。多額の賠償金が待ち構えている。メキシコ湾地域で石油を継続して採掘できる保証はなく、すべての海底油田開発はオバマ政権に凍結させられている。何の利益も上げていないのに、巨額な賠償金だけがのしかかる立場に追い込まれている。
 メキシコ湾の海底油田事故の原因は分かっていない。1600メートルの海底において、想定外の強い圧力が石油噴出孔にかかり、施設が大爆発したと考えられている。BPは爆発に対して有効な対策を打てず、流出する原油を船に吸い上げる作業を続けているにすぎない。あふれだす原油の量に対して、救いあげられる量が限られているから、湾岸地域の汚染は拡大を続けている。噴出圧力の高さが原因とすれば、下がるまで待つしかない。
 オバマ政権はすべての汚染損害に対して、BPが賠償することを命じている。それゆえに、石油メジャーのBPといえども、将来を楽観視できない。BPのお粗末さは、事故が起きた時の対応がほとんどされていない状況にある。今まで海底の爆発事故はなかったから、対応策を練っておく必要がないというのは無責任すぎる。事故が起きてから、さまざまな実験を重ねて、解決策を探るというのもお粗末すぎる。有効な解決策が発見されたころには、メキシコ湾の漁業が壊滅する可能性すらある。






Last updated  2010.06.26 20:15:48
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2010.06.23
カテゴリ:国際経済
 旧ソ連構成国であったベラルーシは、ロシアから西欧に天然ガスを供給するパイプラインが通過している。ロシアの天然ガス価格には、国際価格と国内価格の二つがあり、ウクライナとベラルーシは旧ソ連構成国なので、ロシア国内向けと同等の安い価格で天然ガスを入手していた。ウクライナやベラルーシがロシア経済圏から離脱し、EUに接近するようになってから、天然ガス価格がもめるようになっている。ガスブロムは、ベラルーシにEUと同等の国際価格を受け入れるように主張する。しかし、天然ガス価格が値上がりすると、インフレ圧力が強まり、国民の不満が高まる。そこで、ウクライナとベラルーシは、値上げ分の支払いを遅らせて、ガスブロムと対立していた。
 プーチン政権になってから、ロシアの国益を第一にする政策を打ち出している。天然ガスの値上げ分を支払わないウクライナやベラルーシに供給削減を行って、資源対立の火種になってきた。欧州に輸出する天然ガスはベラルーシを通過するから、ベラルーシ政府がパイプラインを切断すると、ロシアの輸出も不可能になる。天然ガスの輸出を円滑に行うには、ベラルーシ政府の協力が欠かせず、政治的な妥協が重ねられてきた。
 石油価格と天然ガス価格は、ロシアの戦略的な輸出品になる。ロシアと敵対する政府に対しては、制裁的な政策を断行する。ベラルーシが値上げ分を支払わないのであれば、ガスの量を削減すると警告していた。ベラルーシはロシアの主張する価格を受け入れるつもりはなく、ガス供給の削減に対して、パイプラインそのものを停止させている。欧州側には天然ガスが流れなくなり、ロシアに対する反発が生まれることを利用して、天然ガスの価格交渉を行うつもりらしい。
 政治的な不安定状態にある中東の産油国に比較すると、ロシアは安定している。しかし、旧ソ連構成国であったウクライナやベラルーシとの対立が起こり、何度もパイプラインが切断されてきた。長大なパイプラインの代わりは存在しないから、ロシアとベラルーシの政治的な交渉を黙ってみているしかない。そもそも、ロシアに天然ガスを頼ることが正しいのかという声が起きるのも無理はない。しかし、石油や天然ガスの産出地は限定されていて、ロシアを失うことは、経済的なダメージを受ける。そこで、調停工作が裏側で行われるのだが、何度も繰り返されるパイプラインのトラブルにうんざりしているというのが実情かもしれないなあ。






