敗軍の将、兵を語る
私は某ビジネス週刊誌を定期購読している。そのなかで、『敗軍の将、兵を語る』というコラムがある。そもそもは、「項羽と劉邦」にて、劉邦傘下の大将軍である韓信が、趙を打ち破り、趙の参謀である広武君李左車に今後の戦略について教えを乞うた時、李左車が、「“敗軍の将は兵を語らず”、と聞いております。」という逸話にある、『~語らず』が出典であるが、あえて語ることによって、敗者の論理を逆説的にクローズアップしている。人間誰でも成功を目標としている。しかし、失敗して学ぶこともまた数多くある。このコラムでは自社の経営に失敗した人たちが、恥を忍んで自己分析をし、失敗の原因を公表している。我々はつい成功したひとたちばかりに耳を傾けがちだが、ほぼ誰しも経験しているはずであろう失敗談にこそ、未来の成功のヒントが隠されているような気がする。