カテゴリ:ガーデンデザイン
トールグラスの活用というタイトルの通り今回の記事では高性のグラス類を紹介していきたいと思います。トールグラスは植栽の中で特別な役割を担っています。トールグラスはその草丈の高さから植栽の中でもフォーカルポイントになりますし、グループとして使えばスクリーンとして使うこともできます。風のある日にはダイナミックな動きを見せ、夏から秋にかけて穂を立ち上げて季節感を演出します。 トールグラスの役割を理解しながら効果的に植栽に組み込んでいくことができれば庭の雰囲気は大きく変わります。そこで今回はトールグラスの代表的な種類を幾つか紹介しながらそれぞれがどのように使われているのか見ていきたいと思います。 アンペロデスモス・マウリタニカス(Ampelodesmos mauritanicus) は草丈が1.5mほどの常緑のグラスで噴水のように優美な曲線を描きながら伸びる茎の先に銀色がかった大粒の種をつけます。乾燥した場所を好み、この写真はベス・シャトーガーデンのドライガーデンに植えられているものの写真です。この写真のように単体で、幾つかの場所に配置することでリズムをつけることができます。 カラマグロスティス・オーバーダム(Calamagrostis × acutiflora 'Overdam') は斑入りのカラマグロスティスで、垂直に伸びる草姿の整ったグラスです。枝葉はカラマグロスティス・カールフォースターよりも銀白色を帯びているため、白色系統の品種を中心に作られたシルバーガーデンに用いました。フォーマルガーデンからワイルドガーデンまで幅広く使うことができる品種です。 カラマグロスティス・カールフォースター(Calamagrostis x acutiflora 'Karl Foerster') はこのブログでは鉄板の品種です。整った草姿と穂の美しさ、丈夫さを兼ね備えておりグループで配置することもできますし単体で数か所位配置することもできます。この写真はキューガーデンのグラスガーデンの物で、同一品種を前後にややずらしながら横長に配置することで、スクリーンのような役目を果たしています。 ミスカンサス・シネンシス(Miscanthus sinensis) はススキの一種で、日本では雑草の印象が強いですが海外では様々な場面で用いられます。葉の密度が高く全体的にヴォリュームが大きい印象なのでグループで植えると緑の壁を作り植栽にリズムを加えることができます。この写真はトレンタム・ガーデンで撮られたもので、大きめのブロックを一単位にして様々な植物が配置されていることが見て取れます。 ペニセタム・マクロウルム(Pennisetum macrourum) は1mほどまで伸びる草姿の整ったグラスで、まっすぐで長い穂をつけます。すっきりとした枝葉は自然な植栽によく溶け込みます。集合で植えることもできますし単体で植えても効果がある品種です。 スティパ・ギガンテア(Stipa gigantea) は高さが1.5 – 2.5m ほどの常緑のグラスです。本体は50cmほどの高さの半球体でそこから細い茎を伸ばして夏から秋にかけて金色の穂をつけ風にそよぐ姿は優雅です。茎は高さがありますが密度は低く透視性があるため圧迫感がなく使いやすい品種です。 この記事で紹介したものはトールグラスのほんの一部でしかありませんが、植物の高さ、形態、葉の密度、透視性などに注目してこの植物は単体で使うべきかグループで使うべきか、フォーマルな植栽に合うのかまたはワイルドな風景を演出するのに用いるべきかなど考察しながら使っていくと面白い植栽デザインが作れるのではと思います。 今回の植物
EXPERIMENTAL GARDEN
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