Last updated  2010.06.23 18:38:16
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2010.06.08
カテゴリ:国際経済
 ハンガリーの新政権がデフォルトを口にしたことで、全世界の株価が動揺している。小国の愚痴が世界の株式を動かす理由は、ユーロの弱体化を投資家が狙っているからになる。ハンガリーは加盟条件を満たしていないために、ユーロ同盟に加われない。それどころか、IMFから資金援助を受けた立場にある。ところが、ハンガリーの新政権は、大胆な経済改革を狙っている。前政権のように素直にEUのお説教を聞いていると、経済が弱体化することを悟っているからになる。
 新政権の公約は、大幅減税とユーロ建てローンの廃止にある。経済が苦境に立たされているのは、財政の削減と増税とユーロ加盟の重圧にあると考えているらしい。国際的批判を黙殺して、大幅減税を断行すれば、国家収入は激減する。赤字国債がGNP比3%の限度を超えてしまう。経済苦境を乗り切るには、大幅減税によって景気を拡大し、GNPそのものを増やすしかない。GNPが2%程度しか増えないのでは、すべての希望が消える。歳出削減は不況に輪をかける。減税して、歳出削減をしないと、あっという間にギリシャの二の舞になる。
 減税を公約しながら、EUに批判されたくらいで破棄すると、次の選挙で負ける。IMFの言うままになって、赤字削減だけに政策を集中すれば、不況に輪をかけてしまう。旧政権のやり方を批判した以上、別の政策を断行するしかない、それで、ユーロ加盟条件をクリアできなくても、国民は文句を言わないだろう。公約を破棄して、何もせずにいれば、確実に政権が転覆する。新政権の本音は見えている。ハンガリー動乱のように、EUの包囲網を破らねばならない。
 EUは全欧州を組織化することを目標にしてきた。西欧の先進国だけでなく、東欧諸国や旧ソ連構成国まで吸収するとなると、危険度は高くなる。EUが先進6カ国だけで構成されていたならば、通貨同盟は理想的な経済政策になっていた。南欧や東欧にまで手を広げると、EU基準に合わない国が出てくるのは仕方がない。危険を覚悟の上で、欧州を拡大することに熱意を注いできた。だが、国家が存在する以上、経済政策の規制には限界がある。政権が倒れると約束は御破算になる。
 ハンガリーの政権が減税の公約を破棄して、EUの方針に従うのか、それとも独自の路線を突き進むかは見えていない。国際世論に怒られて何もできなかった前政権の二の舞にならないためには、改革を突き進めるしかない。その先に舞っているのがユーロ加盟断念であっても、選挙で負けてしまえば何もならない。チャンスは今しかなく、ハンガリー政府は噴火口に飛び込もうとしている。何が起きるかは女神だけが知っている。






Last updated  2010.06.09 18:56:53
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2010.06.07
カテゴリ:国際経済
 中国と北朝鮮の国境地帯鴨緑江で密輸船が銃撃され、2人が死亡している。正規の貿易商は限られているから、二国間の物資の多くは密輸で動く。物資不足の北朝鮮にとって、密輸品は生活をうるおす手段になる。それゆえに、国境警備隊は見て見ぬふりをしていた。密輸を取り締まると、闇市場で物価が値上がりする。統制経済の国で闇市場の物価が高騰したら、国民は生活できなくなる。政府も、警備隊も、事情を熟知しており、密輸が黙認されてきた背景になる。 
 中国と北朝鮮との貿易は、正規ルートと密輸ルートの二つがある。正式に輸入する物資は、まず一般国民の手元にはいらない。帰国する列車に乗る旅行者が山のような荷物を抱えているのも、北朝鮮の生活の知恵だろう。生活に不足する食料品や生活物資をどうするかという問題を政府は解決していない。
 中朝の国境戦は長いので、闇物資を監視することは難しい。中国側には同族が住んでいて言葉も通じるし、物資を手配してくれる。中国は経済成長に伴って急速に生活が豊かになっている。食糧や衣料品は豊富であり、国境を越えて運べば、莫大な利益を得ることができる。横流しされた鉄鋼や銅などの原材料を中国商人も安く手に入れることができる。双方にとってプラスの多い密貿易だが、北朝鮮政府は監視を厳しくし始めているという。今回の銃撃も、密輸に対する警備隊の姿勢が変化したことを暗示している。どうなることやら。






