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ボックリ博士

果実酒・薬酒を作ろう

果実酒、薬酒を作ろう(大宮第二公園緑化センター資料)
              (平成14年10月12日)
                           中 村 義 政

 10月も半ばになりますと、草や木の実が熟しはじめます。野山ではアケビ・マタタビ・サルナシ・チョウセンゴミシ・ビナンカズラ・オトコヨウゾメ・ガマズミ・サンカクズル・ズミ・ナナカマド・ツルリンドウ・トチバニンジンやヤマブドウ・ヤドリギなど。平地ではイチイ・イヌマキ・クコ・ニワトコ・サンザシ・ピラカンサ・サンシュユ・ムラサキシキブ・ナンテン・ノイバラ・ナツメ・ヤマボウシ・アメリカハナミズキ・サンショウ・カキ・カリンやザクロ、黒い実のムクノキ、ネズミモチなど。

さらにこの時期は注意しなければならないことがあります。見た目には美味しそうに見える果実でも毒を含むものが多くあります。身近なものではオモト・スズラン・シキミ・ウラシマソウやマムシグサなどテンナンショウの仲間、みずみずしい実をつけるハダカホウズキ・ヒヨドリジョウゴ・ヒョウタンボク、ほかにニシキギ・マユミなどほんの一例ですが、注意したいものです。野山では名前の分からない草木の実は取らないようにしましょう。なお図鑑で調べるときや専門家に聞くときは果実のついた枝を持ち帰り、どのような場所に生えていたかを書き留めておくと調べるときに便利です。いづれにしても毒草に対してしっかりした知識を持ち、事故のないよう十分気をつけましょう。

秋は蜂の活動が盛んになりますので注意して行動しましょう。特にスズメバチの姿を見たら近づかないこと。そして服装は明るい色のものがよいでしょう。
民有地や国有地など無断で立ち入ることのできない所がありますので注意しましょう。


次に果実酒を楽しく飲んでいただくために守りたいこと。
材料対比の表にも書いてありますように、それぞれに薬効成分があります。体
調に合わせて、健康酒・薬酒(薬ではありません)として飲みたいものです。

*食前酒として飲む→果実酒1に対して水か炭酸で3倍に割るか、氷を入れ
てロックにする。自身で飲みやすい割り方がいいと思います。

*健康を考えて薬用酒として飲む→1回の量20cc(お猪口1杯位)をそのま
まストレートまたは水で割って飲む。(飲みすぎは逆効果になります)


*材料を用意する
  1,素材(水洗いして水気を取りよく乾かす)
  2,ホワイトリカー35度
  3,氷砂糖(グラニュウ糖でも可)
  4,計量器
  5,ガラス容器(広口瓶)きれいに洗いよく乾かす
  6,ラベル(素材名、漬け込み日、分量などを記す)

*作業工程、漬け込み後の作業
  1,素材→氷砂糖→ホワイトリカーの順に容器に入れる
  2,ラベルを貼る
  3,冷暗場所で保管、熟成を待つ(月1回天地返しをする)
  4,柑橘類や崩れやすい果実、花、葉などは3ヶ月位で素材を取り出し
キッチンペーパーで漉す。
そのほか果実の硬いものは1年ほど漬け込んでもよい。種類によっ
ては灰汁や渋みが出るので様子を見る。
3ヶ月を過ぎれば飲めますが、1年以上は熟成させたいものです。
  5,素材を取出し漉す。更に熟成させるため、広口瓶から口の小さい容器に
詰め替えます。3~5年とてもおいしくなります。澱が出たら漉します。
 
*そのほか
アルコールと糖分の浸透圧によって素材のエキスが抽出されます。素材の糖
度に応じて糖分の分量を変えます。やや少なめにし、飲むときに調整します。

*氷砂糖 時間をかけてじっくり溶けながら素材のエキスを引き出しタイ
ミングよく合致する。

*グラニュウ糖 早く溶けるので崩れやすい素材に最適。

                     (大宮植物同好会幹事)



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