【 勝・環境創造 /ニュービジネス日記】

2012/09/05(水)21:14

Niche Market

日本に住む在日中国人の数をご存知だろうか?!東北地方太平洋沖地震の影響で、多くが日本国外に避難したが、今は大半が日本に戻ってきている。その結果、入国管理局によれば現在約67万人の中国人が日本に暮らしているという。 県別の人口を見ると、島根県は71万人、鳥取県は58万人の人口で、在日中国人は1県分程度の数に昇るわけだ。 この数字を見ると、観光誘致ばかりに目を向けるのでは無く、全く異なる視点で在日中国人マーケットを取り込む施策を講じるのも面白いのではないかと思う。 観光目的で訪日する中国人は2010年が140万人。震災のあった2011年でも100万人を超えており、今年は2年前の140万人を上回る数の訪日者数が見込まれている。中国人をキーワードにした観光客相手のマーケットが面白いのは確かだ。 しかし、観光客の日本滞在日数は、7割が5日から6日だという。この滞在日数で計算すると、日本の中に滞在している中国人観光客は1日平均約2万人程度になるが、観光を目的として訪日する彼らに提供できるサービスは、観光産業やお土産などに関連するビジネスと限定的なものでしか無い。 一方、在日中国人は、当然の事ながら在日総数の67万人が毎日日本の中で生活をしている。一日2万人しかいない観光客と比べると、数の面で在日中国人が圧倒的多いことになる。観光ばかりに目を向けて、在日中国人マーケットを放置するのはもったいないと考える所以はここにある。 勿論、彼らの中には日本人と変らない生活を送れる語学力、文化的理解を持って生活する人たちもいるが、その数は限られている。そこで、そういった大多数の在日中国人向けのサービスを考えれば、そこには様々な提供機会が存在するはずだ。 大阪に小春(シャオチュン)というサイトを運営する企業がある。この企業は在日中国人向けのポータルサイトが事業のメインだが、そのサイトの会員総数は12万人。日本国内の約18%の中国人がこのサイトに登録している計算になり、12万人の会員数がいれば広告媒体といても一定の価値は出てくる。 勿論、公告モデルだけでは事業として物足りないが、そこに物を流す仕組み付加してやれば、結構面白いビジネスが出来上がったりするに違いない。 67万人のパイはそれほど大きな物ではないが、そこに眠る潜在的ポテンシャルに市場性を見出しビジネスアイディアを膨らませれば、価値ある環境を在日中国人に提供することが出来るし、深く日本の事を理解して貰えるプラットフォームを提供できるのではないかと思う。

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