2004/06/25(金)17:04
酵母について ~第4回~
さて、「酵母について」の第4回は、一般に流通している、パン酵母の形状について考えいきたいと思います。
おおまかに分けて、現在流通しているパン酵母の形状は、4つです。
1)生イースト
2)ドライ・イースト
3)インスタント・ドライイースト
4)醗酵種(生地種の場合と、液種の場合がある)
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1)生イースト
これは、業務用では特に良く使用されてい形状のイーストです。「生」ですので、生きた酵母を粘土状にキューブにしたものです。
2)ドライ・イースト
これは、生イーストを低温乾燥させて作ったものです。粒状になっており、使用する時は、お湯などに溶かし、予備醗酵をさせて使用します。
低温乾燥させて作られる為、表面の酵母は乾燥し、死んだ酵母(死滅酵母)で被われている中に、生きた酵母がくるまれている状態になっています。
予備醗酵とは、乾燥した状態の表面の死滅酵母を溶かすと共に、中の酵母までふやかして、活動を呼び起こすような意味合いがあります。
3)インスタント・ドライ・イースト
ドライ・イーストに比べ、粒が小さく顆粒状になっていて、より水分が少なく、保存が効きます。しかも、ドライ・イーストで必要だった「予備醗酵」が必要無く、混合する時に、すぐに投入できます。
生イーストと比べ、水分が飛んでいる分だけ比重が軽い為、だいたい同じだけのパン酵母の量にする場合(レシピを生とドライとを変換する時)、生3:ドライ1の比率で考えると、考えやすいと思います。
具体的には、フランスパンを生イーストで作る場合、ベーカーズパーセントで2%入れますが、ドライになると0.6~7%になります。
少し余談になりますが・・・。
パンを焼く時、香ばしい香りとキツネ色の焼き色がつきますが、これは、イースト自体持っているアミノ酸も、表面の炭化にすこし関係してきます(他にも小麦粉や、糖や、副材料も関係してきますが、ここではおいておきます。酵母の話ですので・・・)。
酵母も生き物ですので、主要な構成要素は、アミノ酸です。
ドライ・イーストも、インスタント・ドライ・イーストも、乾燥させて作る為、表面のパン酵母は死んでしまった酵母(死滅酵母)で被われています。死んでしまった酵母は、生き物としては天寿を全うしましたが、亡がらにはアミノ酸が残っていますので、このタイプのイーストは、パンの色付きや香りが、生イーストよりも、若干良いと考える事ができます。
4)醗酵種
このタイプは、一見、パン生地のような感じで、流通しているものと、液種として流通しているものがあります。
もちろん、その生地の中には、パン酵母がいる訳です。その醗酵種をパン生地に混合して、使用します。
パネトーネ種や、酒種などに、良く見られます。
酵母の流通時の形状は、以上の4種類ですが、中身のパン酵母については、形状とは直接関係はありません。
つまり、生イーストだけど、ヨーロッパ型酵母というものもあるし、ドライだけど、日本型酵母という場合もあります。中には、自家製酵母をドライにしたものもあります。
酵母の流通時の形状は、酵母の特性とはあまり関係がないので、それぞれの酵母自体が、どのような特性であるかは、製造元の説明を聞くか、実際に使用するかして、判断する必要があると考えられます。
(25日に追記と表現の変更をしました)