Last updated  2010.06.07 17:52:33
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2010.06.02
カテゴリ:国際経済
 中国にあるホンダ工場が生産停止している。駆動部品を生産する工場が全面的なストライキに突入したからになる。中国人は勤勉で、どんな命令にも逆らわないと思われてきた時代は終わったらしい。ホンダ工場で働く従業員の月収が1万2千円という事実にも驚かされた。これでは、豊かな生活などできないし、車や液晶TVでさえも買うことは難しい。工場側は、従業員に誓約書を書かせようとしたことが混乱を生み出したという。ストライキに参加したり、反乱分子に賛同しないという誓約書を提出させようとしたのである。これでは、いくらなんでも労働者の感情が爆発してしまう。
 日本メーカーの中国工場は待遇が良いと信じられていたのに、蟹工船と同じになってしまう。給与や待遇に不満があれば、旗を掲げてストライキをするのが労働権になる。ところが、中国政府はストライキを認めず、従業員が自主的に構成する労働組合さえも認めない。交渉は、経営側と政府側の任命した委員で行われていたが、そのシステムを工場労働者は認めないと宣言している。自主的に選任した代表が経営側と交渉に入っている。これならば、妥当な解決策が見つかる可能性が高い。
 多くの日本企業が低賃金労働者を求めて、中国大陸湾岸部に進出している。清潔で機械化された工場で働くことが、労働者に満足をもたらさなくなった現実を見つめ直すしかない。同じ従業員なのに、中国人と日本人では50倍もの差があることにも抗議している。そんな状況では、不満だけが鬱積していく。いくら中国でも、月収1万2千円では、人生に絶望的になるのは当然だろう。その不満を吸収する自主的労働組合が海外企業の工場に生まれたことが衝撃を与えている。
 日本国内でも、契約切りなどという残酷な出来事が続いた。コストが安いからと言う理由だけで契約社員を雇用して、不況になったら首を切るのでは、働く側はたまらない。それでも、日本の契約社員やパート社員の月収は12万円を超えるだろう。中国と日本の生活水準が違っていても、車やTVの価格はほとんど同じになる。1万2千円で100万円の車は永遠に買えず、夢や希望が消滅する。農村部の出稼ぎ労働者と違って、若い世代は職業として工場を選択する。新たな世代の労働者を満足させられない工場などホンダらしくないし、存在価値はない。






Last updated  2010.06.02 18:38:27
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2010.05.30
カテゴリ:国際経済
 メキシコ湾の海底油田の事故対策は、最終段階にある。BPは海底油田の噴出孔に泥を詰めるという作業を行っていた。深さ1600メートルの海底での作業が順調に進むわけがないことは分かっていても、噴出孔を閉鎖できないと、莫大な量の原油が海中に流出し続ける。それを止める最後の手段が噴出孔に泥を詰めるというアイデアだったのに、圧力が高くて吹き飛ばされてしまったという。
 圧力の高さによって噴出孔を封印できないとすれば、残された手段は第二、第三の噴出孔を掘り、石油の圧力を弱めてから、第一噴出孔をふさぐしかない。この工事には数カ月かかるので、しばらくは原油の流出が止まらないことになる。有効な手が打てないBPに対して、米国政府やマスコミの批判がBPに集中している。しかし、この問題は利権と深く絡んでいるから、爆弾はいずれ米国政府のところに戻ってくる。
 海底油田の事故原因ははっきりしない理由は、事業の複雑怪奇さにある。BPが米国政府から採掘する権利を獲得できたのは、まさに政治力になる。無名の企業が採掘を申請しても、排除される論理が通用している。利権を獲得したBPは、採掘事業を下請けに丸投げしている。採掘技術を持つ専門企業のほうが効率が高いとされているが、こういう技術系の企業は政治力がなく、政治家とのパイプも持っていないことをあらわにしている。
 BPから事業を請け負った採掘会社は、海底油田を採掘する石油リグを設計している。しかし、実際に石油リグを製造したのは、別のメーカーだった。製造を請け負った造船メーカーにどれだけの知識があったかはわからない。BPなどの石油メジャーに海底油田採掘の技術があるという伝説は、このことを指すらしい。政治が深く絡む石油利権には、政治力や顔がないと受注できない壁がある。
 事故を起こした採掘現場の工事を担当したのは、米国の建設会社になる。議会の公聴会において、噴出孔が破損した理由をBPの設計のためだと証言している。設計がまずかったから、爆発事故が起こり、噴出孔の閉鎖に失敗したと主張している。これに対して、BPは厳しく反論した。すべての原因は、建設会社の手抜き工事にあると考えているらしい。海底工事の内容に関しては、誰も真相を探れない。1600メートルの海底で行われていた工事の内容を追求できるわけがない。BPが次の打つ手を見つけるまで、原油の流出は続いていく。






Last updated  2010.05.31 14:58:40
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2010.05.26
カテゴリ:国際経済
 反政府暴動や反乱は、左翼ゲリラや反政府勢力が行う行動のはずである。ところが、ジャマイカの首都キングストンで起きた反政府暴動は、なんとマフィアが起こしたものという。地下世界を支配するマフィアが、軍隊や警官隊と地上戦を行うのだから、世界中が驚くのは無理はない。多くの犠牲者が生まれているけれど、一般市民が銃撃戦で殺傷されている。バリケードを築いて戦っているのは、マフィアの構成員ではなく、一般市民が多い。
 アメリカから指名手配されているクリストファー・コークは、ジャマイカの麻薬王と呼ばれる。その麻薬王が一般市民の支援を受ける理由は単純である。貧しい南米社会で福祉の仕事をしているのは、麻薬で利益を上げたボスたちになる。南米の政府は、どこも福祉に関心が薄い。貧しさゆえに学校に行けない子供に奨学金を出すのはマフィアの仕事になっている。キリスト教的な相互扶助精神を持つのが、マフィアということが南米社会の特色だろう。麻薬で儲けた金を独占するのではなく、貧しい人々にばらまくことに意義を見出している。
 アメリカ政府は、麻薬世界のボスにすぎない人物が社会的な地位を得ていることに怒りを持っている。そこで、コークを逮捕して引き渡すことをジャマイカ政府に要求している。国際的な圧力を受けたジャマイカ政府は、キングストンの本拠を捜査し始めた。それに対して、コークに恩を受けている人々がバリケードを築いて対抗している。銃を持って戦っているのはマフィアの構成員だけでなく、多くは一般市民という事実を忘れてはならない。
 政府が麻薬の取引を規制することは、ジャマイカ社会を苦しくする。これはコロンビアでも、メキシコでも同じだろう。政治的な反政府勢力と反社会的なマフィアでは、そもそも目的が異なっているのに、反政府と反米という立場では一致する。多くの南米諸国では、資金稼ぎのために左翼ゲリラが麻薬商人を兼任している。しかし、マフィアの構成員が反政府活動を行うのは珍しい。それくらい、ジャマイカは経済的に困窮していることを示している。 






Last updated  2010.05.26 22:53:30
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2010.05.19
カテゴリ:国際経済
 「金のためなら何でもする」を合言葉に、ヘッジファンドは成長してきた。原油から通貨に至るまで、あらゆるものに投資を続けている。金融の世界で儲けることは、先を読む能力を必要とする。プロの金融マンも、失敗を重ねて凄腕に成長していく。彼らの儲ける利益は数百億円単位であり、年間数億円のボーナスを支払ってもペイできる。むしろ、ほかの金融機関に引き抜かれることを恐れている。それが契約金の高騰につながっていく。どこの世界でも同じだけれど、本物は少なく、偽物はごまんといる。その違いを見分けるのが、金融機関の経営者の役割になる。
 日本の金融機関は、NYと別世界にいる。プロも歩合制でなく、固定の契約金を支払うシステムが多い。日本の金融機関で働く者の多くは、プロのギャンブラーではない。システムを熟知していても、博打を仕掛ける度胸がない従業員になる。何十億円もの損失を出したら、席を外されてしまう。日本では、着実に安泰した利益を出す人間が、腕利きとして評価される。
 年間数百億円もの利益を上げられるならば、どうして独立しないかと問われるだろう。あっという間に超億万長者になれるのに、なぜ金融機関に縛り付けられているのかと問われてしまう。それは、個人で多額の資金を動かせないことに尽きる。一日で何十億円もの勝負をすることは、個人レベルでは不可能だろう。勝負に敗北した時に、破産してしまう。大規模な資金を動かす投資機関ならば、多少の損失は問題にならない。動かす資金量がけた外れなので、いずれ失った数十億円を取り戻すことができる。
 こういう猛者の集団をEUは規制しようとしている。多くのファンドはタックスヘイブンに逃避している。誰が何にいくら投資したかさえもはっきりしないシステムになっている。すべては闇の中なのに、その投資によって為替は変動し、金相場は動き、国債が乱高下する。まず、EU域外からの取引きを規制しようというのがEUの狙いだろう。ヘッジファンド規制強化によって、EU域内での取引は冷却化される。EU首脳は、規制によって失うものはないと考えているが、実際にやってみないと結果は分からない。大量の資金が第3世界に逃避する可能性だってある。英国政府は執拗に反対してきたが、その考えを受け入れるEU首脳は消えた。ハイエナ・ヘッジファンドがEUから消える日が来るのだろうか。






Last updated  2010.05.19 17:19:33
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2010.05.10
カテゴリ:国際経済
 メキシコ湾の海底で、爆発事故が起きることを予測されていれば、石油会社はさまざまな海底実験を行うことができた。しかし、最新設備ならば事故は起こり得ないと宣言していると、実験を事前に行うことができない。慌てて善後策を協議しても話がまとまらない。前例のない事故なので、対策がない。1500メートルの海底で事故が起きたら、まさに念仏を唱えるしかない。
 1500メートルの海底では、すさまじい水圧がかかり、ほとんどのものは潰れてしまう。海底石油の採掘には、遠隔操作の機械が主役になってくる。構造はトンネル採掘のドリルと類似している。海底に探査用の穴を掘り、掘った土砂を海上まで吸い上げる。掘削した垂直のトンネルに鉄板を埋め、コンクリートで固めて噴出孔を形成して蛇口を付ける。ドリルの先が原油を含む地層に到達すると、高圧の石油が噴き出す。かなりの圧力で原油が噴き出すことは、おそらく地上と同じだろう。地上施設と海底施設の違いは、人類が直接手出しできないことに尽きる。
 爆破で破壊されたパイプラインを海底ロボットが修復することは不可能なので、大型の鋼鉄茶碗を使うことにしたという。破壊されたパイプラインの上から茶碗をかぶせて、原油の流出を止める作戦になる。茶碗には、石油や天然ガスを吸い上げるパイプが付いていて、海上まで吸い上げてタンカーに乗せる。こうすれば、原油の流出を止めることができると信じられていた。
 実際に海底に鋼鉄の茶碗を下してみると、事態はさほど甘くないことが認識されてきた。1500メートルの海底には、巨大な水圧と低温が待っている。ふたの役割をする茶碗の内部にたまった天然ガスが、水圧と低温で結晶化して、茶碗の中に充満していく。天然ガスの結晶がパイプの出口をふさいでしまった。天然ガスの結晶をを溶かさないと、海上に原油を海上に送ることができない。爆発燃焼しやすい天然ガスの結晶を排除することは難しい。熱で溶かすと、第二の大爆発が待っている。
 凍った天然ガスの結晶は水よりも軽いので、このまま放置すると鋼鉄の茶碗が浮力で浮上してくる。ふたの役割さえもできなくなってしまう。実験室では起きえない現象に驚いて、作業チームは原油流出個所にふたをすることを断念したという。パイプラインからは、現在でも原油があふれている。これを止めるには、パイプラインを修復して、別のパイプにつなぐしかない。その複雑な工事は海底作業になり、人類は手を出せない。人間の欲望が招いた危機と叫ぶだけでは解決しないのがメキシコ湾の事故になる。






Last updated  2010.05.10 10:14:34
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